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クラウド型電子カルテの特徴とは?メリット・費用・選び方をQ&A形式で解説

クラウド型電子カルテの特徴とは?メリット・費用・選び方をQ&A形式で解説

執筆監修者:CLINICS事務局

電子カルテ・レセコン

2026年、日本の医療現場は「医療DX」という大きな変化の真っ只中にあります。システム更改の案内が届いた、あるいは開業の準備を進めるなかで、「クラウド型電子カルテ」という言葉が気になり始めた方も多いのではないでしょうか。国が進める2030年の電子カルテ普及率100%達成や、2027年度に控えるシステム更改の推奨時期を前に、「そろそろ自分のクリニックも」と動き始めた方も多いのではないでしょうか。一方で、「紙カルテから変えたくない」「ITとかAIとかがそもそも苦手」「ネット環境や導入費用が高そう」と、クラウド型への移行に踏み切れずにいる方も少なくないはずです。本記事では、今さら聞きにくいFAQ形式で、現場の不安からコスト面の疑問まで、クラウド型電子カルテにまつわるポイントを解説します。5年、10年先も診療に専念できる環境づくりの参考にしていただければ幸いです。

1. なぜ今「クラウド型」なのか?

そもそも「クラウド」とは、データを自院のパソコンではなく、インターネット上の安全な専用保管庫に預ける仕組みです。かつては分厚い紙カルテや高額なサーバーを院内に置くのが一般的でしたが、クラウド型は銀行の貸金庫のように、高度なセキュリティで守られた外部のデータセンターを利用します。診療報酬改定への対応も自動で行われるため、サーバー管理やメンテナンスに頭を悩ませる必要はありません。また、国は2027年度を1つの節目として、全国の医療機関や薬局がリアルタイムで情報共有できる仕組みづくりを進めています。その核となるのが「電子カルテ情報共有サービス」への接続です。これから選ぶシステムは、単に「電子化できる」だけでなく、国が定める標準規格に対応し、将来的な他院とのデータ連携がスムーズに行えることが重要な条件になってきます。より詳しい背景や政策動向が気になる方は、下記の関連記事も併せてご覧ください。

2. 【コストと補助金の疑問】

「クラウドは月額費用がかさんで、結局高いのでは?」という不安は、経営者として当然の視点です。ただ、比べるべきは月額だけではありません。数年ごとにかかるサーバーの買い替え費用や国の最新支援策まで視野に入れると、コストの景色はがらりと変わります。

Q1 クラウド型はコスト面で「損」をしませんか?

A:長期的に見れば、むしろオンプレミス型より経済的です。
オンプレミス型は導入時に数百万円の初期費用がかかり、さらに4〜5年ごとにサーバーを買い替えるリプレイス費用として、再び数百万円が必要になります。クラウド型はこのリプレイス費用がかかりません。常に最新のシステムを定額で使い続けられるため、予期せぬ追加出費を抑え、安定した経営計画を立てやすくなります。

Q2 活用できる「補助金」はありますか?

A:はい。「デジタル化・AI導入補助金2026」を活用できます。
電子カルテの導入には、「デジタル化・AI導入補助金2026(旧:IT導入補助金)」が活用できます。中小企業・小規模事業者の生産性向上を目的に、AIを含むITツールの導入費用を支援する制度で、クリニックも申請対象です。基本補助率は1/2ですが、申請枠や事業者の規模・要件によって引き上げが可能な場合があります。クラウド利用料も補助対象となりますが、申請枠によって条件が異なります。また、2026年度診療報酬改定で新設された「電子的診療情報連携体制整備加算」と組み合わせることで、実質的なコスト負担をさらに抑えられる場合があります。申請要件の詳細は、必ず公募要領や最新の公的通知でご確認ください。

3. 【運用の疑問】

紙カルテの良さは捨てがたい、という気持ちはよくわかります。ただ、クラウドが変えるのは「カルテの形」だけではありません。診察室という場所に縛られなくなったとき、クリニックの日常はどう変わるのか。実際の現場の声とともに見ていきましょう。

Q3 スマホやタブレットでも使えますか?

A:はい。診察室のデスクに縛られる必要はもうありません。
インターネット環境があれば、iPadやスマートフォンから場所を問わずアクセスできます。診察室だけでなく受付や処置室、往診先や在宅医療の現場でもリアルタイムでカルテの閲覧・入力が可能です。他社ではモバイル利用がオプション料金になる場合もありますが、クラウド型なら標準機能として複数の端末を使い分けられます。

Q4 実際の導入事例を知ることができますか?

A:導入事例は、それぞれのメーカーの公式サイトなどで紹介しています。
以下は、CLINICSを導入されたクリニックの事例です。診療科も規模も異なりますが、「導入してよかった」という声に共通しているのは、スタッフの負担が減り、診療に集中できるようになったという点です。

診療科

クリニック名

導入背景

導入後の変化

脳神経外科

もりた脳神経クリニック

事業承継を機に刷新。オンプレミス型の端末増設コストが課題だった。

端末を自由に増設でき、業務効率が向上。サーバー管理のストレスからも解放された。

小児科

おおまえハローキッズクリニック

新規開業時、予約・問診・カルテの転記ミスやスタッフの事務負担を懸念していた。

各システムが連動し、情報の転記が不要に。繁忙期の待ち時間短縮を実現している。

精神科・心療内科

こころとからだのケアクリニック人形町

オンライン管理の普及を見据え、他システムとの親和性の高さを最重視して選定。

オンライン診療と密に連携。操作が容易で、診察に集中できる環境が整った。

婦人科

吉丸女性ヘルスケアクリニック

若い世代の受診ハードルを下げるため、一連の動線が全て揃うシステムを求めていた。

1日約10件のオンライン診療を対面と併用。患者さんの利便性と経営効率を両立している。

耳鼻咽喉科

王子くろこ耳鼻咽喉科

日帰り手術の提供にあたり、院内システムの一元化と初期コストの抑制を両立したかった。

同一プラットフォームにより情報伝達が円滑化。端末増設費用を抑えた効率化も可能になった。

それぞれの詳細は、インタビュー記事でご紹介しています。自院に近い診療科の事例が、参考になるかもしれません。また、他の事例もこちらからご覧いただけます。

4. 【不安の疑問】

目に見えない「クラウド」に対し、ネット障害や情報漏洩を心配されるのはもっともです。ただ、2026年現在の技術水準は、その不安を正面から受け止められるところまで来ています。むしろ「院内で管理する方が安全」という前提を、一度見直してみる価値があります。

Q5 ネットが切れたら診療は止まりますか?

A:いいえ。診療を止めないための備えがあります。

光回線が止まった際もスマートフォンのテザリング等でバックアップ回線へ切り替えが可能です。万一の切断中も一時的に入力を保持し、復旧後にまとめて送信できる機能も備わっており、クラウド型全般として、かつての通信依存による弱点は大きく改善されています。

Q6 セキュリティは万全ですか?

A:はい。専門家が管理するデータセンターの方が、院内管理よりも安全です。

サイバー攻撃が巧妙化する昨今、クリニック単独で最新の防御体制を維持し続けるのは困難です。クラウド型は国のガイドラインを遵守した大手データセンターで24時間監視されています。個人宅に現金を置くより銀行の金庫に預ける方が安全なのと同じで、物理的なサーバーの盗難や災害によるデータ消失リスクを最小限に抑えられます。

5. 【実務と選定の疑問】

電子カルテは導入して終わりではなく、そこからが「日常」です。毎日使うものだからこそ、スタッフの負担、AI活用、他システムとの連携など、選ぶ前に押さえておきたいことがあります。ここを読んでおくと、導入後に「こんなはずじゃなかった」を防げます。

Q7 事務スタッフの「残業」は減りますか?

A:はい。「レセコン一体型」なら、データの転記作業がゼロになります。

カルテと会計システムが分かれていると、同じ内容を二重入力する手間がかかります。一体型なら診察室で会計を確定した瞬間に受付へデータが反映されるため、入力ミスが防げるだけでなく、事務スタッフの締め作業が大幅に減ります。患者さんの待ち時間短縮にもつながります。

Q8 最新の「AI入力補助」は使えますか?

A:はい。入力時間を大きく短縮できます。

2026年現在のAIは、診察のテンポを邪魔しない高度なアシスタントへと進化しています。診察内容から疑い病名を提案したり、紹介状や診断書のドラフトを瞬時に作成したりすることが可能です。デジタルに不慣れな方ほど、AIを活用することで「患者さんと向き合う時間」を取り戻せます。

Q9 なぜ「オールインワン」が選ばれるのですか?

A:予約から会計まで、データが一本の線でつながるからです。

バラバラのメーカーのシステムを組み合わせると、連携ミスや操作の混乱が起きやすくなります。予約・WEB問診・電子カルテ・オンライン診療・会計が1つに統合されていれば、患者さんが入力した問診がそのままカルテに流れ込みます。このスムーズな動線がスタッフの負担を減らし、クリニック全体の生産性を高めます。

6. まとめ

2030年を見据えて、今こそ「一歩先」のインフラへ
クラウド型電子カルテへの移行は、単なるシステムの買い替えではなく、貴院を次世代のスタンダードへアップデートすることです。2027年の節目を、多額のコストをかけて「しのぐ」のか。それともクラウドを活用して、常に最新の恩恵を受け取りながら、診療に集中できる環境を「つくる」のか。その選択を、焦らず、でも早めに考えておく価値はあります。「CLINICS」は、変わりゆく医療環境に適応しながら、医師とスタッフ、そして患者さんの診療体験をともに支えます。まずは無料デモで、実際の使い心地を確かめてみてください。

【参考資料】
電子カルテシステム等の普及状況の推移(厚生労働省)
医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版(厚生労働省)
医療DX令和ビジョン2030(厚生労働省)
デジタル化・AI導入補助金2026の概要(中小企業庁)
※本記事の内容は2026年5月時点の情報に基づいています。制度の詳細は必ず最新の公的通知をご確認ください。

執筆監修者

CLINICS事務局

株式会社メドレー

医療現場のDXパートナーとして「医療ヘルスケアの未来をつくる」を理念に、開業を目指す先生や開業医の方々に寄り添う情報を発信しています。お届けするのは、オンライン診療や電子カルテ関連、開業準備を成功へ導くノウハウ、最新の医療制度・法令などさまざま。ITの力で人と医療の現場をつなぎながら、日々の診療やクリニック経営に役立つ知見を丁寧かつ分かりやすくまとめています。ぜひ、理想とするクリニックづくりのヒントとしてご活用ください。

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