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「自分にしかできないこと」を北九州で。 脳神経外科医が語る 開業1年半のCLINICS活用

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学術研究都市として整備された自然豊かな住宅地が広がる、北九州市ひびきの地区(八幡西区・若松区)。産業医科大学病院にも近いこの街に、きたがわ脳神経外科はあります。院長の北川雄大先生は、大学病院・救急病院で18年にわたり手術・研究の最前線に立ってきた脳神経外科医です。地域に脳神経外科が少ないという現実を前に、「自分にしかできないことは何か」という問いを抱いて、2025年1月に開業しました。開業前にカルテ・予約・問診をまとめてCLINICSにすることを決めていた北川院長に、CLINICSとともに歩んだ開業からの1年半と、地域医療への向き合い方を伺いました。

自分にしかできないことは何か。
地域の必要から始まった開業

Q. 開業を決めたきっかけは。

「本来、私のライフワークは手術・研究で、開業することはまったく考えていませんでした。ただ、今後10年・20年先を見据え、自分にしかできないことは何かと考えたとき、開業することで“誰もやっていないこと”に取り組めるのではないかと思うようになったんです。
実際、困っている方が多いにもかかわらず、十分に診てもらえない地域があったり、大病院では十分に対応ができていない現状があります。であれば、自分が開業し、手術などの専門的な治療は大学や急性期病院で行い、状態が安定したらこちらでフォローするという『分業化』が最も良い今後の医療のあり方だと考えました。大学や急性期病院には信頼できる先生もたくさんいらっしゃるので、協力し合うことで、よりよい医療を提供できる体制もつくれると思ったんです。
単純に、『地域に必要とされていたから開業した』――それだけなんです。誰が担当しても、患者さんが治ればいい。そのために、まずは地域の医療の仕組みを整えることが大事だと考えています。
開業地についても、近隣に脳神経外科クリニックが少なく、困っている患者さんも多くいらっしゃったため、迷いはありませんでした。」

「クラウドが来る」。
先輩の助言で選んだCLINICS

Q. カルテはどう選びましたか。

「カルテは何社か比較したのですが、判断材料が多すぎると決められませんし、当初は正直よく分からなかったんです。最終的には、自分が信頼している先生がCLINICSを使っていて“とても良い”と言っていたので、迷わず決めました。同級生にもCLINICSのユーザーがいたので、開業準備で分からないことが出てくるたびに気軽に相談できて、実際かなり助かりましたね。」

事務長も、オンプレミス型とクラウド型の違いをYouTubeで調べる中で『これからは絶対にクラウドの時代が来る』と確信し、早い段階から『絶対にCLINICSがいいです』と私に伝えていました。そうした意見が一致したこともあり、開業の約1年前にCLINICSのカルテ・予約・問診などをまとめて契約し、本格的な開業準備が始まりました。

Q. CLINICS予約の使い心地は。

「予約はとても取りやすいですよね。現状では、まだ十分に使いこなせていない部分もあるので、院内の経営戦略室と相談しながら、当院のシステムに合わせて、さらに活用の幅を広げていきたいと考えています。」

Q. 経営分析はどう活用していますか。

「経営分析は本当に素晴らしいですね。知りたい情報がワンクリックですぐに把握できるのは、非常にありがたいです。さらに、地図機能もとても良いと思っています。開業前に『このあたりの患者さんに来ていただけるだろう』と想定していた範囲があったのですが、そのとおりに患者さんが来てくださっているかどうかを確認できました。当初のマーケティング戦略は間違っていなかったんだと実感しました。

また、地図を見て『この地域にはまだ届いていないな』と分かれば、そこに情報を届けるなど、次の一手を打ちやすい。そうしたことがワンクリックでパッと分かるのは、本当に助かっています。」

「分身」が支える好循環。
サポートする側とされる側

Q. サポート体制はいかがですか。

「アップデートがとても早いですし、チャットのレスポンスもすぐ返ってくるので助かっています。何かあれば、院内スタッフに『これ聞いておいて』とお願いしてやり取りしてもらっています。聞ける人が“自分の分身”としていてくれるのは、本当に大きいですね。」

北川院長が“分身”と信頼を寄せるスタッフの一人は、同院が新たに設けた「経営戦略室」の一員。

「もともと広報やWEB関係を一人で担っていたのですが、さすがに限界がありまして。スタッフを巻き込めないかと考えていたところ、院長から経営戦略室を作ろうという案が出たんです。ちょうどその仕事に適性のあるスタッフがいて、今は2名体制ですが、うまく動き始めています。」(事務長)

院内に分身がいて、チャットサポートもあり、同じCLINICSを使う同級生もいる心強さ。「初めはみんな分からない」から始まったものが、いま「わからないことを、すぐ聞ける」環境に整ったことで、サポート体制は万全と言えそうです。

Q. 事業経営戦略室を作った理由は。

前述のとおり、北川院長の発案で立ち上げられた「経営戦略室」。その理由を尋ねると、単なる業務効率化にとどまらない思いが語られました。

「資格の有無に関わらず、『クリニックに貢献してくれる人』が一番なんです。であれば、きちんと肩書きと部署をつくって頑張ってもらったほうが、本人のモチベーションにもキャリアにもなるし、クリニック全体のためにもなると思いました。どこの組織でも同じかもしれませんが、クリニックには“誰の担当でもない仕事”が必ず出てくるんです。そして、それを拾ってくれる人がいないと現場は動かないのに、拾った人が評価されにくい。それが嫌でした。

だからこそ、『戦略室がつないでくれるから、みんなが動けるんだよ』と胸を張って言える部署をつくろうと考えました。泥仕事ではありますが、そういう役割こそ認められるべきだと思っています。」

信用と本気度を、地道に。開業1年半の歩み

Q. 地域に受け入れられた理由はどこだと思いますか。

「信用と信頼、そして本気度です。患者さんは本当に“見て”いますから、常に本気で向き合わなければ伝わりません。外食ですらネットで調べてから行く時代に、ましてや自分の健康となればなおさらです。

実際、開業して最初の1ヶ月は、1日15人ほどしか患者さんが来ませんでした。でも、信用だけは確かな手応えがあったので、焦りはありませんでした。『信用されて結果を出して、満足してもらう。これを愚直に続ける』――それだけでしたね。とても古典的で、基本に忠実なだけなのですが、これが難しい。

だからこそ、『継続は、力なり』をモットーに、本気でコツコツ取り組む。それだけなんです。」

Q. 地域に知ってもらうために動いたことは。

「専門家に頼れる部分は頼りつつも、任せきりにはしたくありませんでした。自分たちの開業ですから、誰よりも自分たちが理解していなければいけない。意見は意見として聞きますが、最後は自分たちで考えるほうが、絶対にうまくいくと思ったんです。」

その“本気度”を、開業前後の現場で具体的な行動に落とし込んでいたのが事務長です。「最初の1〜3年を、なんとなく過ごすつもりはなかった」と語る事務長は、開業が決まった時点から地域に知ってもらうことに徹底的に時間を注ぎました。

「SEO・MEO対策も、開業の半年以上前から一から学び、築き、やれることは全部やりました」と振り返ります。ポスティングも、「ご近所の方から固めなければ」と、冬の寒い中でも欠かさず配り続けました。近隣の先生方や幼稚園、保育園、学校にも直接足を運んだといいます。

最初のお正月はチラシ配りでダウンし、年末年始は寝込んでしまったほど。

「やっぱり汗をかかないとダメ。楽して甘い話はないです。あるとすれば、怪しい話しかない。」(事務長)

「また、患者さんをご紹介いただいた地域の先生方には、丁寧に返事をしながら信用を積み重ねていく。この地道な作業を続けていく――それだけです。」(院長)

自分のやり方で。
愚直に、北九州の医療を支える

Q. 今後の展開を教えてください。

「数字だけを追い求めると失敗すると思うので、自然に上がっていければいいんです。それよりも、まずは体制を整えないと次のステップには進めません。今は当院でも、頭の先から足の先まで幅広く診療していて、頭痛や認知症、脳卒中、腫瘍、脊椎に加え、神経内科疾患の診療も行えるように、少しずつですが範囲を広げています。

今後は、頭痛クリニックや脊椎クリニックのように、分野を絞った分院を展開していきたいですね。ここをベースに、専門領域をより深く診られる体制をつくっていきたいと考えています。北九州だけでも約90万人の方がいらっしゃいますから、この地域の皆さんに必要な医療がきちんと届く体制をつくりたい。急いでいろいろ進めようとすると、どこかで無理が出てしまいます。だからこそ、大学病院や急性期病院の先生方や地域の先生方と一緒に、北九州のこの地域をしっかり支えることが、自分の役割だと思っています。」

Q. これから開業する方へ一言。

「“厳しい”という感じですかね。本当に厳しい。頭を使って一生懸命やらないと、地域に必要としてもらえるところまでは届きません。間違ったやり方でどれだけ努力しても結果は出ませんから、正しいやり方でやることに尽きます。

また、地域にしっかりと根を張るスタイルが、自分には合っていると感じています。」

※所属・体制は取材時点(2026年7月)のものです。

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