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紙カルテの運用は大変?電子カルテと紙カルテを徹底比較│電子カルテの導入でどのように変わるのか

ドクターだけでなく、看護師や医療事務、患者にとってもメリットの大きい電子カルテ。この記事では、紙カルテから電子カルテへと切り替えてスムーズに運用する方法や、クラウド型電子カルテのメリットを紹介します。

CLINICS編集部


目次[非表示]

  1. 1.電子カルテへの切り替えは大変?
    1. 1.1.紙カルテのメリット
    2. 1.2.紙カルテ運用での大変な点
    3. 1.3.クラウド型の電子カルテを導入するメリット
  2. 2.電子カルテの導入効果
    1. 2.1.医療安全の向上
    2. 2.2.診療履歴、既往歴がすぐ参照できる
    3. 2.3.訪問診療でもPCさえ持っていればカルテ記入ができる
    4. 2.4.書類作成に必要な時間が削減できる
    5. 2.5.患者さんへのサービス向上
  3. 3.​​​​​​​まとめ


▼動画を確認したい方はこちら

下記の動画でも電子カルテの種類や選び方について解説しています。
1時間の長い動画ですが、概要から詳細までを理解するのに参考になるかと思いますので、ぜひ合わせてご視聴ください。


電子カルテへの切り替えは大変?

厚生労働省の調査によると、平成29年10月時点の電子カルテ普及率は41.6%(医療施設調査:平成29年)となっています。そこから、コロナ禍での非接触化の進行、クラウド型電子カルテの普及などで現在の電子カルテ普及率は5割を超えるともいわれています。

しかし「電子カルテへの切り替えは大変なのでは?」と疑問を持っているドクターが多いのも事実です。まずは、本当に電子カルテへの切り替えは大変なのか、そもそも紙カルテのよさと悪さとは何なのかを確認しながら見ていきましょう。

紙カルテのメリット

紙カルテのメリットは、コストが安いという点です。また、運用においては、患者の動きと一緒に紙カルテを回せるので順番がわかりやすいことや、ちょっとしたメモが書きやすいなどのメリットがあります。電子カルテのように電源を必要としないため、停電などの緊急事態でも使えることもメリットといえるでしょう。

紙カルテ運用での大変な点

カルテに記載するのは、「患者さんの基本情報・主な症状・現病歴(現症)・既往歴・家族歴・社会歴・嗜好・アレルギー・現症や身体所見・検査・入院後経過・治療方針」が主な記録項目です。

これらの診療履歴を把握するために紙カルテをチェックするとき、患者が長く通院していればいるほど分厚いカルテは何冊にもわたります。その中から病歴を掘り出し、記載されている文字の解読、処方内容の理解をしなければなりません。

また、紙カルテは長いクリニック運営を行っていくと、確実に場所問題にあたります。膨大な紙を保管しておくための場所を確保するのは難しく、場所を圧迫したり、外に場所を作ったりする必要があります。外部に保管する場合、スペースの維持費などもかかります。

クラウド型の電子カルテを導入するメリット

オンプレミス型(専用のパソコン・サーバー・プリンタ等のハードを購入する)の場合はコストがかかってしまいます。しかし、クラウド型であれば今お使いのパソコンをそのまま利用することも可能です。さらに端末ライセンス無料の電子カルテも多いので、ソフトなどの必要最低限の出費だけで済むのがクラウド型電子カルテの特徴といえます。

ほかにも

  • 情報管理・活用が早くなる
  • 管理効率の向上が見込める
  • 情報共有がスムーズになる
  • 導入・運用コスト・手間が少ない
  • 他システム・機器と連携しやすい

などのメリットがあります。

ちなみに、クラウド型電子カルテの場合は院内にサーバー管理者を必要とせず、バージョンアップはメーカーが随時行います。常に最新の状態で電子カルテを利用できるだけでなく、人件費としてもメリットがあります。

電子カルテの導入効果

電子カルテ最大の懸念であるコストも、中小規模の医院向けに開発されたクラウド型電子カルテによって解消されてきています。ここからは、実際に紙カルテから電子カルテに移行したときの導入効果について見ていきます。

医療安全の向上

紙カルテは、記載ミスや読み間違え・書き間違えなどのヒューマンエラーが起こりやすいといわれています。電子カルテは、デジタル化による管理の正確性が向上します。

職員のスキルに依存せず、キーボード入力やタブレット入力などで転記ミスや書き間違いを回避できるのです。また、外部にバックアップデータの保管が可能だったり、データを二重化できたりしますので、紛失リスクの低減だけでなく、災害対策にもつながります。

診療履歴、既往歴がすぐ参照できる

電子カルテはキーワードで瞬時に知りたい情報を正確に絞り込めるため、過去の診療記録や検査結果、画像情報を簡単に参照できます。さらにその管理が非常に簡単なので、業務が効率化されるのです。

訪問診療でもPCさえ持っていればカルテ記入ができる

該当する患者の紙カルテを探し、患者のカルテを何冊も持ち運んで訪問診療を行うのは大変なもの。しかし、クラウド型電子カルテにすることで、パソコン・タブレット一台あればどの患者の診療にも対応できます。

書類作成に必要な時間が削減できる

紹介状や診断書を作成するなど時間のかかる作業は、テンプレートが用意されているため、医師は患者の診察や治療など本来の仕事に集中することができます。また、カルテの入力補助機能、処方や注射のオーダー機能などが搭載されているのもメリットといえるでしょう。

患者さんへのサービス向上

地域の医療機関、介護の人材が連携し合う地域包括ケアシステムなどと電子カルテを連動させることで、より質の高い医療を提供することができます。さらに他の医療機関や国、自治体とのデータ共有・活用も可能になり、情報共有がスムーズになります。

​​​​​​​まとめ

今回は、紙カルテのメリット・デメリットから電子カルテの導入効果まで解説してきました。紙カルテには紙カルテにしかないメリットがあります。しかし、紙カルテでは解消できないデメリットも存在しているのです。

電子カルテを活用することで紙カルテの受け渡しがなくなり、ウイルスなどの接触感染を防止することができるほか、院内のスムーズな情報共有により患者さまの待ち時間短縮につながることもあります。クリニックにもIoT化や感染対策が求められている今だからこそ、電子カルテへの切り替えに思い切って取り組まれてはいかがでしょうか。

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