
クリニックの開業資金はどれくらい必要?自己資金や費用内訳についても解説します!
クリニックを開業するには、多額の開業資金が必要になります。将来的に独立しクリニックの開業を予定している方にとって、開業資金がどれくらい必要なのかは気になるポイントでしょう。具体的な金額がわかると、貯金の計画なども立てやすくなります。
当記事では、クリニックの開業に必要な自己資金の目安や自己資金が少ない場合の対策、診療科目別の開業資金を紹介します。
目次[非表示]
- 1.クリニックの開業資金の目安と調達方法
- 1.1.開業資金における一般的な費用内訳
- 1.2.クリニックの開業資金の調達方法
- 1.3.開業時に必要な自己資金の目安
- 2.診療科目別の開業資金
- 2.1.1.内科
- 2.2.2.整形外科
- 2.3.3.耳鼻咽喉科
- 2.4.4.眼科
- 2.5.5.皮膚科
- 2.6.6.精神科・心療内科
- 2.7.7.泌尿器科
- 2.8.8.脳神経外科・内科
- 2.9.9.小児科
- 2.10.10.産科・婦人科
- 3.クリニックの開業費用を抑えるためのポイント
- 4.まとめ
クリニックの開業資金の目安と調達方法

クリニックの開業費用は、規模や診療科目、開業形態によって異なります。一般的に、総額として1,500〜8,000万円程度が必要といわれています。ここでは、開業資金における主な費用の内訳と資金調達方法、必要となる自己資金の目安を解説します。
開業資金における一般的な費用内訳
参考として、開業資金8,600万円で内科クリニックを開業する場合を紹介します。
敷金:276万円
礼金・仲介手数料:112万円
前家賃:112万円
内装工事:2,400万円
診療設備:2,000万円
什器備品:400万円
OA機器:200万円
医療消耗品:100万円
採用費/研修費:100万円
集患/広報費:200万円
医師会他諸々費:200万円
その他備品費用:100万円
固定費・人件費・賃料・その他軽費・変動費:2,400万円
クリニックの開業資金の調達方法
多額の資金が必要となるため、自己資金に加えて融資を受けるのが一般的です。主な融資先としては、日本政策金融公庫、民間の金融機関、医師会などが挙げられます。融資ごとの特徴や借入時の注意点については、以下の記事もあわせてご覧ください。
なお、融資以外に地方自治体が提供する補助金・助成金制度を活用する方法もあります。例えば、医療機関の誘致や医療機器の導入を支援する制度などがあり、内容は地域によって異なります。開業予定地の自治体サイトや相談窓口で、対象となる制度がないか確認しておくと良いでしょう。
開業時に必要な自己資金の目安
必要な「自己資金」の目安は、「開業資金」全体の1〜2割程度です。クリニックの規模や診療科目、地域など、条件によって異なりますが、一般的には「1,000〜3,000万円程度」を準備しておくと安心です。自己資金の割合が高いほど借入額を抑えられ、開業後の返済負担を軽減できるうえに、融資審査がスムーズに進みやすい傾向もあります。開業初期は収益が安定しないケースもあるため、自己資金を十分に確保しておくことで、突発的な支出が必要になった際も柔軟に対応できるでしょう。
診療科目別の開業資金

開業資金は診療科目別で異なります。
主な診療科目の開業資金(目安)を見ていきましょう。
1.内科
一般内科
開業資金(目安)約2,000万円〜8,000万円
一般内科は、自己資金が少なくても開業しやすい診療科目です。戸建て物件を利用して一般内科を開業する場合は、約2,000万円必要です。開業前から土地を確保できている場合や、保証人を立てられる場合は自己資金がなくても開業できるでしょう。また、テナント開業の場合は6,000万円〜8,000万円用意しておくと安心して開業できます。
呼吸器内科
開業資金(目安)約7,000万円
呼吸器内科を開業するには、約7,000万円ほどの資金が必要です。呼吸器内科では、不動産に加えて電子カルテやX線装置など1,000万円以上する高額な医療機器を導入しなくてはいけません。「喘息」「息切れ」で来院する患者にターゲットを絞り診療すると、固定の患者を確保できるようになるでしょう。
循環器内科
開業資金(目安)1億円以上
循環器内科は、約1,000万円の自己資金があると余裕を持って開業できるでしょう。保証人がいる状態で戸建て開業するなら自己資金は必要ありません。ただし、設備代などを含めると1億円以上はかかります。まずは1,000万円の自己資金を準備して、銀行からの融資も受けましょう。
消化器内科
開業資金(目安)約8,000万円 ※融資額も含む
消化器内科を開業するには自己資金1,000万円、融資額も合わせると8,000万円ほど必要です。消化器内科は競争率が高いですが、開業しやすいと言えるでしょう。他のクリニックと差別化を図り、患者数を増やすには質の高い下部内視鏡検査の提供や、集客に力を入れる必要があります。回復室の確保など、患者のプライバシーを守れる環境を作り患者数を増やしましょう。
内分泌・糖尿病内科
開業資金(目安)約6,000万円〜1億円
内分泌・糖尿病内科は、自己資金がなくても開業可能です。戸建て開業などで保証人を確保でき、病院同士の連携や勤務先の患者を獲得できるのであれば自己資金は必要ありません。ただし、内分泌・糖尿病内科はテナント開業で6,000〜8,000万円、郊外開業であれば6,000万円〜1億円の開業資金が必要でしょう。
2.整形外科
開業資金(目安)約5,000万円以上
整形外科は、テナント開業であれば自己資金は必要ありません。戸建て開業の場合は、自前で多くの費用をまかなうのであれば1000万円ほど必要です。土地・建物代で約3,000万円、電子カルテなどの設備代が約1,900万円〜2,500万円必要になるため銀行から融資を受けて開業するのも一手です。
3.耳鼻咽喉科
開業資金(目安)約4,000万円〜6,000万円
耳鼻咽喉科は、テナント開業と戸建て開業であれば自己資金は必要ありません。土地購入する場合、場所によって金額に差はありますが約3,000万円必要です。また電子カルテなどの設備代が約2,000万円〜2,500万円かかるでしょう。約4,000万円〜6,000万円準備すれば安心して開業できます。
4.眼科
開業資金(目安)約6,000万円〜8,000万円
眼科は自己資金がなくても開業できます。土地代が約3,000万円かかり、診療用ベッドや顕微鏡などの設備代が約2,000万円〜4,500万円必要です。眼科は治療内容によって立地や設備が大きく変わりますが、約6,000万円〜8,000万円の費用が必要でしょう。
5.皮膚科
開業資金(目安)約3,500万円以上
皮膚科は、自己資金0円で開業できるケースがあります。土地代が約3,000万円、設備代が約500万円以上必要になる場合が多い傾向です。皮膚科は地域住民の特性にあった治療や診察を提供すると、認知されやすく患者数も増やしやすくなるでしょう。
6.精神科・心療内科
開業資金(目安)約1,500万円〜3,000万円
精神科・心療内科は、自己資金0円でも開業できるケースがあり他の診療科目に比べて開業費用が安く済みます。土地代が約1,000万円以上、レジスターなどの設備代が約400万円以上必要です。精神科・心療内科に通っていることがわかりづらい場所や、患者が落ちついて過ごせる空間を作ると来院数も増やせるでしょう。
7.泌尿器科
開業資金(目安)約1,000万円〜3,000万円
泌尿器科の開業資金は、約1,000万円〜3,000万円です。主に、尿流量測定装置や尿分析装置などの設備代に使用されるでしょう。また、自己資金は0円でも開業できるケースも存在します。泌尿器科は他診療科目に比べて、競合が少ない傾向にあるため患者を確保しやすいと言えるでしょう。
8.脳神経外科・内科
開業資金(目安)約6,000万円〜2億5,000万円
脳神経外科・内科の開業資金は、約6,000万円〜2億5,000万円必要になる場合が多いです。病院と連携できて電子カルテなどの設備導入がない場合、開業資金は少なくて済むケースもあります。しかし画像診断装置を導入する場合、開業資金はかなり高くなるでしょう。周りの病院との連携や環境、開業するクリニックの特性によって開業資金は変わります。
9.小児科
開業資金(目安)約4,000万円以上
小児科の開業資金は土地代が約3,000万円以上、吸引器などの設備代が約1,000万円必要です。小児科で患者数を増やすには、スムーズな診察が重要です。Web予約システムやWeb問診システムなどを導入すると、評判が良くなり患者数も増やせるでしょう。
10.産科・婦人科
開業資金(目安)約5,000万円以上
産科・婦人科の開業資金として土地代が約3,000万円以上、超音波診断装置などの設備代が約2,000万円必要です。医師の強みをアピールでき、特徴のあるクリニックを作れると競合と差別化でき患者を獲得できます。HPなどに力を入れ、クリニックの特徴をアピールしましょう。
クリニックの開業費用を抑えるためのポイント

ここからは、クリニックの開業費用を抑えるための2つの方法を紹介します。
⒈居抜き物件や医療機器のリースを検討する
クリニックの開業費用を抑えるための方法として、居抜き物件を活用することが挙げられます。前医の内装や設備が残っている物件であれば、高額になりがちな内装費を大幅に削減できる可能性があります。ただし、設備が老朽化していたり、レイアウトが自院の診療スタイルと合致しなかったりする場合は、改装費用がかさむことも考えられます。契約前に改修が必要な箇所をよく確認するようにしましょう。また、医療機器に関しても、すべてを新品で購入するのではなく、リース契約や中古品を導入することで初期費用を軽減できます。診療に必要な機能を確保しつつ、コストを抑えられるため、特に高額な機材の場合は有力な選択肢となるでしょう。
⒉人件費やシステムの費用を見直す
運営コストの削減には、人件費とシステム費用の見直しが効果的です。人件費は運用コストのなかでも大きな割合を占めるため、クリニックの規模や診療内容に応じて、適切な人員配置を行う必要があります。また、院内業務のデジタル化を図ることで、少人数でもスムーズな運営が実現します。例えば、院内にサーバーを設置するオンプレミス型よりも、初期費用や保守費用を抑えられるクラウド型(インターネット経由で利用するタイプ)のシステムを検討するのも一案です。電子カルテや予約業務などを一元管理できる多機能な製品を選べば、コスト削減と働きやすさの両立が期待できます。
まとめ

クリニック開業に必要な資金について、具体的な内訳や診療科目別の目安を紹介しました。必要な金額は診療スタイルや立地によって異なりますが、融資に加えて自己資金を多めに確保できると良いでしょう。補助金や助成金の活用を視野に入れることも大切です。理想のクリニックの開業に向けて、無理のない資金計画を立てていきましょう。











