【最新版】電子カルテメーカーのおすすめ23選!カルテの選定ポイントも解説!
電子カルテを導入することで、業務の効率化やスピーディな情報確認などのメリットが享受できます。厚生労働省のデータによる令和2年の電子カルテ普及率は、一般病院57.2%、一般診療所49.9%と病院の規模を問わず、年々増加傾向です。
本記事では、電子カルテメーカー選定のポイントと、各電子カルテメーカーの特徴を徹底解説します。また、電子カルテメーカーを選定中の方向けに作成した「CLINICSカルテご案内資料」は以下よりダウンロード可能です。ぜひ、ご活用ください。
目次[非表示]
- 1.電子カルテのメリット・デメリット
- 1.1.電子カルテのメリット
- 1.2.電子カルテのデメリット
- 2.電子カルテの導入費用相場
- 3.クリニック(無床診療所)向け電子カルテメーカー比較
- 3.1.クラウド型電子カルテ
- 3.1.1.株式会社メドレー(CLINICSカルテ)
- 3.1.2.株式会社EMシステムズ(MAPs for CLINIC)
- 3.1.3.株式会社湯山製作所(BrainBoxCloud)
- 3.1.4.株式会社ビー・エム・エル(Qualis)
- 3.1.5.株式会社ラボテック(SUPER CLINIC)
- 3.1.6.エムスリーデジカル株式会社(M3DigiKar)
- 3.1.7.株式会社DONUTS(CLIUS)
- 3.1.8.株式会社レスコ(Warokuクリニックカルテ)
- 3.1.9.株式会社クリプラ(CLIPLA Eye)
- 3.2.オンプレミス型電子カルテ
- 3.2.1.株式会社ダイナミクス(ダイナミクス)
- 3.2.2.富士通Japan株式会社(HOPE LifeMark-SX)
- 3.2.3.株式会社京葉電子工業(カルテビューア)
- 3.3.ハイブリッド型電子カルテ(クラウド・オンプレ)
- 4.病院向け電子カルテメーカー比較
- 4.0.1.株式会社パシフィックメディカル(MALL)
- 4.0.2.株式会社ソフトウェア・サービス(新版e-カルテ)
- 4.0.3.株式会社シーエスアイ(MI・RA・Is/AZ)
- 4.0.4.日本電気株式会社(NEC)
- 4.0.5.株式会社ライブワークス(LIVE)
- 5.訪問・在宅医療向け電子カルテメーカー比較
- 5.0.1.NTTプレシジョンメディシン株式会社(モバカルネット)
- 5.0.2.株式会社アイソル(Zaitak Karte)
- 6.自由診療向け電子カルテメーカー比較
- 6.0.1.株式会社メディベース(MEDIBASE)
- 6.0.2.株式会社メディカルフォース(medicalforce)
- 7.電子カルテメーカーの選び方
- 7.1.クラウド型かオンプレミス型か
- 7.2.予算に見合った費用かどうか
- 7.3.システム連携に対応しているか
- 7.4.診療科ごとの特徴に対応した機能があるか
- 7.5.操作性が優れているかどうか
- 7.6.サポート体制が十分かどうか
- 8.電子カルテの種類
- 9.電子カルテのトレンド
- 10.電子カルテメーカーに関してよくある質問
- 10.1.費用相場はどのくらい?
- 10.2.導入までの期間はどのくらい?
- 10.3.レセコンメーカーとは違うの?
- 10.4.レセコン連動型と一体型は何が違うの?
- 11.まとめ
電子カルテのメリット・デメリット
電子カルテの導入前には、あらかじめメリット・デメリットの両方を理解しておくことが必要です。ここではメリットとデメリットについて解説します。
電子カルテのメリット
電子カルテのメリットは、以下のとおりです。
●業務効率の改善
●保管スペースの減少
●情報の確認・処理が容易
電子カルテの場合、受付や予約、会計時間、カルテへの記載などさまざまな業務の短縮、負荷軽減が可能です。また、電子カルテの保管場所はサーバーのため、紙カルテのように大量の保管場所を確保する必要はありません。
タイムリーに入力内容が反映されることから、情報の確認・処理がスムーズに進みます。手書き文字は、人により特徴があり、数字の読み間違いなどのリスクがある一方、電子カルテであれば、的確に指示を読み取れます。
電子カルテのデメリット
電子カルテ導入のデメリットは、下記のとおりです。
● システム移行初期の苦労
● 停電などの電源トラブル時のリスク
● 運用コスト
新しく電子カルテを導入するにあたっては、医師、事務員、スタッフなどのマニュアル理解が必要です。操作に慣れるまでに時間がかかり、現場から「紙カルテのほうが楽」といった声が上がる可能性もあります。既存の運用方法の変更・統一が求められるケースも少なくありません。
また、電子カルテの使用には、インターネットへの接続が必要です。万が一の停電に備え、非常電源からの電力供給の有無の確認や紙カルテへの緊急移行マニュアルの作成なども求められます。
さらに、電子カルテの場合、導入費用だけでなく日々の運用コストが発生します。メーカーにより運用コストが異なるため、あらかじめ確認が必要です。
電子カルテの導入費用相場
電子カルテの導入費用は、クラウド型かオンプレミス型かで大きく異なります。クラウド型は、初期導入費用+月額費用、オンプレミス型は、初期費用+月額の保守費用が必要です。
下記は、導入費用相場を示す表です。
初期導入費用 |
月額費用 |
|
クラウド型 |
数十万〜200万円 |
2~5万円 |
オンプレミス型 |
250万〜400万円 |
2~3万円 |
他にも、別途費用が発生するケースがあります。
例えば、オンプレミス型の場合、システムカスタマイズを希望すると、カスタマイズ代が必要です。また、診療報酬改定時などは手動で作業する必要があり、人件費という形でコストが生まれます。すぐに見えない形での導入コストにも注意が必要です。
クリニック(無床診療所)向け電子カルテメーカー比較
クラウド型電子カルテ
株式会社メドレー(CLINICSカルテ)
「CLINICSカルテ」は誰もが利用しやすいシンプルさと、高い操作性を兼ね備えたクラウド型電子カルテです。CLINICSカルテは予約・問診・レセプトの一括管理を可能にしたため、院内業務の効率化が可能です。
また、カルテ専門のスタッフが在籍しておりますので、導入時のデータ移行、導入後の利用についても心配ありません。
引用:CLINICSカルテ
株式会社EMシステムズ(MAPs for CLINIC)
「MAPs for CLINICS」は、ストレスフリーをクラウドで実現した電子カルテです。
優れたUIはもちろん、各診療科目に特化した機能を搭載しているので、診療科を選ばないクラウド型電子カルテとなっております。
他社システムの連携性も抜群なので、シームレスな操作性を実現する電子カルテとなっております。
株式会社湯山製作所(BrainBoxCloud)
「BrainBoxCloud」は、株式会社湯山製作所が提供する医療会計と統合されたクラウド電子カルテシステムです。
当システムには、AI INSIGHTと呼ばれる機能が搭載されており、データの分析や予測が可能です。また「BrainBoxCloud」は他院の処方管理とも連携が可能で、診察パネルの導入によって連携した処方管理をまとめて表示でき、患者の状態を一目で把握できます。
さらに、院内にサブサーバを設置して同期すれば、障害にも備えられます。「BrainBoxCloud」は無床クリニックにも対応し、幅広い医療機関で利用できる便利なシステムです。
株式会社ビー・エム・エル(Qualis)
株式会社ビー・エム・エルが医療現場のニーズに基づき開発した「Qualis」は、使いやすさと機能性に優れた電子カルテシステムです。使い手の好みに合わせてレイアウトを設定でき、異なる端末でもストレスなく操作可能です。
診療アラーム機能で患者ごとの予定を確認し、外注検査もオンラインで効率的に行えます。また、安心のサポート体制とセキュリティ対策で、診療所の円滑な運用を支援します。
引用:Qualis
株式会社ラボテック(SUPER CLINIC)
「SUPER CLINIC」は、クリニック向けの電子カルテシステムで、患者の安全と安心を確保し、カルテ情報を請求データに自動変換する総合診療システムです。
導入から稼動まで一貫してサポートし、医療現場を強力にバックアップしています。導入時はハード・ソフトの両面からの支援を受けられ、操作方法もレクチャーしてくれるため、導入時のスムーズ化が図れます。
引用:SUPER CLINIC
エムスリーデジカル株式会社(M3DigiKar)
「M3DigiKar」は、エムスリーデジカル株式会社が提供するクラウド型電子カルテシステムです。
AI自動学習機能を搭載しているのでカルテの記入時間を削減できたり、iPadやスマホでも使える予約や会計システムとの連携も充実しているので、クリニックのあらゆる手間をラクにします。
最新AIによる自動学習とシンプルな画面設計でカルテ記入時間を大幅に削減しながら、オンライン診療や訪問診療など日々多様化する診療形態にも対応していく進化する電子カルテです。
引用:M3DigiKar
株式会社DONUTS(CLIUS)
「CLIUS」は、端末を選ばず利用することができるクラウド型電子カルテシステムです。
Do入力、セット登録、AI入力などの基本機能はもちろん、豊富な連携実績をほこるカルテとなっております。
また、ゲームや勤怠管理システムを手掛ける株式会社DONUTSサービス提供しているので、見やすいUI画面となっております。
引用:CLIUS
株式会社レスコ(Warokuクリニックカルテ)
「Warokuクリニックカルテ」は、精神科クリニック向けのクラウド型電子カルテであり、外来受付から会計、次回予約までを一括してサポートします。患者の状態を一覧で把握し、時系列で記録を表示できるのが強みです。
また、入力補助やワンクリックオーダー、心理検査オーダーなどの機能が備わっています。さらに、クラウド型で手軽に利用可能で、標準マスタの提供やマスタのメンテナンスも行ってくれるため、常に最新バージョンが利用できるのが魅力です。
株式会社クリプラ(CLIPLA Eye)
「CLIPLA Eye」は、業界初の眼科専用クラウド型電子カルテシステムです。各種検査機器からのデータや画像をワンクリックで取り込み、レフケラのデータは見慣れたレシート形式で表示されます。
また、タブレット端末を使用すると、検査値の入力がよりスムーズになり、業務の効率化が可能です。さらに、ゼロ処方機能やコンタクトレンズの処方機能も備えており、投薬管理や処方せん作成が簡便に行えます。
シェーマの描画も容易で、7段階の太さと6色のペンで詳細なシェーマを作成できます。診察室や検査室ではダークモードを活用すれば、暗い環境でも画面の明るさが気にならず、検査や診療に集中できる環境構築が可能です。
引用:CLIPLA Eye
オンプレミス型電子カルテ
株式会社ダイナミクス(ダイナミクス)
「Dynamics」は、開業医の吉原正彦先生が実地医療の現場の観点から開発したレセコン・電子カルテ一体型ソフトです。当システムは、使いやすさに重点を置き、ほとんどの操作がマウスで行えるため、キーボード入力が苦手な方でも問題なく利用できます。また、レセプトと電子カルテが一体化しており、日々の診療内容をスムーズに活用できます。
さらに、スマートフォンやタブレットPCでカルテ情報を参照できるため、外出先や緊急時にも便利です。
引用:ダイナミクス
富士通Japan株式会社(HOPE LifeMark-SX)
富士通Japanは国内病院シェアNo.1(※)の大手企業です。主な製品として、300床以上の大中規模病院向けでオンプレミス型の「HOPE LifeMark-HX」や、大中規模病院向けでクラウド型の「HOPE LifeMark-HX Cloud」、300床以下の中小病院向けでオンプレミス型の「HOPE LifeMark-MX」、300床以下の中小病院向けでクラウド型の「HOPE Cloud Chart II」を提供しています。
※ 出典「月刊新医療データブック・シリーズ 医療機器システム2018」より
株式会社京葉電子工業(カルテビューア)
「カルテビューア」は、紙カルテの診療スタイルを維持しながら、電子化・閲覧を可能にしたシステムです。
検査・診察情報をスキャンして電子化し、過去の情報が瞬時に検索できます。また、QRコードを活用した文書管理の自動化や仕分け作業の削減など、効率的な管理ができる点も魅力です。
カレンダー機能により患者の来院状況が把握でき、過去のカルテも容易に管理できます。
引用:カルテビューア
ハイブリッド型電子カルテ(クラウド・オンプレ)
ウィーメックス株式会社/旧PHC株式会社(Medicom-HRf Hybrid Cloud)
「Medicom-HRf Hybrid Cloud」は、ウィーメックス株式会社が提供する電子カルテシステムで、オンプレ型とクラウド型のハイブリッド型となっております。また、レセプトチェック機能も搭載しており、月末月初の保険請求業務の作業効率化に寄与します。
さらに、ほかの院内システムとの連携が可能で、予約・受付システムや各診療科の検査システムとも統合できます。個人情報保護や不正アクセス防止などのセキュリティ対策も充実しており、安心して利用できる電子カルテシステムです。
システムロード株式会社(RACCO電子カルテ)
「RACCO電子カルテ」は、産婦人科施設向けに特化した電子カルテです。通常の電子カルテでは対応が難しい産婦人科現場において、20年以上の実績を持つRACCOは、医師、助産師、看護師、事務の声を反映し、使い勝手のよいシステムを提供しています。
全国約16,000施設で使われている日本医師会標準レセプトソフト(ORCA)との連携が可能であり、各種機器やソフトウェアとの連携にも柔軟に対応しています。電子カルテや妊娠経過の画面は操作が簡単で見やすく、助産師記録や温度板も一覧制で使いやすい点が特徴です。
引用:RACCO電子カルテ
病院向け電子カルテメーカー比較
株式会社パシフィックメディカル(MALL)
株式会社パシフィックメディカルが提供している「MALL」は、病院向けに開発され、約20年間、継続率99%でご利用いただいています。部門システムが一体の、柔軟性と拡張性に優れた、リーズナブルな電子カルテです。
MALLは、初期導入費用やランニングコストを抑えられるように、シンプルな設計を採用しています。また、医師・看護師などの職種や、ユーザーごとに、約3,000項目もの設定項目を自由に選択することができ、施設や部門ごとの柔軟なカスタマイズも可能です。
引用:MALL
株式会社ソフトウェア・サービス(新版e-カルテ)
「新版e-カルテ」は、小規模から大規模の病院まで、幅広い規模の病院で利用可能な病院向け電子カルテシステムです。
投薬、注射、検査、処置、手術など幅広いオーダーに対応し、患者毎のオーダー履歴を参照できます。さらに、次回来院時のオーダーや条件付きオーダーの設定、ポータル機能や紹介医療機関管理など、多彩な機能を提供し、看護業務のトータルサポートも可能です。
また、ベットサイドでの情報入力や看護計画立案など、ベットサイドでの看護勤務を効率的にサポートしてくれます。経過表のデータ管理や各種評価の管理など、看護に必要な機能が豊富に装備されているシステムです。
引用:新版e-カルテ
株式会社シーエスアイ(MI・RA・Is/AZ)
「MI・RA・Is/AZ(ミライズ/エーズィー)」は、全国900件(※)を超える導入実績を持つ国内トップクラスの電子カルテシステムです。医療・介護・福祉・保険の連携をシームレスに実現してくれます。利用者や業務に合わせた画面構成、見やすいフォント設定、複数人同時入力機能、付箋紙機能などが備わっています。
MI・RA・Is/AZは、地域包括ケアシステムの実現に最適なソリューションであり、操作性の向上、医療安全・経営改善・業務効率向上を支援してくれる点も魅力の一つです。また、マルチベンダー方式・標準インターフェースに対応し、クラウドにも対応したシステム基盤を提供しています。
※出典:株式会社シーエスアイ調べ。2023年12月時点。
引用:MI・RA・Is/AZ
日本電気株式会社(NEC)
日本電気(NEC)は、1966 年からレセコンを提供している老舗企業です。主な電子カルテ製品は「MegaOak」シリーズであり、300床以上の急性期病院向けの「MegaOakHR」やノンカスタマイズ型の「MegaOak/iS」、100床未満の小規模病院向けクラウド型の「MegaOakSR」を提供しています。
引用:NEC
株式会社ライブワークス(LIVE)
「LIVE」は精神科病院向けに開発された、病院基幹業務を統合したオールインワンの電子カルテシステムです。連続稼働180施設の実績を誇り、圧倒的な安定感を持っています。
WindowsやMac、iOSやAndroidなど、さまざまなOSに利用でき、システムの拡張性が高いのも特徴です。クラウド基盤での提供も可能で、操作性はシンプルで一括入力などの機能が事務作業を軽減してくれます。
精神科特有の行為にも標準で対応し、カンファレンスや相談記録管理など、精神科病院の業務に特化した充実した機能を備えています。すべてのシーンで使いやすく、入力支援やサンプルも豊富です。
引用:LIVE
訪問・在宅医療向け電子カルテメーカー比較
NTTプレシジョンメディシン株式会社(モバカルネット)
「movacal.net(モバカルネット)」は、訪問診療に特化したクラウド型電子カルテシステムです。モバイルでも使いやすく、訪問先でもスムーズにカルテ作成ができ、オフライン機能で過去カルテの参照も可能です。
また、モバカルネットのチャット機能を活用すると、院内・院外での情報共有がスムーズに行えます。価格は初期費用が200,000円(税別)、月額費用が50,000円(税別)であり、手頃な価格で在宅医療に特化した機能を提供しています。
引用:モバカルネット
株式会社アイソル(Zaitak Karte)
「Zaitak Karte」は、株式会社アイソルから提供されている訪問・在宅診療に特化したクラウド型電子カルテシステムです。
インターネット接続環境があれば、いつでもどこでも、さまざまなデバイスから電子カルテを操作できます。さらに、緊急を要する文書や紹介状、処方箋などの書類をインターネットFAXにて送信が可能です。
Zaitak Karteは、在宅医療を専門で行っているクリニックだけでなく、外来診療と在宅医療の両方を電子カルテ化したいクリニックにもおすすめです。システムの柔軟性と利便性により、医療現場での効率的な情報共有を可能にします。
引用:Zaitak Karte
自由診療向け電子カルテメーカー比較
株式会社メディベース(MEDIBASE)
「MEDIBASE」は、自由診療に特化したクラウド型の電子カルテシステムです。美容外科・美容皮膚科などの自由診療医院で広く利用されており、充実した機能と使いやすさにより、診療業務の効率化や運用コストの削減を実現します。
また、MEDIBASEはリースが不要であり、初期投資を抑えて長期間利用できるため、トータル費用が低価格化されている点も大きな魅力です。
さらに、予約システムとの連携により、患者自身がインターネット上で診療の予約ができるため、受付時の手続きが効率的に行えます。LINEでも簡単に予約が可能で、新患・再来の増加に寄与します。
引用:MEDIBASE
株式会社メディカルフォース(medicalforce)
「medicalforce」は、美容クリニックや自由診療クリニック向けに開発されたクラウド型のオールフロー電子カルテです。現場で働くスタッフが使いやすいように、直感的な操作性を重視して設計されています。
また、電子カルテとしての基本機能に加えて、予約管理、在庫管理、会計、マーケティングなどの機能を搭載しており、自由診療クリニックの業務効率化も可能です。
そのほか、経営管理のダッシュボード機能により、自動集計したデータをもとに経営状況を可視化してくれるため、患者の来院履歴や予約状況を分析して、マーケティングに活用できます。
引用:medicalforce
電子カルテメーカーの選び方
電子カルテメーカーの選び方として、以下6つのポイントに整理して解説します。
- クラウド型かオンプレミス型か
- 予算に見合った費用かどうか
- システム連携に対応しているか
- 診療科ごとの特徴に対応した機能があるか
- 操作性が優れているかどうか
- サポート体制が十分かどうか
クラウド型かオンプレミス型か
電子カルテは大きく「クラウド型」と「オンプレミス型」に2分されます。下記のような違いがあるため、自院にとってどちらが適しているかを検討する必要があります。
予算に見合った費用かどうか
電子カルテメーカーを選定する際には、予算に見合った費用かどうかを検討しましょう。選定に際し、重要となるポイントは以下のとおりです。
- 初期費用
- 月額費用
- 更新費用
- オプション費用
- 連携費用
- データ移行費用(入れ替えの場合)
まず挙げられるのが初期費用です。搭載されている機能や、オンプレミス型なのか、クラウド型なのかなどによって費用は大きく変動します。また、月額費用や更新費用など、継続的に利用するうえで発生する費用も考慮する必要があります。
次に、オプションや連携に関連する費用も把握しておきましょう。もし、既存のシステムを入れ替える場合は、データ移行にかかる費用も含まれてきます。費用を総合的に検討し、予算に余裕を持たせると、無理のない導入が可能になります。
システム連携に対応しているか
続いて、システム連携に対応しているか否かも重要なポイントです。主に、電子カルテ以外に導入する予定のシステムとの連携がスムーズに行えるかどうかをメーカーに問い合わせて確認しましょう。
例えば、患者情報や会計情報など、業務の効率化に必要な情報が適切に連携できるかどうかがポイントです。
主に下記のシステム・会社との連携を確認しましょう。
- 診療予約システム
- Web問診システム
- 画像ファイリングシステム
- 自動精算機/セルフレジ
- 検査会社
- 診察券発行機
診療科ごとの特徴に対応した機能があるか
使い勝手のよい電子カルテを選ぶためには、自院の診療科に適した機能があるかどうか確認しましょう。例えば、眼科や産婦人科、小児科、整形外科などは、必要な機能がなければ、診療が差し支える可能性があります。
比較検討する際には、診療科の特徴に対応した機能があるかだけでなく、十分な実績があるのか、どのような医療機関で導入されているのかなどを確認すると、希望に近い電子カルテが選定できるでしょう。
操作性が優れているかどうか
操作性が優れているかどうかも重要なポイントです。まずは、医師や看護師などの診療サイドで、デモ機を用いて操作性を評価します。
次に、医療事務スタッフなどのバックオフィスでの評価を実施して、業務効率向上が期待できるかを確認しましょう。最終的には電子カルテを使うすべての関係者が評価し、クリニック全体として満足できる電子カルテの選定が重要です。
サポート体制が十分かどうか
電子カルテを選ぶ際には、費用や機能だけではなく、サポートの内容にも注目しましょう。メーカーからは、導入前と導入後の2つの段階で、異なるサポートが提供されます。
導入前のサポートでは、電子カルテのセットアップや利用方法の指導などが含まれます。一方、導入後のサポートでは、システムトラブルの対応や診療報酬改定への対応が主な内容です。
実際にサポートを受ける際の形式は、メール・電話・チャットなど、メーカーによってさまざまです。また、有償対応と無償対応の線引きも異なるため、自院の運用に適したサポート体制があるかどうか、できるだけ具体的に確認しましょう。
電子カルテの種類
ここからは、電子カルテの種類について下記3つの特徴を解説します。
- オンプレミス型
- クラウド型
- ハイブリッド型
オンプレミス型
オンプレミス型の電子カルテは、病院内に専用のサーバーを設置し、データを管理するシステムです。オンプレミス型の歴史はクラウド型と比べて長いため、導入実績としては、新規開院する医療機関よりも、すでに開業している医療機関が多い傾向にあります。
オンプレミス型は、メーカーのサポート拠点が全国にあるケースが多く、クリニックに合わせて自由に機能をカスタマイズできる場合もあります。
一方で、クラウド型と比べて、導入費用は高価な傾向です。院内のサーバー設置費用だけでなく、システムのアップデートや保守など、継続的な費用が発生します。
院内のサーバーがすべての情報管理を担っているため、情報漏洩対策や、外付けの記録メディア規制など、運用ルールの徹底が重要です。
クラウド型
クラウド型の電子カルテは、インターネットを介してメーカー側が運用するサーバーにデータを保管するシステムです。オンプレミス型に比べて導入費用や月額費用が安価なため、新規で開業する医療機関の利用者が多い傾向にあります。
クラウド型電子カルテ最大のメリットは、インターネット環境があれば、どんな端末でも利用できる点です。
ただし、電子カルテメーカーのサーバーにデータを預けるため、細かなカスタマイズが難しい点はデメリットになります。
ハイブリッド型
ハイブリッド型の電子カルテとは、クラウド型とオンプレミス型を組み合わせたシステムです。クラウド型とオンプレミス型のシステムがリアルタイムで連携し、サーバーの状態に応じて利用できます。
例えば、オンプレミス型での利用時にトラブルが生じて正常に利用できなくなった場合、クラウド型への切り替えが可能です。緊急時でも院内サーバーの影響を受けずに電子カルテを利用できる点はハイブリッド型電子カルテの大きなメリットといえます。
ただし、ハイブリッド型電子カルテは、機能が充実している反面、高額な導入費用がかかるケースが多いため自院に必要かどうか、検討する必要があります。
電子カルテのトレンド
厚生労働省が発表した「電子カルテシステム等の普及状況の推移」によると、令和2年時点での電子カルテの普及率は一般病院が57.2%、一般診療所が49.9%となっており、全体の約50%以上の医療機関が電子カルテを導入しています。
近年の電子カルテのトレンドとしては、コロナ禍より注目されていた、Web予約管理・問診システムとの連携が挙げられます。
事前に来院時間を設定して待ち時間を短縮できるほか、受付時のトリアージなどにも役立つシステムです。また、患者が入力した問診情報が電子カルテに自動的に反映されるため、院内での問診入力時間が大幅に削減され、受付時間・待ち時間の短縮も期待できます。
待ち時間の長さはクレームにつながりやすい要因のため、電子カルテとの連携機能はクリニックの運営にとって、大きな助けとなるでしょう。また、オンライン診療の拡充や自動精算機・自動釣銭機との連携も、今後の電子カルテに関するトレンドと予想されます。
電子カルテメーカーに関してよくある質問
電子カルテメーカーに関してよくある質問を4つピックアップしたので、それぞれ解説していきます。
- 費用相場はどれくらい?
- 導入までの期間はどのくらい?
- レセコンメーカーとは違うの?
- レセコン連動型と一体型は何が違うの?
費用相場はどのくらい?
クラウド型の電子カルテを導入する場合は初期費用と1年分の月額費用を合算して100万〜200万円程度が相場です。オンプレミス型は、導入するパソコンの台数によって大きく費用が変動します。一般的な内科でパソコンを5台導入する場合、100万円/台x5台=500万円程度が相場です。
また、初期費用に加え、システム連携費用やサポート料金などのオプション項目が加わってくる可能性もあります。検討段階で、どの程度の費用が発生するのか確認しておきましょう。
導入までの期間はどのくらい?
ほとんどのメーカーが、電子カルテの導入から運用開始まで一般的には約6ヶ月の期間を設けています。余裕を持ったスケジュールで電子カルテを導入するためには、選定開始から導入まで1年の期間を確保しておくと安心です。
焦って導入を急いでしまうと、電子カルテの導入が逆に業務効率の低下につながるリスクもあるため、スケジュールには余裕をもって、準備を進めましょう。
レセコンメーカーとは違うの?
電子カルテとレセコンはそれぞれ異なる機能を持っています。電子カルテは診療録をコンピュータ上で管理するシステムです。
一方、レセコンは診療報酬明細書の作成が主な目的のシステムです。ほとんどのケースでは、電子カルテとレセコンが一体となっているか、データが連携しています。
レセコン連動型と一体型は何が違うの?
レセコン連動型では、電子カルテとレセコンを別々に立ち上げる必要があり、それぞれの操作方法を覚える必要があります。一方、レセコン一体型では、電子カルテとレセコンが1つのシステムに統合されています。
そのため、同じ環境での操作が可能で、よりシームレスな操作が可能です。双方の違いを把握したうえで、自院に最適なシステムを選択しましょう。
まとめ
電子カルテのトレンドとしては、新型コロナウイルスの影響も相まって、引き続きWeb予約管理・問診システムとの連携が注目されています。
電子カルテと各システムを連携させると、業務の効率化を図ったり、患者の待ち時間を短縮できたりと得られるメリットは多くあります。本記事で紹介した「電子カルテメーカーの選び方」を参考に、ぜひ自院に適した電子カルテシステムの導入を検討してはいかがでしょうか。