
電子カルテの普及率はどれくらい?普及に対する課題と対策
電子カルテの導入率は年々増えていますが、政府の目標を下回っているのが現状です。ここでは、電子カルテの普及率から、現在の課題、その課題に対する対策などを紹介します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
- 電子カルテの普及率と現状
- 電子カルテ導入で期待される効果
- 電子カルテの普及率が低い理由とは
- 電子カルテの普及率が低い理由への対策
- 電子カルテを導入するメリットとは?
関連記事:クラウド型電子カルテとは?普及率と今後の見通しなども解説
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目次[非表示]
- 1.電子カルテの普及率と現状
- 1.1.電子カルテの普及率
- 1.2.電子カルテ普及率の上昇要因
- 2.電子カルテの普及率が低い理由
- 3.電子カルテ普及への対策
- 3.1.記入項目をカスタムできる
- 3.2.クラウド型電子カルテなら低価格で導入できる
- 4.電子カルテを導入するメリットとは?
- 4.1.情報の共有による最適な治療
- 4.2.カルテ紛失リスクの軽減
- 4.3.データの一元管理が可能
- 4.4.患者への「説明力」が向上することでより手厚いサポートに
- 5.電子カルテの導入でさらなる業務効率化を
電子カルテの普及率と現状
まずここでは、電子カルテとはそもそもどんなものなのか、電子カルテの普及率が伸びているのは何故なのかを紐解いていきます。それぞれについて、一緒に確認していきましょう。
電子カルテの普及率
日本国内の電子カルテの普及率は、平成29年時点で46.7%です。
下表からは年々電子カルテの普及率が上がっていること、大型の医療機関の方が導入率が高いことが伺えます。
電子カルテを利用する医療機関が増えてはいますが、2016年に厚生労働省が公開した「医療等分野におけるICT化の徹底について」では、一般病院(400床以上)では「2020年までに電子カルテを90%普及させること」を目標として掲げていましたが、目標には至っていません。
電子カルテ普及率の上昇要因
現在、日本にある大手の総合病院では、ほぼ全ての院において電子カルテを導入しています。問診などにはまだ紙を使用している総合病院もありますが、カルテ管理は複数科での共有・一元化のため、電子化が普及しているのです。
最近では、個人クリニックや小規模医院でも導入が広まりつつあります。その最たる要因は新型コロナウイルスの蔓延です。院内での非接触のため、オンライン診療が広まり、必然的にカルテも紙ではなく電子になっていったためでしょう。
しかし、日本全体で見るとまだ普及率は低く、今後の導入が期待されている状況には変わりないのです。
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電子カルテの普及率が低い理由
では、どうして電子カルテの普及率が低いのでしょうか。ここでは、その理由について下記の3点から紐解いていきます。
- 理由1:紙カルテの使用歴が長い医療機関が多いから
- 理由2:コスト及び費用対効果の問題
- 理由3:小規模医院では医療IT専任担当者が不在
それぞれ詳しく見ていきましょう。
理由1:紙カルテの使用歴が長い医療機関が多いから
電子カルテを導入しない理由として個人病院に多いものが、「紙カルテの使用歴が長い医療機関が多いから」だと言われています。地域密着型の医療機関だと、たしかに大型クリニックにくらべれば相対的に患者数は少なくなります。また、カルテ自体も院の医師と看護師が見る程度であり、特に電子化せずとも不便がなかったのでしょう。
そのために、紙カルテの使用歴が長く、「いまさら電子カルテにしなくてもいいだろう」「電子カルテより紙のほうが慣れている」などの理由から、電子化を行わない選択をしている病院が多いようです。
理由2:コスト及び費用対効果の問題
このあと詳しく説明するクラウド型電子カルテの登場により、最近では電子カルテ導入費用は比較的安くなってきました。とはいえ、オンプレミス型(自社でサーバーやソフトウェアなどシステム構築に必要なハードウェアを調達し、自院で電子カルテを運用する仕組み)はやはりまだ高価であり、ランニングコストなどを加味すると小規模医院では費用対効果が見込めないという考えから、電子カルテの導入を見送っているクリニックもあります。
理由3:小規模医院では医療IT専任担当者が不在
大手の病院の場合、部署としてIT担当者がおり、メンテナンスや問い合わせに対応してくれます。しかし、小規模医院の場合は、医療IT専任担当者が不在なことが多く、院長や看護師が自ら設定する必要がありました。人的・時間的余裕のなさから、導入を見送ってきたクリニックもあったでしょう。
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電子カルテ普及への対策
ここからは、上記で見てきた電子カルテの普及率が低い悩みについて、その対策をご紹介します。いままで電子カルテにネガティブな印象を持っていた方は、その印象が変わるかもしれません。ぜひ参考にしてください。
記入項目をカスタムできる
電子カルテでは、カルテ入力用のテンプレートを使ってカルテを入力できます。紙カルテの記入項目に近づけるようにカスタムすれば、今までと変わらないヒアリングが可能です。
また、よく使う文章を「定型文」として登録しておくことができる機能もあります。一度登録しておけば、次からはボタンひとつで同じ文章を入力できるのでカルテの記入が効率化できます。
クラウド型電子カルテなら低価格で導入できる
クラウド型の電子カルテシステムは、その名の通り、「クラウド」を利用した電子カルテシステムです。従来型のオンプレミス型電子カルテと比べると低料金で導入・運用できる点が評価されています。
コストカットの大きな理由が、サーバーを外部に設置することで、サーバーの保守・監視、バージョンアップなどのメンテナンスも不要なためです。院内にデータを保管するよりも安全でかつ安価というメリットから、中小規模病院やクリニックで導入される例が多いです。
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電子カルテを導入するメリットとは?
従来の紙カルテと比較したときの電子カルテ導入のメリットとは、どんなものなのでしょうか。以下では電子カルテの持つメリットについて紹介します。
情報の共有による最適な治療
電子カルテには端末とネットワークがあればどこからもアクセスできます。複数の診療科や医療機関・介護機関等でデータを共有できるので、遠隔診療や在宅診療に切り替わった場合も、最適な治療を提案できます。
また、複数の医療機関での重複検査・投薬も回避できます。
カルテ紛失リスクの軽減
東日本大震災では、27.3%の病院でデータ損失があったとされています(総務省「平成24年情報通信白書」)。電子カルテ導入によってバックアップが容易になるほか、クラウド化によって、災害時などにおけるカルテ情報紛失のリスクも軽減されるのです。
データの一元管理が可能
電子カルテは検査システム、受付システム・レセコンと連携して、患者に関するデータを一元管理できます。診療にまつわる資料のデジタル化が進めば、患者の状態をリアルタイムで共有し、院内でドクターとナースが同時に確認できるようになります。
患者への「説明力」が向上することでより手厚いサポートに
電子カルテには、処方データや患者の検査データが蓄積されていきます。それらをまとめてモニターに表示して、患者に見せつつ治療方針などを説明すれば、患者の病気に対する理解も深まります。
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電子カルテの導入でさらなる業務効率化を
電子カルテはコスト面などで課題があり、なかなか導入が進んできませんでしたが、クラウド型電子カルテの登場や診療報酬の改定などにより、だんだんと導入しやすくなってきました。
今後の医療体制は、より柔軟な対応ができる診療方法を求められるようになります。電子カルテはこれからも推進されていくことでしょう。
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