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クリニックの患者呼び出しシステム12選|通知方式で比較・選び方
この記事は医療経営の専門家が監修しています
- 改定率・点数・施設基準など数値と精度内容の正確性
- 「義務化」「規制対象」など法的表現の妥当性
- 開業・経営の現場感と乖離のない実務的な内容
患者呼び出しシステムは、通知の方法によって「受信機の貸し出し」「患者のスマートフォンへの通知」「モニターへの番号表示」の大きく3つに分かれます。患者の年齢層や院内の広さに合わせて選ぶのが基本です。
耳が聞こえづらい患者や、プライバシーおよび個人情報保護の意識が高まったことから人前で名前を呼ばれるのを好まない患者がいます。
また、待合室を不在にしている患者がいると、患者を探すのに時間がかかったり、順番の入れ替えが発生したりと余計な手間がかかるため、医療機関の業務負担が大きいのも事実です。当記事では、患者呼び出しシステムやメリット、選ぶ際のポイントを解説していきます。
呼び出しだけでなく、電話対応や紙の問診票、予約台帳など、受付まわりのアナログな業務をまとめて見直したい方は、課題と解決策を整理した資料もご活用ください。
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患者呼び出しシステムとは?

「患者呼び出しシステム」とは、受付した際に専用の受信機を患者に渡し、診察や検査、会計の順番がきた時に、手渡した受信機に通知するシステムです。受信機の代わりに患者のスマートフォンへ通知する製品や、待合室のモニターに番号を表示する製品もあります。
患者呼び出しシステムを利用することで、耳が聞こえづらい患者にも、名前を呼ばれることを好まない患者にも内密に速やかに通知することができます。また、待合室を離れ売店や屋外にいる患者にも、敷地内であれば呼び出すことが可能です。
患者呼び出しシステムを導入する3つのメリット
患者呼び出しシステムを導入するメリットとして、次の3つが挙げられます。それぞれ詳しくみていきましょう。
1.満足度を向上させられる
患者呼び出しシステムがあれば、患者は待合室で待機しなくてもよいため、自由な過ごし方ができるようになります。従来の呼び出し方法であれば、待合室で待機しておかないと自分の順番がきてもわかりません。
患者呼び出しシステムを導入すれば車で待機したり院内のレストランで過ごせたりするため、待ち時間の負担を減らせます。
2.すぐに設置できる
患者呼び出しシステムは、製品によっては大規模な工事が不要で、すぐに設置することができます。そのため、患者を呼び出すツールだけあれば、導入しやすいシステムです。
ただし、電子カルテや再来受付機と連携させる場合は、設定や機器の追加が必要になることもあります。
3.感染のリスクを減らせる
患者呼び出しシステムを導入すれば、敷地内にいる患者をいつでも呼び出すことができます。そのため、患者は待合室にいる必要はありません。
車内や売店といったさまざまな場所で待てる他、予約時間が近づいてきたら来院すればいいのです。待合室の混雑を避けやすくなるため、感染症対策の1つとしても役立ちます。
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診療予約システムとどちらが良いのか?
診療予約システムでも、患者呼び出しシステムと同様に、患者を呼び出すことができます。ただし、スマートフォンの操作に不慣れな患者には使いこなすのが難しい場合があります。
また、患者呼び出し機能のみ使用したい場合は、予約の設定や運用にコストや時間、労力もかかるため、専用の患者呼び出しシステムのほうが導入しやすいでしょう。一方で、予約の受付や順番の管理もまとめて見直したい場合は、順番を通知する機能を持つ診療予約システムも選択肢になります。
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患者呼び出しシステムを選ぶポイント
患者呼び出しシステムを選ぶポイントは以下4つです。
1.通知方式(受信機・スマートフォン・モニター)
高齢の患者さんが多い場合は、操作のいらない受信機の貸し出しが安心です。若い世代が中心ならスマートフォンへの通知、待合室での見やすさを重視するならモニター表示が向いています。
2.自院の規模に合った構成か
呼出カードの自動発行機や再来受付機と連携する製品は、外来患者の多い病院向けの構成です。クリニックでは、受付で手渡しする受信機や、スマートフォンへの通知で十分な場合が多くあります。
3.通信距離と院内の広さ
駐車場や近くの店舗で待つ患者さんを呼ぶ場合は、受信機に電波が届く範囲を確認しておきます。中継機で範囲を広げられる製品もあります。
4.他のシステムとの連携
電子カルテや予約システムと連携させたい場合は、対応しているかどうかと、設定に追加の費用がかかるかをメーカーに確認してください。
患者呼び出しシステムのおすすめメーカー12選
患者呼び出しシステムのおすすめメーカーは次の12社です。通知方式もあわせて整理しました(2026年10月時点、各社公式サイトより)。大井電気やオーミケンシのように、呼出カードの自動発行機や再来受付機と組み合わせて使う製品は、外来患者の多い病院向けの構成です。クリニックで導入する場合は、自院の規模に合った構成かどうかをメーカーに確認してください。
メーカー名 | サービス・システム名 | 通知方式 | |
|---|---|---|---|
1 | NTS | 患者呼出システム | 受信機の貸し出し |
2 | 大井電気 | 920MHz帯LPWA方式構内無線呼出システム OiNET-940/941/942/711 | 受信機(呼出カード)の貸し出し |
3 | ケアコム | 外来患者呼出システム | 受信機(呼出カード)の貸し出し |
4 | ホスピタルネット | 医療施設向けタブレット端末 HosPad 外来呼び出しシステム | タブレット端末の貸し出し |
5 | ウエストワン | 外来患者呼び出しシステム iFront(アイフロント) | モニター表示・音声 |
6 | シャープ | コールベルシステム | 受信機の貸し出し |
7 | スクラムエッグ | ソトマチクリニック | スマートフォン(LINE・SMS) |
8 | メルス | MELTH WINDOW | モニター表示+スマートフォン(メール・LINE) |
9 | オーミケンシ | 外来患者呼出システム | 受信機(呼出カード)の貸し出し |
10 | eBase Solutions Laboratory | 患者呼出システム | スマートフォン(専用アプリ) |
11 | パシフィック湘南 | ワンタッチコール | 受信機の貸し出し |
12 | ゼネラルBREXAテクノロジー | Hospision® | 表示盤+スマートフォン(アプリ・LINEなど) |
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.NTS
NTSの患者呼出システムは、受付時に受信機を患者に貸与する方式です。受信機についているボタンは1つだけとシンプルであるため、操作に迷いにくい設計です。
メロディ・振動・ライト点滅で患者に知らせるとともに、バックライト付きの液晶ディスプレイには48文字までのメッセージが表示されます。リチウムイオン電池を採用しており、連続待受時間は約48時間というのもポイントです。
2.大井電気
大井電気の920MHz帯LPWA方式構内無線呼出システムは、受付時に患者へ受信機(呼出カード)を貸与する方式をとっています。患者呼出自動発行機には呼出カード200台を収納・充電ができ、再来受付機能が備わっているのも特徴です。
呼出カードは音・振動・ライト・カラー液晶の表示で患者に通知します。充電式のリチウムイオン電池を使用していて、連続待受時間は約48時間です。
引用:920MHz帯LPWA方式構内無線呼出システム | 情報伝送機器開発 | 大井電気株式会社
3.ケアコム
ケアコムの外来患者呼出システムは、受付時に患者へ受信機(呼出カード)を貸与する方式です。システム構成は、医療機関の規模や他システムとの連動の有無に合わせて提案してくれます。同社の製品ページでは、日本テクニカル・サービス株式会社製の製品として紹介されています。
4.ホスピタルネット
ホスピタルネットのHosPadは、医療施設向けのタブレット端末を、患者に貸与する呼び出し端末として使う患者呼び出しシステムです。受付のボタンをタッチすると番号が自動で発行され、その端末が患者の呼び出し端末になります。
病院が端末を貸与するため、患者が自分のスマートフォンを使う必要はありません。そのため、デジタル端末に不慣れな患者でも扱いやすいといったメリットがあります。名前を呼ばずに呼び出せるため、プライバシーにも配慮できます。
引用:医療施設向けタブレット端末 HosPad(ホスパッド)外来呼び出しシステム - ホスピタルネット -
5.ウエストワン
ウエストワンの外来患者呼び出しシステムiFront(アイフロント)は、ICカードで番号を管理し、受付から会計まで円滑に案内できるシステムです。受付時に患者へICカードを渡し、カードの番号を音声付きでディスプレイに表示し通知します。
患者は自分の順番があとどれくらいなのか、ディスプレイで見ることができるため安心です。ディスプレイには、医療機関から患者に向けたお知らせを一定間隔で表示させることもできます。
引用:外来患者呼び出しシステム iFront 製品概要 | 株式会社ウエストワン
6.シャープ
シャープのコールベルシステムは、受付で患者に受信機を貸与し、送信機のボタンを押して呼び出すものです。フードコートや金融機関でも使われているため、見たことがあるかもしれません。
送信機はコンパクトで、呼び出したい患者の番号を押して送信するだけであるため、操作がシンプルなシステムです。送信機と受信機の通信距離は見通し約200mですが、中継機を利用することでさらに通信エリアを拡張できます。
引用:コールベルシステム | 製品特長 | 法人のお客様へ(シャープのBtoB)
7.スクラムエッグ
スクラムエッグのソトマチクリニックは、医療業界に特化したAI予約・受付システムで、LINEで受付することができます。順番が来たら、患者が受付時に選んだLINEかSMSのどちらかで、ボタン1つで呼び出せます。
引用:ソトマチクリニック
8.メルス
メルスのMELTH WINDOWは、モニターに患者の受付番号を表示させて呼び出すシステムです。診療・検査・会計・薬の受け取りと、状況に合った内容を表示できるのがポイント。
患者は、待合室以外でもスマートフォンさえあればインターネットで診察状況が確認できます。また、受付票にあるQRコードをスマートフォンで読み取って登録しておくと、診察時間が近づいたことをメールで受け取れます。LINEで呼び出しを通知する機能(お知らせ for LINE)も用意されています。
引用:MELTH WINDOW
9.オーミケンシ
オーミケンシの外来患者呼出システムは、再来受付自動発行機で呼出カードが自動発行されます。また、オプションの端末を導入・設置すれば、呼び出しカードをかざすだけで到着確認が可能です。
また、患者はお知らせがあるまで、院内で自由に過ごせる他、呼び出しカードの表示にしたがって、診察や会計も行えます。
引用:オーミケンシ株式会社ソリューション事業部|website
10.eBase Solutions Laboratory
eBase Solutions Laboratoryの患者呼出システムは、患者がアプリをインストールしたスマートフォンを使って病院の外で受付することで、メッセージと音で呼び出すことができるシステムです。
病院の外から受付できるのは医療機関から半径500m以内ですが、院内の再来受付機を使わずに当日の受付を済ませられます。
引用:患者呼出システム
11.パシフィック湘南
パシフィック湘南のワンタッチコール(現行製品はワンタッチコール2)は、受付で患者に受信機を貸与して、送信機で受信機の番号を指定し呼び出すシステムです。受信機はブザー・振動・LEDの点滅で患者に知らせ、送信機では呼び出している番号を表示で確認できます。
12.Hospision® モバイルサービス
ゼネラルBREXAテクノロジー(2026年1月に富士通ゼネラルOSテクノロジーから社名変更)が提供する「Hospision®(ホスピジョン)」は、外来を中心とした業務において診察にいたる患者の流れを表示盤や携帯端末などを用いてトータル的にサポートし、かつスタッフおよび看護師本来の業務への注力化を図れるシステムです。
スマートフォンで診察及び会計の呼出状況を確認でき、外来待合室の混雑緩和につながります。また患者側にアプリをダウンロードしてもらうことで、スマートフォン用アプリでのメッセージ受信でき、順番が近付くとポップアップで表示されるため情報の見逃しを防ぐことが可能です。LINEで診察や会計の呼び出しを受け取れるサービスもあります。
患者呼び出しシステムについてよくある質問
Q1. 患者を番号と名前、どちらで呼び出すのがよいですか?
患者の氏名は個人情報に当たるため、番号で呼び出すとプライバシーに配慮しやすくなります。個人情報保護委員会と厚生労働省のQ&Aでは、他の患者に聞こえるような氏名での呼び出しをやめてほしいと患者から求められた場合、医療機関は誠実に対応する必要があるとしています。
一方で、氏名での呼び出しには患者の取り違えを防ぐ役割もあります。番号で呼び出したうえで、診察室で氏名を確認するなど、両方を組み合わせる運用も考えられます。
出典:個人情報保護委員会・厚生労働省「『医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス』に関するQ&A(事例集)」(令和7年6月一部改正)
Q2. 呼び出し番号をモニターに表示するシステムはありますか?
あります。待合室のモニターやディスプレイに受付番号を表示し、音声などで案内するタイプです。今回紹介した中では、ウエストワンのiFront、メルスのMELTH WINDOW、ゼネラルBREXAテクノロジーのHospision®が当てはまります。
名前を呼ばずに順番を知らせられるうえ、患者は自分の順番があとどれくらいかを画面で確かめられます。
Q3. スマートフォンを持っていない患者にはどう対応すればよいですか?
受信機やタブレット端末を貸し出すタイプなら、患者がスマートフォンを持っていなくても呼び出せます。スマートフォンへ通知するタイプを選ぶ場合も、モニター表示や受付からの声かけを併用するなど、スマートフォンを使わない患者の待ち方も用意しておくと安心です。
診療予約システムとあわせて検討する場合は、こちらの記事で各社を比較しています。
▶︎関連記事:【2026年最新版】おすすめのクリニック予約システム7選
まとめ
各社さまざまな患者呼び出しシステムを提供しています。スマートフォンに慣れていない患者にとっては、操作方法が分からずストレスを与えてしまうかもしれません。医療機関の規模や使用する世代の割合を考慮し、医療機関にとっても患者にとっても扱いやすいシステムを選ぶことをおすすめします。
呼び出しとあわせて会計の待ち時間も短くしたい場合は、クリニック向け自動精算機17社の特徴やレセコン連携、キャッシュレス対応を比べた資料もご活用ください。
▶︎お役立ち資料:『自動精算機17社を徹底比較』
【参考資料】
「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」に関するQ&A(事例集)/個人情報保護委員会・厚生労働省
※本記事の内容は2026年10月時点の情報に基づいています。各社の製品情報は変更される場合があるため、導入の際は各社公式サイトでご確認ください。
監修・執筆者
勝屋 孝昭
株式会社メドレー 医科診療所事業部 事業戦略室
医療予約システム事業に従事し、これまで150院以上の医療機関で予約システムの導入に携わり、業務効率化と経営改善に貢献してきた。さらに医療法人の経営に参画し、KPIマネジメント・分院開発・医療DX推進など経営の中核実務を担当。電子カルテ・オンライン診療をはじめとする医療DXに精通し、ベンダーと医療機関経営者の双方の視点から医療業界の課題構造を理解している。2026年、株式会社メドレー入社。現在は医療機関のDX推進に関する戦略立案と情報発信を担う。
CLINICS事務局
株式会社メドレー
医療現場のDXパートナーとして「医療ヘルスケアの未来をつくる」を理念に、開業を目指す先生や開業医の方々に寄り添う情報を発信しています。お届けするのは、オンライン診療や電子カルテ関連、開業準備を成功へ導くノウハウ、最新の医療制度・法令などさまざま。ITの力で人と医療の現場をつなぎながら、日々の診療やクリニック経営に役立つ知見を丁寧かつ分かりやすくまとめています。ぜひ、理想とするクリニックづくりのヒントとしてご活用ください。