クリニックを開業する際に取得すべき資格を紹介|開業するステップについても解説します
クリニックを開業するまでに、事業計画の策定から資金調達、物件探しなどさまざまなプロセスがあります。開業に必要な資格はありませんが、あった方がよい資格を開業時のプロセスと共にこの記事では説明していきます。
クリニックを開業する際のステップ
一般的にクリニックを開業する際には、以下のようなステップがあります。
- 事業計画の策定
- 資金調達
- 開業する場所を選ぶ
- 医療機器や周辺の道具を準備
- 診療所開設届などの書類を申請
- 広告宣伝(スタッフ採用)
- 開業
事業計画の策定から開業まで、一般的に1年〜1年半かかります。万全に準備することでクリニック開業の成功につながりやすくなります。
クリニックの開業で必要な資格とは?
クリニックを開業するために必要な資格はありません。極端なことをいえば、医師免許を持っていなくても医師免許を持つ人が院長になれば問題ありません。そのため、クリニックを開業するために絶対に必要な資格はないのです。
クリニック開業時に所持していると便利な資格
クリニック開業時に次の資格を持っていると便利です。
- 医業経営コンサルタント
- 病院経営管理士
- 医療経営士
- 防火管理者
1.医業経営コンサルタント
公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会において、1990年に設立された認定資格です。クリニックや病院などの経営をサポートできる資格であるため、十分な知識が求められます。
2.病院経営管理士
病院経営管理士は一般社団法人日本病院会により、1952年に設立した認定資格です。病院経営に関連するすべての職が対象であるため、院長が別にいる場合の経営者にも必要な知識が求められます。
3.医療経営士
医療経営士資格認定試験とは、医療機関を経営するために必要な知識を身につけた人材育成を目的にしています。3級だと医療経営の基本知識を持っており1級だと意思決定できるほどの知識が求められます。
4.防火管理者
防火管理者は、消防法に基づいた建物の用途やスタッフの管理といった知識が求められる資格です。病院ではなくても経営者なら求められることであり、クリニック開業時に所持しておくと便利な資格です。防火管理者は、消防計画を立てたり日頃からの火気管理を徹底したりします。
開業医の経営者が行うべき業務
開業医の経営者には、次のような義務が発生します。
- 診療
- 病院経営・経理
- 診療方針・集患対策の立案
- スタッフの採用・育成・管理
診療
クリニックを開業する場合まず必要なのが診療業務です。勤務医のときよりもするべきことや背負う責任の範囲が広がることが一般的です。
病院経営・経理
クリニックを経営していくためには、収支を理解することが重要です。資金を投入する要素や回収方法、採算のとり方などを考えることが経営者には求められます。
診療方針・集患対策の立案
集患をすることではじめて売り上げにつながります。集患をするための広告宣伝の方法を考える必要があります。
スタッフの採用・育成・管理
経営者としての課題の1つにスタッフの採用や育成などの管理があります。経営者になると、スタッフを教育することによりクリニックの評判を高めることにつながります。さらに、雇用に関する賃金や労務などの知識も必要です。
経営力を養うために取得する資格
経営力を養うためには次の資格を取得する方法があります。
- 経営学修士
- 中小企業診断士
経営学修士
経営学修士とは、MBA(Master of Business Administration)ともよばれ、経営学において、大学院修士課程を修了した時点で授与される学位です。このため、経営のプロとしての資格を得ることができます。
中小企業診断士
中小企業診断士の主な業務は、経営を診断したり適切な助言をしたりすることです。現状を分析したり、今後企業が成長していくために必要なアドバイスをしたりするのです。金融機関とのパイプ役であったり、行政とやりとりをしたりするなど幅広く活躍できるため、経営力を身につけられます。
まとめ
クリニックを開業するために必要な資格はありません。医療免許を持つ院長がいれば、医療免許がなくてもクリニックの開業は可能です。クリニックを開業するためには、経営力が必要になりますが、必要な知識を身につけるための資格は経営学修士や中小企業診断士などさまざまなタイプがあります。
クリニックを経営するためには、一般企業のような経営力が求められます。そのために必要なスキルを身につけることが重要です。