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オンライン診療ガイドラインとは?5つのポイントと定義を紹介

オンライン診療ガイドラインとは?5つのポイントと定義を紹介

執筆監修者:CLINICS事務局

オンライン診療

オンライン診療を安全に行うには、厚生労働省が定めた「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の理解・遵守が不可欠です。本記事では、基本となる5つの原則から、2024年4月に更新された初診の扱いなど最新ルールまでを分かりやすく解説します。

オンライン診療 用語の定義

内容

具体例

オンライン診療

医師ー患者間で行う情報通信機器を通じた診療行為(診察及び診断、処方等を行うことができる)

原則初診は対面

直近3月以上の同一医師による対面診療を行っていること

高血圧患者の血圧コントロールの確認

離島の患者を骨折疑いと診断し、ギプス固定などの処置の説明等を実施

オンライン

受診勧奨

医師ー患者間で行う

初診から可

処方を行うことは不可(⇒オンライン診療に該当)

患者個人の心身の状態に応じた必要な最低限の医学的判断を伴う受診勧奨

一般用医薬品を用いた自宅療養を含む経過観察や非受診の勧奨も可

医師が患者に対して詳しく問診を行い、医師が患者個人の心身の状態に応じた医学的な判断を行ったうえで、適切な診療科への受診勧奨を実施(発疹に対し問診を行い、「あなたはこの発疹の形状や色ですと蕁麻疹が疑われるので、皮膚科を受診してください」と勧奨する等)

遠隔健康医療

相談

①医師ー相談者の場合

相談者個人の心身の状態に応じた必要な医学的助言を行う行為。相談者の個別的な状態を踏まえた診断などの具体的判断は伴わないもの。

②医師以外ー相談者

一般的な医学的情報の提供や、一般的な受診勧奨に留まり、相談者の個別的な状態を踏まえた疾患の罹患可能性の提示・診断等の医学的判断を伴わない行為。

子ども医療電話相談事業(♯8000事業):応答マニュアルに沿って小児科・医師・看護師等が電話により相談対応

※参考(オンライン診療の適切な実施に関する指針

オンライン診療のガイドラインとは

オンライン診療の運用にはガイドライン遵守が必須です。2024年4月にコロナ特例措置が終了し、新ルールが適用されました。ここでは、指針の基本原則から初診の最新の扱いまで、安全な診療体制の構築に必要な情報を網羅的に解説します。

オンライン診療のガイドライン概要

「オンライン診療の適切な実施に関する指針」は、保険・自費を問わず、すべてのオンライン診療に適用される厚生労働省の公式ルールです。診療は原則ビデオ通話で行い、初診は「かかりつけ医」や既往歴を把握する医師に限定されます。触診や検査が必要と判断される場合は対面診療への切り替えが必須です。麻薬や向精神薬などの処方は原則禁止されており、初診での処方も最大7日分までと制限があります。医師は研修を受講し、診療計画書を作成したうえで、通信環境や緊急時対応、患者の同意を含めた準備が求められます。オンライン診療の質と安全性を確保するための、実務に直結したガイドラインです。

オンライン診療のガイドラインの対象

ガイドラインは、医師による診察「オンライン診療」と、受診を勧める「オンライン受診勧奨」が対象です。医師の診断を伴わない「遠隔健康医療相談」は対象外ですが、準拠が推奨されます。これらの違いを理解し、適切に運用することが重要です。

オンライン診療ガイドラインの法的拘束力は?

ガイドラインは正確には法令ではないため違反をしても直ちに犯罪の対象となるものではありません。しかし、厚生労働省が定めるルールであり、指針に反した場合は行政機関(オンライン診療ガイドラインの場合は厚労省)から行政指導や行政処分の対象となる可能性があります。そのため、事実上の法的拘束力を持つルールとして、オンライン診療ガイドラインはすべての医療機関に遵守が求められるものになります。

オンライン診療ガイドラインの5つのポイント

ここからは、今回のガイドラインには具体的にどのようなポイントがあるのかをみていきましょう。オンライン診療ガイドラインのポイントは以下の5つです。

1.医師の所在は診療所に限定されない

医師の所在について、必ずしも所属する医療機関にいなくてもいいというのもドクターにとってはポイントです。医師側としてはオンライン診療を実施するための制約が少ないので、産休や育児休暇を取得中の医師や、子育てにより離職中の医師などもオンライン診療が可能ということになります。

  • 診療録(電子カルテなど)を見ることができる環境
  • 通信セキュリティがある
  • 患者のプライバシーが保てる環境

などの条件はあるものの、労働力を有効活用できる可能性や、将来的な医師の働き方改革の一つの大事なポイントになるでしょう。

2.患者合意と診療計画書の作成

ガイドラインのなかで、患者側からの希望がないとオンライン診療は実施ができないと規定されています。これは、医師の一方的な都合でオンライン診療を行うことがないようにするためです。合意を確認し合う手段の一つとして「診療計画書」があります。記載する要件としては、例えば下記のようなものが挙げられています。

  • 疾病名、治療内容等
  • 診察や検査の頻度 やタイミング等
  • 診療時間
  • 使用する情報通信機器等
  • 医師の判断でオンライン診療が実施できなくなることがある旨
  • 急病急変時の対応方針
  • オンライン診療を行う医師の名前

これらの内容を患者と合意した上で、オンライン診療を行う必要があるのです。

3.「かかりつけの医師」によることが原則

患者の健康状態を継続的に把握し、信頼関係が築かれている「かかりつけ医」が実施することが原則です。対面診療に比べ得られる情報が限られるため、安全性を確保する上で最も重要な要素とされています。オンライン診療は対面診療と適切に組み合わせることが基本であり、完全な代替ではないことを理解し、患者に説明する必要があります。

4.ビデオ通話での診療が基本

診察は、リアルタイムの映像と音声でやり取りができるビデオ通話で行うことが基本です。これは、対面診療に可能な限り近い情報量を得て、正確な診断につなげるためです。文字や静止画のみのチャットやメール、音声のみの電話での診療は原則として認められていません。患者の表情や患部の状態を視覚的に確認することが重要となります。

5.医薬品処方は慎重な判断が求められる

対面診療より得られる情報が限られるため、医薬品の処方には特に慎重な判断が求められます。特に初診時や、患者の基礎疾患を十分に把握できない場合、安全性への配慮から麻薬や向精神薬、一部の薬剤は処方できません。また、処方日数は原則として7日間が上限とされており、患者の安全確保が最優先されるルールとなっています。

新型コロナウイルスの感染拡大を機に提言された要約&ポイント

新型コロナウイルス感染拡大の際に、オンライン診療を普及させるための特例的な措置が取られ、オンライン診療の活用が大きく進展しました。ただし、特例措置はすべて2024年3月31日をもって終了しており、現在は恒久的な制度のもとで運用されています。以下では、当時の措置と現在の制度の両方を簡潔にご紹介します。

受診歴のない患者に対しても初診からオンライン診療が可能になった

<特例期間中(~2024年3月)>
受診歴のない患者に対しても、電話やビデオ通話を用いた初診が特例的に認められていました。これは、情報通信手段による診療には限界があることを踏まえた臨時・時限的な対応であり、本人確認や診断精度の観点から「限定的に容認」されたものです。

<現在(2024年4月~)>
原則として「かかりつけ医」が初診のオンライン診療を行うことが求められています。かかりつけ医以外でも、健診結果や診療録などで患者の基礎情報を十分に把握できる場合に限って、オンラインでの初診が認められています。

通院患者の他疾患での初診の場合、電話等再診料算定可

<特例期間中(~2024年3月)>
受診歴のある患者が別の疾患で受診する場合に、電話やビデオ通話を用いた診療でも再診料の算定が可能とされていました。また、まったくの初診患者であっても、感染拡大地域や過疎地域などに限り、例外的にオンライン初診が認められていました。

<現在(2024年4月~)>
原則として対面での初診が必要です。ただし、医師が過去の診療記録を通じて患者情報を十分に把握できる場合など、一定の条件を満たすケースではオンライン初診が可能です。

オンライン服薬指導は対面診療患者にも容認される

<特例期間中(~2024年3月)>
薬剤師による服薬指導もオンラインで実施できるように緩和されていました。通常は対面で行う必要がありましたが、新型コロナ感染拡大防止の観点から、電話やビデオ通話による非対面での指導が広く認められていました。

<現在(2024年4月~)>
2019年の薬機法改正に基づく恒久的な制度のもと、一定の条件を満たせばオンライン服薬指導が可能となっています。ただし、初診患者や医師と薬剤師の連携が不十分な場合などでは、引き続き対面での指導が求められるケースもあります。

まとめ

オンライン初診に当たっては、医学会の作成する「オンライン初診が可能な傷病」「オンライン診療で処方できる薬剤」に関するガイドラインに沿うことが求められます。また、「オンライン診療のみで必要な情報が得られ、結果として、対面診療を行うことなく治療が完結する」こともあります。

執筆監修者

CLINICS事務局

株式会社メドレー

医療現場のDXパートナーとして「医療ヘルスケアの未来をつくる」を理念に、開業を目指す先生や開業医の方々に寄り添う情報を発信しています。お届けするのは、オンライン診療や電子カルテ関連、開業準備を成功へ導くノウハウ、最新の医療制度・法令などさまざま。ITの力で人と医療の現場をつなぎながら、日々の診療やクリニック経営に役立つ知見を丁寧かつ分かりやすくまとめています。ぜひ、理想とするクリニックづくりのヒントとしてご活用ください。

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