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電子カルテのデータ移行は難しい?乗り換えるタイミングや手順、確認ポイントを解説

電子カルテのデータ移行は難しい?乗り換えるタイミングや手順、確認ポイントを解説

執筆監修者:CLINICS事務局

電子カルテ・レセコン

「もっとクリニックにあった電子カルテに乗り換えたい」「電子カルテを乗り換える方法を知りたい」

電子カルテの乗り換えを検討しているクリニックもあるのではないでしょうか。電子カルテは種類も多く機能もさまざまです。電子カルテを導入したものの、他の電子カルテに乗り換えたいと考えるケースも少なくありません。しかし、乗り換え方法やタイミングがわからない方もいるでしょう。当記事では電子カルテを乗り換える理由や乗り換えるタイミング、乗り換える前に確認したいポイントなどを紹介します。

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電子カルテを乗り換える理由

参考日経メディカルが行ったアンケート結果

電子カルテを乗り換える理由として「機能不足」やランニングコストへの不満などが挙げられます。導入してみたものの、クリニックの業務を効率化できない場合やコストが高く負担が大きくなってしまうケースもあるでしょう。電子カルテをいち早く導入していた場合、現在販売されているものよりも機能が不足している場合があります。利用できる機能が少ないと、スタッフの業務を効率化できないうえに、不満やストレスにつながるかもしれません。

電子カルテを乗り換えるタイミング

電子カルテを乗り換えるタイミングは、現在利用している電子カルテよりも他の製品に魅力を感じた場合などが挙げられます。今まで利用していた電子カルテの契約更新のタイミングに合わせて、乗り換えを検討するクリニックもいるでしょう。

電子カルテ乗り換えの費用目安

電子カルテ乗り換えの費用目安は、約300〜500万円です。電子カルテにはオンプレミス型やクラウド型など、いくつかの種類があります。自院にサーバーを設置するオンプレミス型であれば上記の費用で乗り換え可能です。一方、クラウド型はサーバーを設置する必要もないため費用を安く抑えられます。

旧電子カルテのデータを移行する手順

電子カルテのシステムを新しいものに変更する際、旧システムから新システムへのデータ移行は重要な作業です。移行がスムーズに進まなければ、患者情報の紛失や業務の停滞といったリスクが発生します。ここでは、旧電子カルテのデータを安全かつ効率的に移行するための基本手順を解説します。

1.現行システムのバックアップを取る

まずは、旧システム内のデータを完全にバックアップします。バックアップは移行中に万が一トラブルが発生した場合において、データを保護しておくために重要です。バックアップの対象には、患者情報、診療記録、検査結果、処方内容など、システム内に保存されているすべての重要なデータが対象です。多くの電子カルテシステムにはバックアップ機能が搭載されていますが、ベンダーやIT部門の協力を得て確実に実行しましょう。バックアップ先は、クラウドストレージや外部ハードディスクなどが一般的です。バックアップを行う際には、データの整合性チェックも欠かせません。重複や古い情報を整理し、不必要なデータを削除しておくことで、移行後の作業がスムーズになります。バックアップが正しく取れているかをテストすることも重要です。

2.電子カルテシステム間の互換性を確認する

バックアップが完了したら、新システムと旧システムの間でデータの形式や構造に互換性があるかを確認します。電子カルテは、システムによって保存形式やデータ構造が異なるためです。まず新システムが旧システムのデータ形式を受け入れられるかを検証します。多くの場合、CSVやXMLといった汎用的な形式が使用されますが、独自形式の場合は変換ツールが必要になることもあります。互換性を確認する際には、少量のデータを試験的に移行して動作を確認する「テスト移行」を行うとよいでしょう。大量のデータを一度に移行する前に問題点を洗い出すことができます。

3.データを移行する

準備が整ったら、いよいよデータを移行します。移行時には専用ツールや新システムのデータインポート機能を使い、旧システムから新システムにデータを移します。移行作業中は、データが正しく移動しているかをリアルタイムで確認し、エラーが発生した場合は速やかに対応します。特に、患者情報や診療履歴が正確に反映されているか、重要なデータが抜け落ちていないかを重点的にチェックしましょう。移行作業が完了したら、新システム内のデータが正確に表示されるかどうかを徹底的に確認します。患者検索や診療記録の閲覧、検査結果の参照が問題なく行えるかなど、実際の業務に近いシナリオを想定して動作を検証しましょう。最後に、医療スタッフへの操作トレーニングを実施します。新システムの基本的な使い方や注意点を共有し、業務に慣れるまでサポート体制を整えることが重要です。​​​​​​​

旧電子カルテのデータを活かす3つの方法

旧電子カルテのデータを活かす方法は、以下の3つです。それぞれ詳しく紹介します。

1.新旧システムを併用して活用する

旧電子カルテのデータを活かすためにも、新旧システムを併用しましょう。旧電子カルテを併用することでデータを移行する手間を省けます。また、過去のデータを参照しながら新しい電子カルテを利用できます。ただし、旧電子カルテの利用料を支払わなければいけないのでコストがかかるのがデメリットです。また、電子カルテを二つ利用するため業務効率は上がりにくいでしょう。

2.旧データを汎用ファイルに変換する

旧データを、PDFなどの汎用ファイルに変換して利用しましょう。PDFなどの汎用ファイルに変換して新しい電子カルテに送ると、過去のデータを反映できます。汎用ファイルへ変換する作業には時間がかかりますが、旧電子カルテ分のコストを削減できるでしょう。

3.旧データを移行先フォーマットに変換する

旧電子カルテのデータを活かすには、旧データを移行先のフォーマットに変換しましょう。移行先のフォーマットに変換できると、新電子カルテでも過去のデータを利用できます。ただし、コンバート費用や開発費用が追加でかかる可能性もあるのがデメリットです。電子カルテを移行する際は、事前に仕様についてメーカーに確認しましょう。

電子カルテを乗り換える前に確認したい5つのポイント

電子カルテを乗り換える前に確認したいポイントは、以下の5つです。それぞれ詳しく紹介します。

1.現在使用している電子カルテの契約期間はいつまでか

電子カルテを乗り換える際は、現在使用している電子カルテの契約期間を事前に確認しましょう。電子カルテの契約期間中に他社の電子カルテに乗り換えると、違約金が発生する可能性があります。電子カルテの乗り換えは費用がかかるため、余計な出費を抑えたい方も多いはずです。違約金の支払いを抑えられるように、事前に契約期間を確認しましょう。

2.新電子カルテへのデータ移行は可能か

電子カルテを乗り換える際は、新電子カルテへのデータ移行が可能か確認しましょう。データが移行できないと、汎用ファイルへの変換などの作業が必要になります。製品によっては、データ移行できないものもあるため、事前にメーカーに問い合わせた上で電子カルテを乗り換えましょう。

3.必要な機能が搭載されているか

電子カルテを乗り換える際は、必要な機能が搭載されているか確認しましょう。機能を確認せずに乗り換えると業務に支障をきたす可能性があります。電子カルテは、患者のデータ保存や共有などスタッフの業務を支える重要なシステムです。導入後にトラブルが起きないように、機能を確認した上で電子カルテを乗り換えましょう。

4.コストは適正であるか

適正なコストで利用できるか確認しましょう。電子カルテの利用にかかるコストは、種類によって異なります。電子カルテの中にはオプションをつけないと、必要な機能を利用できないものもあるでしょう。機能性は高くても、コストが高いとクリニック運営の負担になります。機能性も考慮した上で、適正なコストで利用できるかが重要です。

5.サポート体制は整っているか

電子カルテを乗り換える上で、サポート体制が整備されているかは重要です。新電子カルテに乗り換えたあと、初期設定や操作の練習が必要でしょう。操作研修や遠隔でのサポートなどを提供していると、導入後も安心して利用することができます。また、サポート体制が充実していると利用中にトラブルが起きた場合も安心です。

電子カルテを乗り換える際の3つの注意点

電子カルテを乗り換える際の注意点は、以下の3つです。それぞれ詳しく紹介します。

1.利用しているシステムと連携できるのか

電子カルテを乗り換える際は、利用しているシステムと連携できるのか確認しましょう。電子カルテはWeb予約システムや会計システムなど、さまざまなシステムと連携できます。システム連携できると業務効率がアップするため、日常業務の負担を軽減することが可能です。電子カルテの種類によっては、他のシステムと連携できないものもあるので事前に確認しておきましょう。

2.インターネットを利用できるのか

電子カルテを利用するにあたって、インターネットを利用できるか否かは重要です。インターネットを利用できない電子カルテに乗り換えてしまうと、クリニック外などでは利用できません。一方、インターネットを利用できると訪問診療や訪問看護などでも利用できるようになるでしょう。サービスの幅を広げる意味でも、インターネットを利用できるかは重要です。

3.オプション内容と費用がどれくらいなのか

電子カルテを乗り換える際は、オプション内容と費用を事前に考えましょう。電子カルテといっても、機種によって機能はさまざまでオプション内容も異なります。オプション内容や機能を事前に確認していないと、導入後のトラブルにつながるでしょう。また、機種や電子カルテの種類によっても費用は異なります。予算内で最適な電子カルテを導入できるように、事前にオプションと費用を確認しておくことが必要です。

電子カルテ導入のメリットとデメリットとは?

電子カルテの導入には、メリットとデメリットどちらも存在します。それぞれ詳しく見ていきましょう。

メリット

電子カルテ導入のメリットは、以下の通りです。

  • 必要な情報をリアルタイムで閲覧できる
  • カルテの保管スペースが不要になる
  • 入力ミスなどを事前に防止できる
  • 業務効率をアップできる

デメリット

電子カルテ導入のデメリットは、以下の通りです。

  • 災害などで停電になった際は利用できない
  • 導入に費用がかかる
  • 操作方法に慣れるまでに時間がかかる
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電子カルテ乗り換えの手順

電子カルテ乗り換えの手順は以下の通りです。

  1. 新しい電子カルテを選ぶ
  2. 旧電子カルテからデータを移行して初期設定をする
  3. デモ運用する
  4. 通常運用を開始する

電子カルテ乗り換えに関するよくある質問

電子カルテ乗り換えに関するよくある質問は、以下の通りです。それぞれ詳しく紹介します。

Q1.乗り換えやすい時期はありますか?

電子カルテを乗り換える際は、月初めから利用できるようにしましょう。乗り換え時期を間違えると、レセプトや記録に影響を及ぼします。

Q2.新旧電子カルテを乗り換えている期間はどのように運用すると良いですか?

新旧電子カルテを併用しましょう。新電子カルテ導入後は、スタッフも操作に慣れていない上にデータの移行が完了していない場合もあります。新旧電子カルテを併用し、少しずつデータの移行や操作方法に慣れていきましょう。

Q3.院内スタッフへ操作レクチャーをしてもらえますか?

院内スタッフへの操作レクチャーや、メーカーのサポート内容によって異なります。操作レクチャーをしてほしい場合は、事前にメーカーに問い合わせてサポート内容に含まれているか確認しましょう。

まとめ

ここまで、電子カルテを乗り換える理由や乗り換えるタイミング、乗り換える前に確認したいポイントなどを紹介しました。電子カルテを乗り換える際は必要な機能が搭載されているか、データ移行が可能かなど、事前確認が重要です。乗り換え後にトラブルが起きないように、機能やコストなどを比較した上で電子カルテを選定しましょう。

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CLINICS事務局

株式会社メドレー

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