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開業に必要な医療機器とは?選定するときのポイントを解説
【診療科目別】開業時に必要な医療機器

開業時にどのような医療機器が必要になるかは、診療科目によって異なります。ここでは、診療科目別に揃えておきたい医療機器を紹介します。クリニックや病院を開業する際の参考にしてください。
整形外科:リハビリ機器
骨や関節といった人間の運動器官を扱う整形外科の場合、リハビリ機器は揃えておきたい医療機器の一つです。低・中周波治療機器や体外衝撃波治療機器、レーザー治療機といった種類があります。どの機器を選ぶかは、採用したい治療法や患者側のニーズによって変わってくるでしょう。また医療機器を選ぶときは、クリニックのスペースにも配慮しなければなりません。ほかにもウォーターベッドやマッサージ機を設置するクリニックもあります。マッサージを医療機器で対応するか、優秀な理学療法士を採用するかは判断が分かれるところです。
内科:CRおよびX線装置
風邪の治療から心臓病などの大きな病気にも対応する内科は、CR(コンピューテッド・ラジオグラフィ)やX線装置を優先的に揃えましょう。ただしX線装置は、準備するまでに時間を要します。開業の計画における初期段階から、導入の準備を進めたほうが賢明です。ほかにも規模の大きい病院やクリニックのなかには、心電計や血圧計を数多く揃えているところもあります。費用対効果を踏まえて選ぶ必要がありますが、心電計は特に使用頻度が高いといえます。場合によっては、複数台導入してみても良いでしょう。
眼科:OCT検査機器
目の治療は、専門的かつ繊細な検査や処置が求められます。さまざまな機器がありますが、代表例の一つとして挙げられるのがOCT検査機器です。OCT検査機器は近赤外線を使って目の中を検査し、緑内障の早期発見・治療につなげられるといったメリットがあります。眼科で開業する際、レーシック手術に対応できる機器の検討も検討されているかもしれません。しかしレーシック手術は開業資金が膨らむだけではなく、国の注意喚起によって不安を抱いている患者も一定数います。採用するかどうかは、慎重に考えなければなりません。
耳鼻咽喉科:聴力検査器やネブライザー
耳鼻咽喉科は、主に耳・鼻・喉といった部位に関する病気を扱う機関です。目と同様に、専門的な検査が求められます。耳の聞こえを確認する聴力検査器、気管支炎の治療に使われるネブライザーなどが必須の医療機器となるでしょう。併せて耳鼻咽喉科は性質上、子どもとの関わりも多いのが特徴です。医療機器の選定だけではなく、待合室にキッズスペースを取り入れるといった対処もしましょう。待合室で子どもがリラックスできるようにするためにも、DVDや玩具も揃えるのが賢明です。
皮膚科:CO2レーザー
皮膚科では、ホクロやシミの除去といった治療を行います。このような施術に対応すべく、CO2レーザーの導入などを検討すると良いでしょう。併せてホクロやシミの状態を確認するダーモスコープを取り入れれば、皮膚がんの早期発見・治療につながります。皮膚科の場合、診察や治療内容が流行に影響されるケースも少なくありません。そのため医療機器も、流行によって必要となるものが変わる場合もあります。医療機器を導入するときは、短期間で費用を回収できるかも考えることが大切です。
泌尿器科:膀胱ファイバースコープ
泌尿器科の場合、検査時に痛みを伴うケースが少なくありません。一般的な医療機器のほかにも、痛みを和らげるための膀胱ファイバースコープなども用意すると良いでしょう。患者の負担をなるべく軽減しつつ、膀胱がんの早期発見・治療に役立つのがメリットです。泌尿器科のような専門的な医療機関は、集患が安定するまで時間がかかることもあります。長期的な運転資金が必要になる可能性もあるため、入念に計画を立てなければなりません。
脳神経外科:MRI装置やCT装置
脳神経外科は、脳の状態を確認すべくMRI装置やCT装置の準備が望ましいとされています。MRI装置は撮影に磁気を用いて、組織の細かい異常を捉えられるのがポイントです。一方でCT装置の場合、X線による短時間の撮影で骨の情報も入手できるメリットがあります。しかしMRI装置やCT装置は全体的に費用が高額であるため、揃えるだけでも負担が大きくなるといえます。今後の運営も踏まえつつ、どのように導入するかを慎重に判断しましょう。
小児科:小児用検査機器
小児科では、聴診器や心電計といった基本的な医療機器の導入が必要です。気管支炎などの病気を抱える子どもが多いため、ネブライザーも一緒に揃えるのをおすすめします。ほかにもX線装置を取り入れる機関もあります。ほかにも医療機器以外のシステムとして、予約システムを積極的に取り入れたほうが賢明です。小児科は混雑しやすいので、予約システムを導入することで受付がスムーズになります。加えてキッズスペースを用意し、待合室で遊べるようにする方法も望ましいでしょう。

開業時での医療機器の選定方法
病院やクリニックを開業するうえで医療機器は必須のアイテムといえますが、どの製品を選べば良いか迷ってしまうでしょう。ここでは、医療機器の選定方法について詳しく解説します。
必要となる医療機器を選択する
まずは開業時において、必要となる医療機器の候補を考えておくことが大切です。費用やスペースといった問題を一度無視して、気になる医療機器をいくつか挙げます。ノートやテキストエディタに、候補をリストアップしましょう。次にリストアップした医療機器について、どういった性能が必要か、費用はいくらになるかも併せて検討してください。高額な医療機器を一から揃えると費用もかさんでしまうため、慎重に選ばないといけません。
何から揃えるか優先順位を決める
リストアップした医療機器のなかから候補を絞ったら、優先的に欲しいと思うものを決めましょう。優先順位を決める際には、予算と採算性を考慮するのが望ましいといえます。採算性とは、医療機器を使用することで、どのくらいの収益を得られるかを示す概念です。初期費用およびランニングコストを把握しつつ、いつまでに回収できるか計算してみましょう。はじめて医療機器を揃えるとなると、どうしてもリーズナブルさを気にしがちです。もちろん出費も重要ですが、本来は費用対効果を重視しなければなりません。
導入方法を決める
医療機器を導入するとき、必ずしもすべてを購入する必要はありません。リース契約を結び、一定期間契約先から借りるといった方法もあります。さらに従前の物件をそのまま再利用する開業方法(居抜き開業)であれば、すでに設置されている医療機器を使えます。導入方法に加えて、導入先も慎重に決めなければなりません。なるべく実績が豊富で、信頼できる会社と契約を結ぶのが望ましいといえます。複数の会社を候補に選び、一度話し合いをしてみると良いでしょう。
医療機器は購入すべき?リースすべき?

医療機器を揃えるうえで、購入したほうが良いか、リースしたほうが良いのかは悩みやすいポイントの一つです。双方に一長一短があるので、どちらを選ぶのが正解かは一概には分かりません。予算をいくら確保できるか、どのくらい使用したいかなど、あらゆる要素について検討する必要があります。ここでは参考として、購入とリースのメリットおよびデメリットを解説します。
医療機器を購入するメリット
医療機器を購入するメリットは、クリニックの所有物として自由に使用できる点です。リースはあくまで貸借契約であり、所有権はリース会社が有します。そのため契約が終了したら、借りていた医療機器をリース会社に返却しなければなりません。実際に自院で購入したほうが、長期にわたって医療機器を使用できます。ほかにも購入すると、費用総額がリースよりも安くなることがあります。事業を長く続ける場合、リースでは一定期間費用を支払い続けないといけません。医療機器の購入もローン払いが一般的ですが、医療や福祉の分野では低金利で借りられることも珍しくありません。さらに提供会社によって異なるものの、現金一括払いを選ぶと代金が値引きされる場合もあります。
医療機器を購入するデメリット
医療機器を購入するデメリットは、リースと比べて初期費用が高くなる点です。現金一括購入ではなく、ローンを設定すれば初期費用は確かに抑えられるかもしれません。しかしローンを一度設定したら、原則として払い終わるまで負債を抱える状態になります。リースとは異なり、医療機器を手放したところで支払いから逃れられるわけではありません。このときに問題となるのが、ローンの返済が終わるまでに医療機器が故障したケースです。代わりを購入した場合、以前のローンと併せて支払いに応じる必要があります。このように乗り換え時の費用も高額になりやすいので注意しましょう。
医療機器をリースするメリット
リース契約により、医療機器を使用するメリットは初期費用が低くなる傾向にある点です。契約内容によっても変わりますが、一般的には月払いや年払いといった形式を採ります。したがって初期費用の予算を確保できず、ローンを借りるのも心配な人におすすめです。また購入時と比べて、新しいものに乗り換えやすいといったメリットがあります。中途解約であれば違約金が発生する恐れもありますが、基本的に契約を破棄するだけで乗り換えが可能です。医療機器を処分する際の費用もかからないので、新種の製品をスムーズに試せます。
医療機器をリースするデメリット
医療機器をリースするデメリットとして挙げられるのが、自院が使いやすいように仕様を変更できないことです。購入であれば、メーカーによって仕様をカスタマイズできる場合もあります。一方でリースは医療機器をそのまま使用する形となるため、ある程度制限が生じてしまいます。ほかにもリース契約は、購入するよりも総額が高くなりやすいのがデメリットです。長期的に医療機器を借りる際にも、一定の金額を支払い続けないといけません。したがって契約期間によっては、医療機器を購入するよりも出費が増えてしまう恐れもあります。医療機器をリースする際のメリットおよびデメリットについて、以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事: 医療機器リースのメリット・デメリット|購入との違いを徹底解説!

開業時に医療機器を選ぶときの注意点
現代では、科学技術の発達により性能の高い医療機器が増えています。しかしいくら性能の高い製品でも、自院に合った使い方ができなければ、収益を上げるのが難しくなるでしょう。ビジネスの観点も踏まえつつ、医療機器を選ぶときの注意点を紹介します。
ランニングコストや採算性にも目を向ける
まず押さえてほしいポイントは、ランニングコストや採算性にも目を向けることです。医療機器単体の費用だけではなく、点検代や修理代も考慮しなければなりません。いくら初期費用が安くても、頻繁に修理が必要な製品は多額のランニングコストがかかる恐れもあります。クリニックや病院を運営するとなれば、長期的な視点で計画を練らないといけません。はじめはリースで初期費用を抑えつつ、軌道に乗ったら購入に切り替えるなどといった方法も検討してみましょう。
院内のスペースを考慮する
医療機器を選定する際には費用や性能だけではなく、製品の大きさにも注意しなければなりません。院内のスペースを考慮し、適切なサイズの医療機器を選ぶようにしましょう。サイズがあまりにも大きすぎると、実際の業務での動線確保が難しくなります。医療機器以外にもさまざまな備品を必要とするため、どこに何を置くかをあらかじめ決めたほうが得策です。備品によっては、コンパクトに折り畳める製品もリリースされているので、併せて検討してみると良いでしょう。
保証内容やサポート内容を確認する
保証内容やサポート内容も、導入時にチェックしたい要素の一つです。医療機器を使用するうえで、どうしても不調や故障のリスクが付きまといます。調子が悪くなるたびに、新しい製品を導入していたら負担も大きくなってしまうでしょう。メーカーによっては、期間内であれば無償で修理または交換してくれる場合もあります。またメーカー側のサポート体制が手厚い製品を導入すると、何か困りごとがあったときにもスムーズに対応してもらえます。
購入・リース先は複数検討しておく
医療機器を揃える際には、購入・リース先を複数検討しておくことも大切です。複数のメーカーから話を聞き、見積もりの内容をチェックするだけでも失敗を防ぎにくくなります。内容を確認するときは、何度も説明しているとおり金額だけではなく、性能や保証内容も入念に調べないといけません。またメーカーの担当者との相性も、無視できない要素の一つです。コミュニケーションをきちんと取れるかどうかで、導入後の手続きもスムーズに進められます。

医療機器以外に必要なシステム
クリニックや病院を運営するうえでは、医療機器以外にもさまざまなシステムを揃えたほうが賢明です。システムが充実していると、診察もスムーズに進みやすく、患者にとっても良い影響を与えられるようになります。
電子カルテ
クリニックや病院を開業するにあたって、採用したい備品の一つが電子カルテです。普及率も徐々に増えており、導入すると各医療機器と連携が取れます。電子カルテを活用すれば、医療機器で発見した患者の情報をシステム内にて一元管理することが可能です。スムーズに医療情報を共有できるため、紙ベースでのカルテと比べて医療業務のさらなる効率化が見込めます。電子カルテを導入するときは、操作性の良さや性能をしっかりと確認しましょう。また停電が起こると電子カルテは使えなくなるので、データを守るためにUPS(無停電電源装置)も備えましょう。電子カルテの仕組みやセキュリティについて詳しく知りたい場合は、次の記事をご確認ください。
関連記事: 電子カルテの仕組みとは?活用方法やセキュリティ対策まで徹底解説します!
PACS
PACS(パックス)とは、医療用画像管理システムのことです。具体的にはレントゲンやMRI、CTといった画像をデータとして保管し、ほかの端末に伝送できるシステムを指します。遠方にいてもシステムにアクセスでき、画像を確認できるのが強みです。PACSには大きく分けて、クラウド型とオンプレミス型の2種類があります。クラウドでデータを管理できるクラウド型は、手間が少なくなるのがメリットです。ただし利用料が発生するほか、セキュリティ管理にも注意しなければなりません。一方でオンプレミス型は、基本的に院内のサーバーにデータを保存します。セキュリティには厳重であるものの、ネットワーク設備におけるコストが高くなりやすいのがデメリットです。PACSについて詳しく知りたい場合は、次の記事をご確認ください。
関連記事:電子カルテの仕組みとは?活用方法やセキュリティ対策まで徹底解説します!
オンライン資格確認システム
オンライン資格確認システムは、マイナ保険証のICチップからデータを読み取り、オンラインで資格情報の確認を行う仕組みです。普及が進んでいるマイナンバーカードは、保険証との紐づけができます。紙の保険証の新規発行が2025年12月に廃止されたため、今後はマイナ保険証がメインで使われるようになるでしょう。院内にオンライン資格確認システムを導入しておくと、受付業務の負担を軽減させることが可能です。オンラインシステムに患者の情報が登録されるので、一人ひとりに合った治療をしたり、薬剤を提供したりするのに役立ちます。オンライン資格確認については以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:オンライン資格確認によるメリット・デメリットとは?仕組みや導入手順を徹底解説
予約システム
受付業務を簡素化するうえでは、予約システムの導入も検討したほうが賢明です。多くの人がスマホやパソコンを持っている現代において、さまざまな業界にてオンライン上での予約受付が使われています。Webサイトやアプリを利用して、時間や場所問わずに予約できる状態にしましょう。事務員側にとっても、誰が受診しに来るかを把握しやすくなるのがメリットです。また医師や看護師も、誰が予約したかを把握していれば、スムーズに診察の準備ができます。業務の効率性が上がるだけではなく、正確な診察にもつながるでしょう。以下の記事では、クリニックにおすすめの予約システム15選を紹介しています。
関連記事: 【2026年最新版】おすすめのクリニック予約システム7選!ポイント解説付き
オンライン診療システム
オンライン診療システムとは、インターネットを活用しながら遠隔で診療を行うためのシステムです。ビデオ通話またはチャットでコミュニケーションを取りつつ、診察の予約や問診、決済までの対応ができます。オンライン診療システムを導入するメリットは、集患の強化を図れることです。患者にとっては待ち時間がほとんど発生しないため、ストレスなく受診できるといった利点があります。ほかにも院内で感染症の拡大を防いだり、診療機会を与えやすくなったりすることも強みの一つです。以下の記事では、オンライン診療の概要やメリットを詳しく解説しています。
関連記事: 【医療機関必見】オンライン診療とは?概要からメリット・注意点まで徹底解説!
Web問診システム
Web問診システムとは、患者にオンラインで問診書を作成してもらうためのシステムです。オンライン診療システムと同じくインターネットを利用しますが、問診書の作成に特化しているといった違いがあります。Web問診システムを取り入れるメリットは、問診業務がスムーズに進みやすくなる点です。また機能によっては病院・クリニック側から最新情報やアンケートなどを発信できるので、顧客のニーズを把握するうえでも役立ちます。ただしオンラインに慣れていない患者もいることから、紙の問診票は廃止しないほうが望ましいでしょう。Web問診システムを導入するメリットおよびおすすめのシステムは以下の記事で解説しています。
関連記事:Web問診をクリニックに導入するメリットとは?おすすめのWeb問診システムも紹介
まとめ
クリニックや病院を開業する場合は、さまざまな医療機器を揃える必要があります。まずは一般的に必要となる医療機器を揃え、最低限の診察・治療をできるようにしましょう。高額なものは、長期的な計画に基づいて導入するかどうかを判断します。医療機器以外にも、クリニックや病院では数々のシステムが必要です。特に医療業務をスムーズに進めるうえで、電子カルテが注目されています。予算の都合にもよりますが、できる限り電子化も取り入れつつ、質の良い診察や治療を目指すと良いでしょう。

執筆監修者
CLINICS事務局
株式会社メドレー
医療現場のDXパートナーとして「医療ヘルスケアの未来をつくる」を理念に、開業を目指す先生や開業医の方々に寄り添う情報を発信しています。お届けするのは、オンライン診療や電子カルテ関連、開業準備を成功へ導くノウハウ、最新の医療制度・法令などさまざま。ITの力で人と医療の現場をつなぎながら、日々の診療やクリニック経営に役立つ知見を丁寧かつ分かりやすくまとめています。ぜひ、理想とするクリニックづくりのヒントとしてご活用ください。
