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「せっかくなら楽しい場所に」 テーマパークのような小児科が、CLINICSオンライン診療を選んだ理由

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東京都世田谷区、小田急線の千歳船橋駅からほど近い住宅街に、2025年11月に開業した小児科・内科の「HappiTomo LANDクリニック」があります。院長の片山大地先生が開業にあたって考えたのは、「何度も通う場所だからこそ、子供にとって少しでも楽しい場所にしたい」ということでした。そうして生まれたのが、お菓子の街や海の世界のように、9つの個室それぞれに違う世界観がある診察室です。子供たちはその日の気分で部屋を選んで受診ができるという仕組みに。Instagramで「とも先生」として小児医療の発信も続ける片山先生に、クリニックづくりの原点と、CLINICSオンライン診療の活かし方を伺いました。

「できることの幅」を選んだ、医師への道

Q. 医師を目指したきっかけは。

「実家が、祖父の代から続く医院なんです。そんな家に生まれたので、なんとなく自分も医師になるのかな、という空気の中で育ちました。ただ、高校のころに思い描いていた進路は、実は医師ではなかったんです。子供が好きだったので、保育士になろうかなと思っていて。転機になったのは、中田英寿さんの本でした。子供に関わりたい気持ちはそのままに、もっとできることの幅が広がる道へ進みたい。そう思って、医師を選びました」

「来なくて済む」より、「来たくなる」場所を

Q. この場所はどう選んだのですか。

「正直、この土地に特別な縁があったわけではないんです。小田急沿線で、ベビーカーで来られる方が多いことを考えて、エレベーターに乗らなくていい1階の物件を探しました。1階でも入口に段差があるところは避けて。つくりたいクリニックの形が先にあって、そこから逆算して、ここに行き着いた感じですね」

Q. テーマルームの発想はどこから。

「原点は、実家の医院で診ていたころにあります。病院に来るのを嫌がるお子さんがいて、親御さんも大変そうで、最初はオンライン診療で負担を軽くしていました。ただ、自分のクリニックを持つなら、来なくて済むだけでなく、来たくなる場所にしたいと思ったんです。感染を気にされる方も多いので個室は欠かせませんし、何度も通う場所なら少しでも楽しくしたい。そう考えて、9つの個室をすべてテーマルームにしました。最初はアメリカやフランスといった国をモチーフにとも考えたのですが、部屋ごとに世界観があるほうがいいなと。構想は自分で練って、それを形にしてくださったのが業者さんでした」

Q. 診療にはどう活きていますか。

「予約のときに、部屋そのものを選べるようにしているんです。車の部屋なんかは、やっぱり人気ですね。逆に『今日はこの部屋しか取れなかったんです』と、お母さんが笑いながら話してくださることもあって。どの部屋になるかも、通院の楽しみになっているのかもしれません」

画面ではなく、子供のほうを見ていたい

Q. 診察で大切にしていることは。

「診察室には、パソコンを置いていないんです。廊下に置いておいて、僕はマイクをつけて診察しています。会話から、AIがSOAP形式でカルテの案を作ってくれるので、それを自分で確認して仕上げる、という流れです。パソコンに向かって書くほうが診察は早いんですけどね。それでも、画面ではなく、子供のほうを見ていたいんです」

Q. 予約の枠の工夫を教えてください。

「予約の取り方にも、同じ考えがあります。診察の枠は15分ですが、部屋そのものは30〜40分で押さえているんです。子供の受診は着替えや支度で前後に時間がかかりますし、帰られたあとには掃除の時間も要りますから。枠を短くして立て続けに入れると、その時間がなくなってしまう。受付1名、看護師1〜2名の少人数で9つの部屋を見ていますから、枠の取り方は工夫しています」

コンビニのFAXから、CLINICSを選ぶまで

Q. オンライン診療を選んだ決め手は。

「オンライン診療は、実は開業のずっと前、実家にいたころから続けていました。保育園に行く前に需要があるかと思って、朝7時半から9時に枠を設けて。意外と利用は少なかったんですけどね。ただ、そのころのシステムは処方箋がFAXで、自宅にFAXがないので毎回コンビニまで送りに行っていて、これが本当に手間だったんです。だから開業のときは、契約している薬局の多さを重視してCLINICSを選びました。大手の薬局さんはほとんど契約してくださっているので、患者さんも使いやすいようです」

Q. 実際の活用法を教えてください。

「中心になっているのは、継続処方です。特に舌下免疫療法は、毎月通っていただく必要があって、治療も年単位で続きます。その都度、病院で並んで薬局で待ってとなると数時間かかるので、パンフレットをお渡しして『オンラインもやっていますよ』とお声がけしているんです。ほかに、発熱1日目のちょっとした風邪など、まず様子を伺うこともあります。お変わりのない継続の方なら、画面越しに『お薬を出しておきますね』で、5分ほど。そのぶん、対面の枠も空けておけます。たしかに、診療報酬の面ではオンライン診療だと取れない加算もありますが、それでも、普段つながっているからこそ、いざというときにここへ来てくれる。そう考えると、続ける意味は大きいと思っています」

「とも先生」が、画面越しに届けるもの

Q. これからしたいことを教えてください。

「きっかけは、Instagramで『とも先生』として発信を続けてきたことでした。小児科が身近にない地域だと、内科の医師が子供の皮膚のことまで診てくださっていることも多くて。そういうお子さんを、小児科医の僕が少しでも診られたらと思ったんです。画面越しなら、その距離は越えられますから。いまは、日本各地のお子さんの診療が始まっています。医療証の壁もあって、どこまでもとはいきませんが、近くに小児科がない地域の親子に、少しでも届けられたら。子供が好きで医師になった、その最初の気持ちのまま、できることを広げていけたらと思っています」

※所属・体制は取材時点(2026年8月)のものです。

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