Case
CLINICSの一体運用で支える| 「循環器をどこまでも」。開業1年目、循環器の名医が語る
京王井の頭線・久我山駅から徒歩1分。2025年7月に開業した久我山ハートクリニックの院長・今村泰崇先生は、大学病院や基幹病院でカテーテル治療や重症心不全の最前線に立ち続けてきた経歴の持ち主です。その後、高度医療を受けた患者さんを地域でフォローアップしたいと、生まれ育った杉並の地で開業に踏み切りました。クリニック名を「循環器」ではなく「ハート」としたのは、心臓疾患だけでなく患者さんの心や全身の健康に寄り添いたいという思いから。開業から1年、CLINICSカルテを軸にした予約・問診の一体運用で診療を支える今村先生に、お話を伺いました。

高度医療の最前線から、地域のバックアップへ
Q. 開業の経緯を教えてください。
今村先生は東京女子医科大学病院の循環器内科からキャリアをスタートし、済生会熊本病院ではTAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)の立ち上げに参画。八千代医療センター、東京女子医科大学病院、佼成病院(現・杏林大学医学部付属杉並病院)、ニューハート・ワタナベ国際病院と、重症心不全やMitraClip(経皮的僧帽弁接合不全修復術)、補助人工心臓といった高度医療の現場を歩んできました。
「病院では、カテーテル治療やTAVI、MitraClipといった専門的な治療をやっていました。ただ、治療後にフォローアップできる場所が地域になかったんです。開業医の先生方に診ていただこうにも、そうした治療を受けてきた患者さんは『何をされてきたか分からない』となってしまうし、専門施設には患者さんがあふれてしまう。だったらその間を自分で作ろうと意識したのが2年前くらいです。もともと開業をずっと考えていたわけでもなかったですし、手術を続ける道もあったんですが、そこは振り切りました。高度医療を受けた患者さんを自分が診て、手術は病院の先生たちにしっかりやってもらう、そういうバックアップとして動く方がいいと思ったんです。杉並は女子医大時代からずっと診療を続けてきた場所ですし、自分が育った場所でもあります。近くにちょうどいい物件が空いたので、ここで開業しました」
開業1年で見えてきた、診療と集患のかたち
Q. 診療の基本テーマを教えてください。
「基本テーマは、循環器をどこまでも診ていくことです。慢性心不全にはステージAからDまであって、街のクリニックで診るのはAからBまでが普通。CやDに入ると『大病院に行きましょう』となります。でも重症心不全になりかけたところまで街の中で診られる場所って、ほとんどない。だからこそ、そこまで診たいんです」
Q. 専門クリニックならではの特徴は。
「うちは採血の結果が基本的に当日出ます。ホルター心電図も、普通は結果まで2週間くらいかかりますが、すぐに分かります。連携先で冠動脈CTやMRIもすぐ撮れるので、紹介して数週間かかるような検査が数時間で完結できるんです。患者さんが時間を割いて来てくれているのに『結果は次回です』では、待っている時間がもったいない。当日全部やればいい話なんです」
Q. 開業時の集患の秘訣や工夫は。
「秘訣というか、ずっと杉並で診てきたので、地域のことは知り尽くしているんです。どの病院の、どの先生に紹介すればいいかが全部わかりますし、紹介してくださる先生方もたくさんいます。最初にコストをかけてでも知名度を上げて、患者さんに来てもらうことが大事だと思っていたので、ホームページやSNSにも当初から力を入れました。あと、患者さんのためはもちろん、自分自身の勉強のためにも、ホームページにはAIの相談窓口も入れていて、最新の医学情報が出たら1週間分くらいまとめて取り込んでいます」
今村先生は最新の医学情報を紹介するブログもほぼ毎日更新しています。こうした専門性を軸にした診療や心配りのある情報発信は数字にも表れていて、キャンセル率は開業初期から大きく下がり、平均を下回る水準で安定するようになりました。患者さんをつなぎとめるための仕組みについても、今村先生の考え方は一貫しています。
「特別な工夫はしていないんですが、たぶん専門性を重視しているからだと思います。WEB問診を見ても、みんな『胸が苦しい』『動悸がする』と具体的に書いてくれます。本当に苦しくて『調べてほしい』と思って来る方は、『やっぱり行きません』とはなりません。だから、囲い込んで引き止める必要はないと思っているんです。来なくなるなら、それは自分の診療の問題ですから」

「感覚でいける」。CLINICSカルテを選んだ理由
Q. カルテ選びで重視したことは。
「CLINICSは、メドレーの創業に医師が関わっていると開業前から知っていました。もちろん、他社のカルテも試したんですが、機能が良くても見た目が古くさいと使いにくそうだなと(笑)。ボタンをひとつ多く押さないといけなかったり、手間が多いのも気になったり。その点、CLINICSは見やすいから、感覚でいけるんです。昔のMacみたいな感じで、『ここを押せば多分いくだろうな』で、大体いけます。そこは使いやすいですね」
Q. サポート体制はいかがですか。
「まず、聞いたらすぐ教えてくれます。そのたびにチャットの向こうの方たちは、きちんと勉強しているなと感じますね。機械のことだけじゃなくて、診療報酬改定のかなり深いところまで、『ここは分からないだろうな』と思って聞いても、ちゃんと答えが返ってくる。的外れなことがないんです。急ぎのときは電話でも対応してもらえてありがたいですし、不満はないですね」
予約から経営分析まで、一気通貫の運用
Q. 予約や問診の一体運用の使い心地は。
「他のシステムを使う理由がないくらい困っていません(笑)。予約から問診まで、ひとつの流れでつながっているから、患者さんが予約のページから入って、そのまま問診まで違和感なく進められるんです。ネットで予約ができるから、わざわざLINEを導入する必要もないですしね」
Q. オンライン診療はどう活用していますか。
「風邪の方や、来院が大変な方、CPAP(持続陽圧呼吸療法)の定期通院の方などに使ってもらっています。うちはオンライン診療の枠を分けていないんです。通常の外来予約の中にオンラインの患者さんもいて、1診体制で対応しています。予約一覧にオンラインのマークが付くので、誰がオンラインかすぐ分かるし、順番が来たらそのままビデオ診察に入るだけなので、外来と並行でもまったく問題ないんですよね」
CLINICS予約では対面とオンラインの患者さんが同じ一覧に表示されるため、専用枠を設けずに運用できます。つまり、専用枠を設けるための予約設計も、外来を止めて切り替えるコストも発生しません。オンライン診療を「特別な診療」としてではなく、外来の一部として自然に溶け込ませたこの運用は、これから導入を検討するクリニックにとって大きなヒントになるはずです。
Q. 経営の数字はどう把握していますか。
「CLINICSは経営分析も見やすいですね。ボタンをポチッと押すだけで一発で出ますから。月次の推移も分かりますし、新規患者マップも、ああいうのがあると分かりやすい。使いやすいと思いますよ」
同院の患者さんの多くは地元・杉並区で、世田谷と武蔵野のあいだという立地から近隣区の患者さんも来院しています。どのエリアから新しい患者さんが来ているかを地図で掴める「新規患者マップ」は、地域の紹介ネットワークと情報発信で立ち上げてきた同院の集患スタイルと相性がよいようです。そしてその効果は数字にも表れていて、開業からの1年で、同院の診察数は右肩上がりに伸び続けています。
これから開業を考える方へ
Q. 今後、どんなクリニックでありたいですか。
「常に最新の論文やガイドラインに基づいた治療をやり続けるクリニックでありたいですね。同じことをずっと続けるのは好きじゃないですし、昔の知識のままやっていても仕方ない。勤務医の頃はとにかく忙しくて、朝から晩まで立ちっぱなしで、カルテを開く時間すらなかった。それが、開業した今のほうが勉強や情報のインプットに時間を使えています」
Q. これから開業される方にメッセージを。
専門性を軸に据えたクリニックだからこそ、カルテにも同じスピード感を求める。それが、久我山ハートクリニックが開業1年でたどり着いた結論です。
「時代についていけない古いカルテは、選ぶ必要がないと思います。医療もそうですけど、時代には必ずついていかないといけない。それについていけるだけの開発のスピード感があるところを選ぶべきです」
※所属・体制は取材時点(2026年7月)のものです。