Case

「全部そろう」が開業の決め手だった|予約から経営分析までを1つにした選択とは

カルテ・レセコン

かかりつけ支援機能

経営分析

精神科・心療内科

横浜市営地下鉄センター南駅直結のビルに2024年5月に開業した「横浜ゆりまりメンタルクリニック」。保険会社・製薬会社・政治家秘書を経て39歳で医学部に入り直したという異色の経歴を持つ内田信也院長が、「病気かなと思ったらすぐ来てほしい。そうすれば昨日より今日のほうが絶対に楽になる」という思いのもと、児童から高齢者まで幅広い世代の心の診療を行っています。開業からわずか2年、直近1年で月次の診察数は約2倍に。その伸びを支えているのが、内田院長が毎日見ているCLINICSの経営分析と、予約・問診・カルテ・レセコンを1つにまとめた"オールインワン"の運用です。「理想のクリニックを実現するためには経営視点も大事」と語る内田院長に、データを武器にした精神科クリニックの経営についてお話を伺いました。

「電子カルテは憧れの存在だった」 
手書きの病院から、駅直結の開業へ

Q.まず、開業までの経緯を教えてください。

勤務していたのは精神科の単科病院で、カルテはすべて手書きでした。私にとって電子カルテは"憧れの存在"だったんです。非常勤で行っていた訪問診療のクリニックがクラウド型の電子カルテを使っていて、持ち運べて車の中でも書ける。ああいうものが自分のクリニックでも使えたらいいな、と思っていました。精神科の患者さんは、悪くなってから来られる方が多い。悪くなるのはゆっくりなので、みんな耐えてしまって、病気だと気づかない。だから「病気かなと思ったらすぐ来てほしい。そうすれば昨日より今日のほうが絶対に楽になる」――その思いで、通いやすい駅直結の場所に開業しました。

"全部そろっている"が決め手 
予約・問診・カルテ・レセコンを1つに

Q.数あるシステムの中から、CLINICSを選ばれた理由を教えてください。

予約も問診もカルテもレセコンも、全部そろっていることですね。開業するときに「予約はここ、問診はここ」と一つひとつ別の会社と契約するのは、正直面倒です。様々な機能の問い合わせ先が1つなのは、開業する側からすると本当に大きいですよ。それぞれの分野で「一番」のシステムを別々に集めるという考え方もあります。でも私は、一番のものを寄せ集めるより、全部が1つにまとまって、これから一緒に良くなっていくほうがいい。長く毎日使うものですから、そう思うんです。画面もシンプルで、最初は素っ気ないと感じるかもしれませんが、結局こっちのほうがいい。

CLINICSの経営分析で、バス広告の出稿先を決めた

Q.経営分析のダッシュボードを毎日見られているそうですね。

診療が終わった後に「今日はどうだったかな」と必ず見ます。1日30件を目安にしているので、「今日は届かなかったな」とか(笑)。面白かったのは患者さんの分布マップです。よく見ると、ある地域からだけ、すっぽり患者さんが来ていないことに気づいたんです。調べたらバスの路線の関係で、そのエリアの方は別の方面に流れていた。それでバス広告をそのエリアに出しました。アンケートで「広告を見て来ました」という方が実際にいて、リアルにどこに広告を出すかをデータで決められたのは大きかったですね。以前、医療法人で勤務していた頃は、売上データを税理士さんに渡して、結果が返ってくるのは1〜2か月後でした。今日の数字がその日に見られるのは、当たり前のようでいて、すごいことなんですよ。電子カルテにこの経営分析がついていなかったら、こんなことはできなかったと思います。

「3分診療はしない」 
データで伸ばしても、診療は寄り添う

Q.診察で大事にされていることを教えてください。

私は診察を基本的にオープンクエスチョンで進めます。「前回からいかがですか?」から始めて、患者さんの答えの捉え方を一緒に考える。3分じゃ、その人のことは分からないんです。100人を3分診療で回すようなことは、私にはできないし、やりたくない。経営の数字はきっちり見ますが、それは「3分診療で患者数を稼ぐ」ためではありません。むしろ逆で、一人ひとりに寄り添う診療を続けられるように、経営を健全に保っておきたい。「ここに来てよかった」と言われると、やっぱり嬉しいですから。数字を見ることと、患者さんに寄り添うことは、私の中では矛盾しないんです。

2院目、そして「同じカルテでつなぐ」複数院経営

Q.今後の展望を教えてください。

今、2院目の開業準備をしています。同じCLINICSカルテなので、法人・グループ連携の機能を活用ができ、こちらの院にいながら向こうの患者さんのカルテを見られますし、スタッフが行き来しても同じシステムだから教える手間がない。これは複数院をやるうえで、すごく強いと思います。精神科は自立支援医療や手帳、年金など書類業務も多いので、そのあたりの効率化にも期待しています。開業するなら、全部そろっているものがいい。窓口が1つで、予約から問診、カルテ、会計、そして経営の数字まで1か所でつながっているほうが、結局は楽で強い。私はそう実感しています。


取材日: 2026年5月/所属・体制は取材時点のものです

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