オンライン資格確認医療機関一覧とは?導入・運用・利用状況も解説
現在、オンライン資格確認が普及していますが、すべての医療機関が導入しているわけではありません。したがって、オンライン資格確認を使用する際は、どの医療機関がオンライン資格確認を導入しているのか来院前に確認もしくは、直接問い合わせてして確認する必要があります。
上記に対応するためにネットで公開されているのが、オンライン資格確認医療機関一覧です。当記事では、オンライン資格確認医療機関一覧の概要やオンライン資格確認の運用状況、取り巻く環境変化について解説します。
オンライン資格確認医療機関一覧とは?
オンライン資格確認医療機関一覧とは、オンライン資格確認を導入している医療機関を都道府県ごとに一覧にしてまとめたものです。厚生労働省の公式ホームページに開設されているページで確認できます。
自分が勤務している医療機関や、利用する医療機関が該当するか確認しましょう。また、一覧には実際の運用開始日も記載されています。
マイナンバーカードの健康保険証利用対応の医療機関・薬局の確認方法
マイナンバーカードの健康保険証利用対応の医療機関・薬局の確認方法としては以下の2つがあげられます。
- 厚生労働省の公式ホームページ
- 利用施設検索サイト
1つずつ詳しくみていきましょう。
1.厚生労働省の公式ホームページ
先ほども述べたように、厚生労働省の公式ホームページでマイナンバーカードの健康保険証利用対応の医療機関・薬局が確認できます。
都道府県ごとに医療機関名や住所、電話番号、オンライン資格確認の運用開始日が記載されています。運用開始日が記載されているので、いつからオンライン資格確認が利用できるのか一目で分かります。
自分の勤務している医療機関やよく利用する医療機関が該当しているか確認できるので便利です。
2.利用施設検索サイト
利用施設検索サイトでも、マイナンバーカードの健康保険証利用対応の医療機関・薬局が確認できます。主な利用施設検索サイトは以下の6つです。
- Caloo 病院口コミ検索サイト
- 病院いつどこマップ
- 病院ナビ
- お医者さんガイド
- e-NAVITA
- 歯のねっと
1つずつ詳しくみていきましょう。
1.Caloo 病院口コミ検索サイト
「Caloo 病院口コミ検索サイト」は、都道府県や診療科、駅名から、マイナンバーカードの健康保険証利用対応の医療機関や薬局を検索できるサイトです。
各医療機関や薬局の診療時間や診療日の記載はもちろん、口コミの評価も記載されています。
参考:Caloo
2.病院いつどこマップ
「病院いつどこマップ」は国内最大級の医療機関検索サイトです。病院や薬局のほかにも、介護施設や動物病院まで検索できます。位置情報を使用し、現在地から行ける病院を検索できます。
参考:病院いつどこマップ
3.病院なび
病院なびは、月にのべ1000万人が利用しているサイトです。サイトのトップページでオンライン診療を行っている医療機関を検索できます。また、診療時間や受診しやすい時間帯の情報も記載されており、受診前に確認しておくと便利でしょう。
参考:病院なび
4.お医者さんガイド
「お医者さんガイド」はかんたん検索や地図絞り込み検索、フリーワード検索といった検索の仕方が豊富にあります。
医療機関の情報には該当医療機関の特色が記載されているため、何が専門で何を得意としているのか一目で確認できます。
参考:お医者さんガイド
5.e-NAVITA
「e-NAVITA」は医療機関だけでなく、「食べる」「泊まる」「学ぶ」といった多くのカテゴリーから行きたい場所を検索できます。マイナンバーカードの健康保険証利用対応の医療機関・薬局の検索方法は以下のとおりです。
- ページトップの検索窓でエリアを指定
- 検索窓に「マイナ受付」と入力
- 「検索」をクリック
上記の方法以外でも、サイトの右にある「マイナンバーカードが健康保険証として利用できます!」というボタンをクリックすると、医療機関のまとめ記事が表示され、読み進めていくと医療機関を検索できます。
6.歯のねっと
「歯のねっと」は、全国の歯科医院を検索できるサイトです。カテゴリーの中から、相談したい内容について検索したり、相談内容を確認したりできます。
歯科医院を検索した際、マイナンバーカードを利用できる歯科医院には「マイナンバーカード対応」という黄色いマークが表示されます。
参考:歯のねっと
オンライン資格確認の導入・運用・利用状況
ここでは、オンライン資格確認の導入・運用・利用状況についてみていきます。どのような状況となっているのか、それぞれ詳しくみていきましょう。
1.オンライン資格の導入・運用状況
オンライン資格確認に必要な顔認証付きカードリーダーの申し込みは、約13万施設で6%程度となっています。その中で、システム改修が済んでおり、準備が整っている施設は約24%です。
実際に運用を開始している施設は、約18%となっています。まだまだオンライン資格の導入・運用が必要な施設が数多くあるようです。
2.【都道府県別】オンライン資格確認の運用開始状況
都道府県別でみてみると、オンライン資格確認に必要な顔認証付きカードリーダーの申し込み状況に大きな差はなく、各都道府県でオンライン資格確認を導入しようとしている状況にあります。しかし、実際に運用している医療機関を都道府県別にみると、差があるようです。
例えば、病院を例にしてみると、運用開始率が高いのは岩手県で63%に対し、運用開始が低いのは茨城県で21.3%となっています。原因は定かではありませんが、都道府県ごとの差が縮まるには、まだまだ時間がかかるといってよいでしょう。
3.オンライン資格確認の利用状況
オンライン資格確認の利用状況を、以下2項目に分けて紹介します。
- 確認書類別
- 特定健診・薬剤情報の利用件数別
1つずつ詳しくみていきましょう。
1.確認書類別
オンライン資格確認の運用開始から3月末時点で、オンライン資格確認等のシステムを利用したのは約1.2億件でした。
その中で、マイナンバーカードによる確認は約61万件となっています。保険証による確認が約9,600万件、一括照会による確認が約2,300万件です。
2.特定健診等・薬剤情報の利用件数別
特定健診等情報の利用件数は、10月から3月末までで30,861件となっており、薬剤情報は、88,752件です。どちらの場合も、月を重ねるにあたってだんだんと利用件数がのびていることがわかります。
マイナポータルでの特定健診等情報の閲覧件数は、10月から3月までで約5万件、薬剤情報の閲覧件数は約14万件です。
オンライン資格確認を取り巻く環境の変化
オンライン資格確認を取り巻く環境は日々変化しています。ここでは以下の2つの視点から解説していきます。
- 2022年10月からオンライン資格確認の診療報酬が改訂
- 2023年4月からオンライン資格確認が義務化
それぞれ詳しくみていきましょう。
2022年10月からオンライン資格確認の診療報酬が改訂
オンライン資格確認等システムを通じた情報活用にかかわる現行の評価が廃止され、新しく評価が新設されました。新しく新設されたのが、医療情報・システム基盤整備体制充実加算です。
この加算は、初診料に上乗せされます。施設基準を満たしている医療機関において、従来の保険証を利用した場合は、加算1の4点が算定される仕組みです。一方で、マイナンバーカードを保険証として利用する場合は、加算2の2点が算定されます。
2023年4月からオンライン資格確認が原則義務化
2023年4月から、オンライン資格確認が原則義務化されます。これにより、患者情報や医療の情報がより身近に閲覧できるようになるため、医療業務の更なる効率化が可能です。
オンライン資格確認の普及によれば、電子カルテやレセプトの情報共有も拡大できるため、医療DXや地域包括ネットワークの構築も推進しやすくなるでしょう。
オンライン資格確認が普及するメリット
オンライン資格確認が普及すれば、保険証入力の手間やレセプト返戻作業を削減できるため、医療機関での窓口業務を効率化できます。
また、オンライン資格確認が一般的なものになれば、オンライン資格確認システムの導入有無について患者からの問い合わせもなくなるため、問い合わせの対応業務の負担も軽減できるでしょう。
まとめ
オンライン資格確認医療機関一覧を確認する方法やオンライン資格確認の実際の運用状況、オンライン資格確認を取り巻く今後の環境変化について解説してきました。オンライン資格確認の普及が拡大しつつある中で、実際に運用開始している施設はまだまだ少ないのが現状です。
ただし、オンライン資格確認の診療報酬の新設、導入の義務化によって、オンライン資格確認が当たり前となるため、オンライン資格確認があることが当たり前となります。
したがって、オンライン資格確認医療機関一覧でシステムの導入有無を確認する必要は今後なくなる可能性が高いでしょう。