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【新規開業医必見】クリニック開業申請の流れを徹底解説!スケジュールや必要書類まで

「開業申請に必要な書類と、それぞれの提出先を知りたい」
「クリニックの開業申請の流れを知って、スムーズに開業まで進めたい」

新規開業医の方のなかには、このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

クリニックの開業時には、保健所へ「開設届」を提出したのちに、厚生局への「保険医療機関指定申請」提出が必要です。さらに、開設届は、クリニック開設後10日以内の届け出が義務づけられています。

しかし内容の不備などにより差し戻された場合、期限内に提出できない可能性があります。予定通り開院するためには、申請の流れと必要書類を事前に把握したうえでの準備が重要です。

本記事では「クリニック開業の申請手順」と「開業の申請に必要な書類」を中心に解説します。開業準備の参考としてお役立てください。

目次[非表示]

  1. 1.クリニック開業申請に動き出すスケジュールの目安
  2. 2.クリニック開業の申請手順(個人事業主の場合)
    1. 2.1.保健所への事前相談
    2. 2.2.保健所への「開設届提出」
    3. 2.3.厚生局への「保険医療機関指定申請」提出
  3. 3.クリニック開業の申請に必要な書類
    1. 3.1.保健所への申請書類一覧
    2. 3.2.厚生局への申請書類一覧
  4. 4.クリニック開業を成功させるポイント
    1. 4.1.医師会の入会を検討する
    2. 4.2.経営理念・運営方針を明確にする
    3. 4.3.開業場所をしっかり選定する
    4. 4.4.地域のニーズに合わせた医療を提供する
    5. 4.5.スタッフ定着率の高い組織づくりに取り組む
  5. 5.クリニック開業申請にはコンサルタントの活用も有効
  6. 6.まとめ

クリニック開業申請に動き出すスケジュールの目安

クリニック開業には、保健所や厚生局への届出や手続きが必要です。各種書類の準備だけでなく「開設届提出後の保険医療機関指定申請」といったタイミングの問題もあるため、開業までの全体的なスケジュールを把握したうえで準備を進める必要があります。

クリニック開業に関する申請は、開業日の2か月前が1つの目安です。また、申請に必要な書類のなかには、提出期限が定められているものがあります。

そのほかの開業準備と同時進行で進む場合があるため「勤務医として働きながら準備を進めている」「開業と同時に保険診療を始めたい」といったケースでは、特に注意が必要です。

今一度全体のスケジュールを確認したい方はこちらをご覧ください。

  クリニックの開業スケジュールを徹底解説|クリニック開業を進める際のポイントもご紹介 クリニックを予定通りに開業するために、余裕のあるスケジュールを組みましょう。 クリニック開業にあたり取り組むべきタスクは多いのですが、スケジュールは大体決まっています。スケジュールに沿って準備を進めると、問題なくクリニックを開業できるでしょう。 当記事ではクリニック開業のスケジュールや、スケジュール通りにクリニックを開業するためのポイントを紹介します。 CLINICS(クリニクス)

クリニック開業の申請手順(個人事業主の場合)

クリニック開業の手続き方法と必要書類は「個人事業主」と「法人」で異なります。
新しく開業する方のほとんどは個人事業主としてクリニックを開業するため、今回は、個人事業主のケースに絞って申請手順を解説します。

保健所への事前相談

始めに、クリニックの内装図面が確定したら、管轄の保健所に連絡したうえで図面を持参して事前に相談しましょう。

クリニックを開業するには、構造設備の基準を満たす必要があります。例えば東京都の場合「診察室は9.9㎡以上」「各部屋の用途が明示されている」などの基準があります。基準を満たさない場合、開業前の保健所の立ち入り検査で修正工事の指導が入る可能性も否定できません。

このようなリスクを避けるために、事前に保健所に相談して「この図面で工事を進めてよいか」を確認しましょう。事前相談が遅れた場合、開院日を遅らせる対応が必要になる可能性があります。内装図面が決まった時点で保健所へ相談に訪れましょう。

保健所への「開設届提出」

内装工事が完了したタイミングで管轄の保健所へ「開設届」を提出しましょう。開設届は診療行為に必要な届け出です。医療法により、クリニック開設後10日以内の届け出が義務づけられています。

開設届は「記載内容に不備がある」「クリニックの名称に修正が必要」といった場合、差し戻される可能性があります。一般的に内装工事が完了する、開業2か月前のタイミングで余裕を持って提出できれば、開業準備はスムーズに進むでしょう。

厚生局への「保険医療機関指定申請」提出

開設届が受理されたら、管轄の厚生局へ「保険医療機関指定申請」を提出しましょう。保健医療機関指定申請は、保険診療の実施に必要な申請です。もし申請しない場合、行える診療は自由診療のみとなります。

保険医療機関指定申請は月1回のみ申請でき、受理されるまで1か月かかります。なかには「提出期限が毎月10~20日」といったルールを定める厚生局もあるため「保険診療を開始する日」から逆算し、管轄の厚生局に提出期限を直接確認しておきましょう

なお、保険医療機関の指定は、原則として毎月1日付で指定されます。提出が遅れて希望日に指定が受けられない場合「患者の診療が自由診療扱いになる」「保険診療分が請求できずに資金繰りが苦しくなる」といった問題が起こる可能性があります。

そのため、厚生局に提出期限を確認し、希望日から指定が受けられるように申請しましょう。

クリニック開業の申請に必要な書類

ここでは、クリニック開業の申請に必要な書類を「保健所」と「厚生局」の提出先ごとに紹介します。

保健所への申請書類一覧

申請書類は都道府県によって異なるため、ここでは東京都を例に、保健所への申請書類一覧を紹介します。
なお、東京都の場合は各書類2部ずつ必要となります。必要書類と部数を確認したうえで準備しましょう。

保健所への申請方法は「紙で申請する場合」と「電子申請の場合」の2種類です。事前に管轄の保健所へ申請方法を確認しておきましょう。

  1. 診療所(歯科診療所)開設届
  2. 管理者の医師又は歯科医師の臨床研修修了登録証の写し及び免許証の写し
  3. 管理者の履歴書
  4. 診療に従事する医師、歯科医師の臨床研修修了登録証の写し及び免許証の写し
  5. 業務に従事する助産師・薬剤師・歯科衛生士等の免許証の写し
  6. 土地及び建物の登記事項証明書
  7. 土地又は建物の賃貸契約書の写し
  8. 敷地の平面図(敷地の公図、建物図面等)
  9. 敷地周辺の見取り図
  10. 建物の平面図  ビル内の診療所の場合は、利用する階全体の平面図
  11. エックス線診療室放射線防護図(エックス線装置を備え付ける場合)
  12. 診療所(歯科診療所)への案内図

出典:東京都保健医療局「診療所・歯科診療所の開設等

厚生局への申請書類一覧

厚生局に保険医療機関指定申請書を提出する際は、各厚生局に指定された添付書類の準備が必要です。ここでは関東信越厚生局を例に、厚生局への申請書類一覧を紹介します。

申請書類が受理された場合、「医療機関コード番号」が記載されている保険医療機関指定通知書が郵送されます。医療機関コード番号は、診療報酬の請求に必要な番号のため、電子カルテまたはレセプトコンピューターに登録しておきましょう。

  1. 保険医療機関指定申請書
  2. 診療所にあっては、使用許可証又は許可書若しくは届書、国の開設する病院又は診療所にあっては承認書又は通知書
  3. 病院又は診療所にあっては保険医(管理者を除く。)の氏名及び保険医又は保険薬剤師の登録の記号及び番号並びに担当診療科名を記載した書類
  4. 3.に掲げる者以外の医師、歯科医師及び薬剤師のそれぞれの数を記載した書類
  5. 病院又は病床を有する診療所にあっては、看護師、准看護師及び看護補助者のそれぞれの数を記載した書類
  6. その他指定の適格性等を確認するために必要な書類

出典:関東信越厚生局「【添付書類等】保険医療機関・保険薬局指定申請書関係

クリニック開業を成功させるポイント



クリニックの開業には、万が一のリスクも懸念しておくことが大切です。ここでは失敗を避け、成功を実現するためのポイントを5つ紹介します。

医師会の入会を検討する

医師会は、地域の医療機関同士の連携を促進し、最新の医療情報の提供や研修の機会を提供する組織です。入会することで、ほかの医師とネットワークを築きやすくなり、情報交換や共同研究のチャンスが広がります。
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地域の医療施策や健康増進活動への参加もしやすくなり、地域医療への貢献度を高めることが可能です。医療事故や訴訟に関する相談・支援といったサポートも受けられるため、法的リスクの軽減にもつながります。

経営理念・運営方針を明確にする

クリニックを成功に導くためには、明確な経営理念と運営方針を策定することが大切です。経営理念は、クリニックが提供する医療の根幹となり、患者やスタッフに対する姿勢や価値観を明確に示すものです。

経営理念をもとに、具体的な運営方針を定めることで、診療や組織運営に一貫性が生まれます。たとえば、「患者中心の医療」を掲げるのであれば、丁寧な説明やインフォームドコンセントの徹底、患者の声を取り入れたサービス改善などが重要です。

開業場所をしっかり選定する

クリニックの立地選定は、集患力や経営の安定性に直結する重要な要素です。地域の人口動態や競合医療機関の有無、交通アクセス、周辺の生活環境などを分析し、自院にとって最適な場所を見極めましょう。

たとえば、高齢者が多い地域では内科や整形外科の需要が高まる傾向があり、子育て世代が多い地域では小児科や産婦人科のニーズが期待できます。また、駅やバス停からのアクセスの良さ、駐車場の有無なども大きく影響します。

地域のニーズに合わせた医療を提供する

地域住民の健康課題やニーズを正確に把握することは、クリニックの信頼性を高め、利用者の満足度向上につながります。  

高齢者が多い地域では、予防医療や健康指導に力を入れることが重要です。一方、子育て世代が多い地域では、小児科診療の充実や育児相談など、家庭を支えるサポート体制が求められます。 

スタッフ定着率の高い組織づくりに取り組む

質の高い医療を実現するためには、スタッフの定着率を高めることが欠かせません。看護師の離職率は一般的に低水準であるものの、人手不足に陥ると経営に影響をおよぼします。

2023年における「病院看護師の離職率」は次のとおりです。

  • 常勤看護師:11.8%
  • 新卒看護師:10.2%
  • 既卒看護師:16.6%

参考:日本看護協会|2023年病院看護実態調査

定着率を高めるためには、適切な労働条件の整備や公正な評価制度、キャリアアップを支援する仕組み、職場内の円滑なコミュニケーションの促進などが重要です。また、定期的な研修や勉強会を実施して、スタッフのスキル向上をサポートすることも求められます。

クリニック開業申請にはコンサルタントの活用も有効

クリニックの開業申請は必要な準備や記入する書類が多く、管理者である院長には大きな負担が掛かるでしょう。必要に応じてクリニックの開業コンサルを活用することで、行政への手続きだけでなく事業計画や経営戦略の策定、開業地の選定などの支援も受けられます。

以下の記事では、具体的なコンサルティング企業を紹介しています。クリニック開業コンサルティングの利用を検討されている方は、依頼先選びにお役立てください。


  【最新版】クリニック開業コンサルティング企業20選!!特徴や選び方を徹底解説します! 「クリニックを開業したいけれど何から始めればいいかわからない」 「資金繰りがわからない」 クリニックの開業に関して、上記のような悩みを抱えている方は少なくありません。 クリニック開業コンサルタントを利用すると、必要なサポートを受けながら理想のクリニックを開業できるでしょう。 当記事ではクリニック開業コンサルタントの概要や種類、おすすめのクリニック開業コンサルティング企業20選などを紹介します。 CLINICS(クリニクス)

まとめ

クリニックの開業には「開設届」をはじめとした多くの書類を準備する必要があります。仮に申請が遅れたり書類に不備があったりした場合、開業自体が遅れる可能性があります。

本記事で紹介した申請手順と必要書類一覧を参考に、保健所への相談から始めましょう。

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執筆監修者:村田 卓也
執筆監修者:村田 卓也
(株式会社メドレー 医科診療所事業部 事業戦略室) メドレーでは、フィールドセールスマネージャーを務めチーム育成や営業戦略立案・実行に従事。診療所向けSaaS(診療システムCLINICS)の拡販を牽引し年間数百件の新規導入に関わる。現在は、「戦略推進室」にて、事業部の販売戦略とプロモーションを担うミッション担う。今後も現場と市場をつなぐ推進役として価値提供に努めてまいります。
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