クリニックの開業で押さえるべき施設基準とは?|概要や施設基準状況を確認する方法も解説
クリニックを開業するにあたって医療法で定められている基準以外に、厚生労働大臣が定めている施設基準がありさまざまな項目において評価しています。
この記事では、クリニック開業において施設基準となる内容やステップなどを詳しく説明していきます。また、弊社が提供するクラウド型カルテのCLINICSカルテの概要資料を以下に掲載させていただきます。ぜひ、以下よりダウンロードください。
目次[非表示]
- 1.施設基準とは?
- 2.クリニックだと大半の医療行為は届け出不要?
- 3.クリニックが届け出る主な施設基準
- 3.1.1.時間外対応加算
- 3.2.2.がん治療連携指導料
- 3.3.3.オンライン診療
- 4.施設基準の届け出状を確認するステップ
- 4.1.1.厚生局のサイトへアクセス
- 4.2.2.記号の解読
- 5.クリニック開業で必要な手続き
- 5.1.開設届
- 5.2.保険医療機関指定申請
- 5.3.その他の手続き
- 6.まとめ
施設基準とは?
クリニックを開業するにあたって、医療法で基準が定められています。しかし、それだけではなく厚生労働大臣が定めている施設基準があり、医療機関での設備や診療体制、安全面、機能などを基準に評価しているのです。
この評価が高ければ算定が可能となる場合があるため、施設基準の届け出をすることが一般的です。それぞれの施設基準ごとにどのような患者が対象となるのか、また届け出や算定の要件が定められています。届け出は締め切りがあるため、算定に間に合うように提出することが必要です。
クリニックが届け出る施設基準
クリニックが届け出ることができる施設基準とは、次のようにかなりの種類があります。
- 機能強化加算
- がん性疼痛緩和指導料
- がん治療連携指導料
- 在宅療養支援診療所
- ニコチン依存症管理料
- CT撮影及びMRI撮影
- 運動器リハビリテーション料
上記の例はごく一部であり、このほかにも該当する施設は数多くあります。
クリニックだと大半の医療行為は届け出不要?
上記のように、届け出るべき施設基準は幅広くなっています。また、クリニックにおける大半の医療行為は届け出が必要です。
クリニックが届け出る主な施設基準
クリニックが届け出る主な施設基準は、以下の通りです。
- 時間外対応加算
- がん治療連携指導料
- オンライン診療
1.時間外対応加算
決まった時間以外に患者から問い合わせがあったときに対応できる体制を整えておくと、時間外対応加算の対象となります。緊急対応が必要だと判断した場合は、緊急搬送などの適切な対応が必要です。時間外対応加算には3種類あります。
1〜3まで共通であるのが、患者からの問い合わせに応じる体制です。2と3は時間が決められていますが、1の場合は常時対応できる体制が整っている場合適応となります。
2.がん治療連携指導料
厚生労働省においては、病院と診療所が機能を分担し、連携することを推進しています。がん診療を連携することで評価の対象になるのです。
3.オンライン診療
新型コロナウイルス感染症の影響などにより、自宅で受診できるオンライン診療の環境を整えた医療機関は評価の対象です。近年オンライン診療を実施しているクリニックは増えています。
施設基準の届け出状を確認するステップ
施設基準の届け出状を確認するステップは次のようになっています。
- 厚生局のサイトへアクセス
- 記号の解読
1.厚生局のサイトへアクセス
施設基準の届け出状を確認するためには、まずは厚生局のサイトへアクセスしましょう。
関東信越厚生局(他地域の場合は、地域+厚生局で検索可能)
保険医療機関・保険薬局の施設基準の届出受理状況及び保険外併用療養費医療機関一覧
受理番号の前に記載されている記号が施設基準の内容です。
2.記号の解読
次に届け出している記号を解読します。記号の解読には次の2つのプロセスに沿って確認しましょう。
1つ目は次のサイトから、どの施設基準名称に該当するかを確認しましょう。
次に、診療報酬点数表から、施設基準を確認してください。
クリニック開業で必要な手続き
クリニックを開業する場合、次の手続きが必要です。
- 開設届
- 保険医療機関指定申請
- その他の手続き
開設届
通常の個人事業主と同じように開設届を出しますが、クリニックの場合は税務署以外に保険局にも提出が必要です。
保険医療機関指定申請
保険医療機関指定申請はそれぞれ管轄の地方厚生局に提出しましょう。病院やクリニックで診察する際、公的医療保険の適用を受けられるようにするためです。
その他の手続き
これらの他にも手続きが必要になる場合があります。
まとめ
クリニックを開業するにあたって、厚生労働大臣が施設基準を定めています。病院の規模や施設の内容などさまざまな項目があり、届け出することで評価の対象になる可能性があります。また、クリニックを開業するためには、開設届のほかに保険医療機関指定申請が必要です。忘れずに届け出るようにしましょう。