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オンライン資格確認を導入するには?医療機関が行う申請方法や設置方法について解説

いよいよ2021年3月よりオンライン資格確認の導入がスタートします。医療機関がオンライン資格確認を導入するためには、ポータルサイトへのアカウント登録、顔認証付きカードリーダーの申し込み、システムベンダーへの発注から導入・運用準備が必要です。
本記事ではオンライン資格確認の説明から、導入や各種申請に必要な手続き、注意事項について解説いたします。

目次[非表示]

  1. 1.オンライン資格確認とは
    1. 1.1.資格確認とは
    2. 1.2.オンライン資格確認はネットワークを介して患者の保険資格をリアルタイムに確認できる仕組み
    3. 1.3.導入する医療機関は一定の補助を受けられる
    4. 1.4.オンライン資格確認のメリット・デメリット
    5. 1.5.オンライン資格確認、マイナンバーカードによる認証で今後拡張予定の機能
  2. 2.オンライン資格確認を導入するには?
    1. 2.1.導入に必要な機器
      1. 2.1.1.顔認証付きカードリーダー
      2. 2.1.2.資格確認端末
      3. 2.1.3.ネットワークルーター
    2. 2.2.導入に向けたスケジュール
    3. 2.3.社会保険診療支払基金への申請手続きの流れ
      1. 2.3.1.ポータルサイトアカウント登録
      2. 2.3.2.顔認証付きカードリーダーの申し込み
      3. 2.3.3.オンライン資格確認利用申請
      4. 2.3.4.補助金申請
    4. 2.4.利用開始に向けたシステム導入の流れ
      1. 2.4.1.システムベンダーの選定・契約
      2. 2.4.2.使用する機器を決定する
      3. 2.4.3.ネットワーク構成を決定する
      4. 2.4.4.レセコン、電子カルテの改修を依頼する
    5. 2.5.その他オンライン資格確認導入における注意事項
      1. 2.5.1.顔認証付きカードリーダーの設置場所と運用
      2. 2.5.2.マイナンバーカードの健康保険証利用には事前申し込みが必要
  3. 3.まとめ

オンライン資格確認とは

資格確認とは

医療機関(病院や診療所、クリニック、薬局)は訪れた患者が加入している医療保険情報を確認する必要があり、この作業を「資格確認」と呼んでいます。

現状、資格確認を実施するためには医療機関を訪れた患者が提出した健康保険証を受け取り、受付窓口で記号・番号や氏名などを確認し、医療機関が保有する電子カルテ等のシステムに入力、あるいはスキャナーを通して情報を読み取る、という作業が必要でした。

資格確認においては大切なことですが、受付窓口の負担増加や、患者を待たせてしまうという課題があったり、受付窓口で患者の負担額を確認するために保険者が発行する「高額療養費の限度額適用認定証」の提出が必要だったり、失効保険証の利用による過誤請求や未収金が発生するなどの課題が存在したりしていました。

これらの課題を解決するために2021年3月から「オンライン資格確認」の導入が予定されているのです。

オンライン資格確認はネットワークを介して患者の保険資格をリアルタイムに確認できる仕組み

オンライン資格確認とは、マイナンバーカードのICチップ、または健康保険証に記載されている記号や番号等を用いることにより、資格情報をオンラインで確認することをいいます。

オンライン資格確認が導入されることにより、全患者に対し個人単位で資格履歴を一元管理することが可能になります。その結果、下記3つの課題が解決されることが期待されています。

  1. 受付窓口、患者双方の負担軽減
  2. 失効保険証の利用、資格誤認によるレセプト返戻の作業削減
  3. 保険者証類、特例制度、証明書類など、事前確認できる事実の一括確認

オンライン資格確認の全体図は下図「オンライン資格確認等のイメージ」通りです。患者は医療機関等を受診時にマイナンバーカード、または健康保険証を提示します。それを受け取った医療機関等の受付窓口は後述するカードリーダーでマイナンバーカード、または保険証を読み取ります。読み取った情報はオンライン請求ネットワークを活用し、支払基金・国保中央会 (国保連) のサーバに送信されます。

図の左上に記載されている「保険者」が、一部負担割合等も含んだ最新の資格情報を支払基金・国保中央会 (国保連) に登録していることでリアルタイムで患者の資格情報や薬剤情報等を確認することが可能なシステム構成となっているのです。

図「オンライン資格確認等のイメージ」
※ 出典:医療保険のオンライン資格確認の概要 - 厚生労働省保険局


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導入する医療機関は一定の補助を受けられる

オンライン資格確認を導入する医療機関には国から顔認証付きカードリーダーと、導入費用に関して一定の補助を受けることが可能になっています。

2020年11月17日にオンライン資格確認のシステム改修による追加的財政補助が決定し「2021年3月末までに顔認証付きカードリーダーを申し込んだ医療機関・薬局を対象」という制限はありますが、「加速化プラン」という名のもとに、従来の一部補助から定額補助が行われることになりました。その結果、診療所・薬局のケースでは顔認証付きカードリーダー1台を無償提供レセコン改修等の費用補助が事業額42万9千円 (税込) を上限に実費の補助が受けられます。

追加補助が行われる背景としては、2点挙げられます。

1点目は、コロナ禍により医療機関等の経営状況に影響が及んでいる状況への配慮です。

2点目は、厚生労働省は、2021年3月末時点の病院・診療所・薬局のオンライン資格確認システムの実施に必要な顔認証付きカードリーダーの導入率目標60%を掲げていますが、2020年10月25日時点で、カードリーダーの申込み済み医療機関の割合は、医科診療所で10%、薬局で26%にとどまっており、目標達成が現時点では見通しが立っていないことです。

図「加速化プランおよび補助金変更について」
※ 出典:オンライン資格確認導入の手引き - 厚生労働省保険局

オンライン資格確認のメリット・デメリット

 オンライン資格確認の導入、マイナンバーカードの保険証利用により、「患者」「医療機関・薬局」「保険者」3つのセグメントが抱えている各種問題の解決が期待されています。

オンライン資格確認のメリット

導入前
導入後
患者
・待ち時間の増加
・限度額以上の一時払いが必要
・転職、結婚、退職後など、一定期間は保険証が発行されない
・待ち時間の減少
・限度額以上の一時払いが不要
・転職、結婚、退職後に必要な手続きをすることでマイナンバーカードで受診可能
医療機関・薬局
・時間帯や時期によって窓口が混雑する
・資格誤認によるレセプト返戻リスク
・災害時だと、患者の薬剤情報や特定健診情報を閲覧することができない
・再診時の資格確認がシステム化されることで窓口の混雑が緩和される
・オンライン資格確認を毎回実施することで、レセプト返戻リスクを回避
・災害時にも患者の薬剤情報、特定健診情報の閲覧が可能
保険者
・限度額認定証の申請に対して事務手続きや発行が必要
・資格誤りによる、返戻事務作業が一定数発生し続ける
・限度額認定証の申請に対して事務手続きや発行が不要になる
・資格誤りによる返戻率が低下し、事務作業が軽減する

オンライン資格確認、マイナンバーカードによる認証で今後拡張予定の機能

今後拡張予定の機能としては、特定健診データ等の保険者間の連携やマイナポータル等の活用が予定されております。

特定健診データ等の管理等を支払基金・国保中央会に委託する仕組みを実現することで保険者間での円滑なデータ連携が可能となる。マイナポータルや民間企業のPHRサービスを活用することで、患者本人が経年の特定健診等の記録を確認できるシステムの整備などが検討されています。


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オンライン資格確認を導入するには?

オンライン資格確認の利用には各種申請・申込や必要機器の導入だけでなく、電子カルテやレセコンシステム、ネットワークの改修が必要となります。

導入に必要な機器

導入にあたっては、主に以下に示す3種類の機器が必要となります。

  • 顔認証付きカードリーダー
  • 資格確認端末
  • ネットワーク関連機器(オンライン資格確認ルーター等)

※現在ご利用のシステムや構築されているネットワーク状況により異なります。各種機器を準備する際は事前に各システムベンダーにお問い合わせください

顔認証付きカードリーダー

顔認証付きカードリーダーは、主に患者が使用する機器です。

マイナンバーカードの顔写真データをICチップから読み取り、読み取った「顔写真データ」と窓口で撮影した「本人の顔写真」を照合して本人確認を行うことができるカードリーダーです。また、薬剤情報や特定健診情報に関して、医療機関等が閲覧する際の患者の同意取得を、ディスプレー上で案内し、同意取得が可能な機器です。

顔認証付きカードリーダーは社会保険診療報酬支払基金の認証を受けた機種を用意する必要があり、医療機関等向けポータルサイトで導入したい機種を選んで申し込むことで無償提供を受けられます。
※病院(3台)大型チェーン薬局(1台)診療・所薬局(1台)まで無償提供

現時点で認証済み機種は3種類あり、基本的にはどのカードリーダーでも資格確認端末を導入すれば、医療機関が導入しているレセプトコンピュータと連携することができます。

※ 出典:オンライン資格確認の導入について(医療機関・薬局、システムベンダ向け) - 厚生労働省保険局サイト    

資格確認端末

資格確認端末は医療機関のスタッフが利用する端末(パソコン)です。

顔認証付きカードリーターを接続し、オンライン資格確認ネットワークに接続し、オンライン資格確認を行った結果の資格情報を格納する端末です。

パソコンであれば何でも利用できるわけではなくOSの指定(Windows10 IoT Enterprise 2019 LTSC 64bit版、又は Windows10 Enterprise 2019 LTSC 64bit版)があるなど、要件を満たした端末を準備する必要があります。

詳細な要件については 資格確認端末としての要件をご確認ください。

資格確認端末で指定されている要件の端末は、一般には市販されていないため医療機関が個別に申し込むことができないものもあります。調達方法や導入作業については、現在ご利用中のシステムベンダー等と相談して進めましょう。
※参考:資格確認端末提供予定ベンダ一覧(2020年11月時点)

ネットワークルーター

オンライン資格確認等に用いる回線は既存のオンライン請求インフラを活用することとなります。

現状オンライン請求では「IP-VPN接続方式」「IPsec+IKE接続方式」「ISDNダイヤルアップ接続方式」が用いられていますが、「ISDNダイヤルアップ接続方式」については令和6年(2024年)1月にサービス終了となるためオンライン資格確認を実施するには「IP-VPN接続方式」「IPsec+IKE接続方式」のどちらかに移行しなければなりません。

また、すでにオンライン請求環境(「IP-VPN接続方式」「IPsec+IKE接続方式」)が整っている場合でもオンライン資格確認実施にあたっては、そのネットワーク要件を満たしていない、または対応していない可能性があります。そのため、環境を構築したベンダーに確認の上、ネットワークルーターの手配を進めていくことが望ましいです。


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導入に向けたスケジュール

実際にオンライン資格確認を導入するにあたっては、社会保険診療支払基金への申請手続きと、それに沿った形で医療機関へのシステム導入を並行して行う必要があります。

申請手続きとシステム導入のそれぞれの流れについて説明します。

オンライン資格確認に関する申請と導入準備の流れ
※ 出典:オンライン資格確認・医療情報化支援基金関係医療機関等向けポータルサイト

社会保険診療支払基金への申請手続きの流れ

オンライン資格確認を開始するには社会保険診療支払基金への申請手続きが必要になり、手続きの流れは大きく分けて下記の4ステップで構成されております。

  1. ポータルサイトへのアカウント登録
  2. 顔認証付きカードリーダーの申し込み
  3. オンライン資格確認の利用申請
  4. 補助金の申請

それぞれの手続きについて順を追って解説します。

ポータルサイトアカウント登録

導入にあたり、まずはポータルサイトへのアカウント登録が必要になります。ポータルサイトへの登録自体は費用もかからず、登録をすること自体でオンライン資格確認の導入を義務付けられるものでもないため、オンライン資格確認の導入を迷っている場合でもまずは登録されることをお勧めします。オンライン資格確認に関する最新の情報の閲覧や、今後必要になる手続きの全てがポータルサイトに集約されているためです。

医療機関等向けポータルサイトhttps://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/

登録の際のメールアドレスに一定のルールは存在しませんが、医療機関向けポータルサイトを確認すると、登録できるメールアドレスは一つだけとなっています。そのため、見落としを防ぐという観点からは、個人のメールアドレスではなく医療機関全体で使用しているような汎用性の高いアドレスを登録するのがよいかもしれません。

顔認証付きカードリーダーの申し込み

無償で提供が予定されている顔認証付きカードリーダーは下図の3台です。機能の違いは各ベンダーやメーカー、あるいは医療機関向けポータルサイトの情報を確認するのがよいでしょう。また、顔認証付きカードリーダーの申し込みや各種申請とあわせて必要な機器の導入やシステム改修が必要になります。導入の流れは後述しますが、より詳細な手続きに関しては各ベンダーにお問い合わせください。

無償提供が予定されている顔認証付きカードリーダ
※ 出典:顔認証付きカードリーダーカタログ - 医療機関等向けポータルサイト

オンライン資格確認利用申請

オンライン資格確認の利用申請は、レセプトコンピューターの改修が完了していない状態でもオンライン資格確認を導入する予定があれば改修前に申請を行うことが可能となっています。

申請の際はシステムの運用開始予定日、テスト開始日、ネットワーク回線種別 (IP-VPN、IPsec+IKE)、NTT東・西のIP-VPN接続を利用される場合はお客さまIDの入力が必要になるため、事前の確認が必要です。お客さまIDに関しては、回線契約の際にNTT社から送付された「開通のご案内」または「お申し込み内容のご案内」に記載されています。

もし「開通のご案内」と「お申し込み内容のご案内」の両方を紛失している場合はNTTに連絡するなどの確認手続きが必要です。

また、ケーブルテレビや電気会社、ガス会社などからインターネット回線を申し込んだというケースの場合、お客さまIDは不要となっていますが、最新の情報は支払基金に連絡をして確認した方が安全です。なお、追加で紙の書類提出などは必要ありません。

「お客さまIDの確認方法」

お客さまIDの確認方法
※ 出典:オンライン資格確認利用申請 - 医療機関等向けポータルサイト

補助金申請

オンライン資格確認関係の補助対象と内容は下図のようになっています(医科歯科併設の場合はこちらも参照ください)。

オンライン資格確認の補助金に対する適否一覧(現物提供の対象台数)
現物提供の対象台数
(病院は1~3台、診療所・薬局は1台)

顔認証付きカードリーダー
システム等改修費用
支払基金が手配
(第2の2対象
1/2または3/4補助の対象
(第2の1(2)対象)
1/2または3/4補助の対象
(第2の1(2)対象)
9万円(税抜)以下の顔認証付きカードリーダーを支払基金に注文
-
9万円(税抜)以下の顔認証付きカードリーダーを全額自己負担で購入
-
9万円(税抜)を超える顔認証付きカードリーダーを支払基金に注文
9万円(税抜)を超える顔認証付きカードリーダーを全額自己負担で購入
-
顔認証付きカードリーダーの購入なし
-
-


オンライン資格確認の補助金に対する適否一覧(現物提供の対象台数を超える台数)
現物提供の対象台数を超える台数
(病院は4台目以降、診療所・薬局は2台目以降)

顔認証付きカードリーダー
支払基金が手配
(第2の2対象
1/2または3/4補助の対象
(第2の1(2)対象)
9万円(税抜)以下の顔認証付きカードリーダーを全額自己負担で購入
-
9万円(税抜)を超える顔認証付きカードリーダーを全額自己負担で購入
-

※ 出典:お知らせ - 医療機関等向けポータルサイト


また、オンライン請求関係の部分も補助対象となっているため、新規開設の医療機関にも手厚い体制となっていると言えるでしょう。補助金の振込先は診療報酬・調剤報酬の振込に使用している口座へ直接振り込まれる形が基本的な運用となっておりますが、他の口座を使用することも可能です。

その際は別途手続きが必要となるため、支払基金へ早めの連絡をした方がよいでしょう。なお、補助金の申請に必要な書類は3つあります。

  1. 領収書 (写)
  2. 領収書内訳書 (写)
  3. オンライン資格確認等事業完了報告書

補助金の交付にはオンライン資格確認を実施することが前提のため、各種書類が必要になるそうです。書類の様式やその他の情報は医療機関向けポータルサイトのFAQに公開されておりますので、詳細は「オンライン資格確認関係補助金申請について」よりご確認ください。


利用開始に向けたシステム導入の流れ

システムベンダーの選定・契約

まずは現在ご利用のカルテ/レセコンベンダーへシステム改修/対応予定をご確認ください。

合わせて現在の院内ネットワークが要件を満たしているか、また満たしていない場合は構築まで提供してくれるのかご確認ください。

各カルテ/レセコンベンダーによって独自システム構成を提供する場合や動作検証済みの機種の状況も異なりますので、システム改修予定/ネットワーク要件/(システム構成)を含めた複合的な確認が重要です。

費用については概ね、資格確認用端末、ネットワークルーター、システム改修費用、設置/設定費用を含めて30万円台後半~40万円前半程となることが一般的で、医科診療所の場合このうち42.9万円を上限として補助金の対象となります。

また、オンライン資格確認の導入を検討されているがレセコン未導入の場合は、医療機関等向けポータルサイト内にオンライン資格確認導入のご相談に関するベンダーお問い合わせ先情報(病院)がございますので、医療機関等の所在地と各ベンダの対応可能エリアをご確認のうえお問い合わせください。

使用する機器を決定する

機器については要件が定められているため、基本的な機能は共通しています。

選定に際しては医療機関や薬局毎の要件(設置スペース・電源コンセントの確保や患者導線、操作性)と各社の特徴/独自機能などを踏まえて選定する必要があります。

例えば顔認証付きカードリーダーでは1台の資格確認端末での接続台数が異なっていたり、機器ベンダー独自機能を搭載している機器もあります。また、資格確認端末についても要件を満たせば既存レセコン等資格確認端末として使える可能性があります。

例として顔認証付きカードリーダーの特徴を下表にまとめました。

顔認証付きカードリーダーの特徴 (メーカーは左から50音順)

アルメックス
パナソニック
富士通
機器本体
・8インチの大画面
・横長で安定感重視
紙の公費医療券や各種証明書等の読み取り
・外部インターフェイス
USBポート:USB2.0 × 2
microUSB × 1
LAN × 1
HDMI × 1 
・縦長で場所を取らない
・手袋でも操作可能なタッチパネル
 ・車椅子の利用も考慮したカメラ配置設計
・外部インターフェイス
USBポート:USB3.0 × 1
・低重心の安定設計
1台のPCで4台まで接続可能
・洞窟構造で直射日光や照明の差し込みを防止
・外部インターフェイス
USBポート:USB3.0 × 1
サポート
・18ヶ月の無償保証
・無償期間終了後は月額2,500円の有償修理 (センドバック方式)
・5年間の無償保証 (センドバック方式)
・有償修理の場合もあり
・5年間の無償保証 (後出しセンドバック方式。有償サービスの切り替えで先出しセンドバック方式に変更可能)

ただし、OS、セキュリティ対策、セキュリティパッチや機能更新パッチといった適用環境を整えることが必要となりますので、対応端末を購入することが一般的でしょう。

ネットワーク構成を決定する


前述の通りオンライン請求環境(「IP-VPN接続方式」「IPsec+IKE接続方式」)の準備と合わせて医療機関・薬局内のネットワークを構築する必要があります。

医療情報シス テムの安全管理に関するガイドライン第5版に準拠した資格確認端末の設置が必要になります。また、オンライン資格用端末と連携システム(レセコン等)のアクセス制限など検討しなければなりません。

新規開業ではなく、ネットワークを敷設済みの医療機関の場合には、ネットワークと連携システム(レセコン等)を加味した構成が必要となりますので、ベンダーへ確認のうえ、医療機関内のネットワーク変更が必要な場合もあります。

こういった、設置、設定の煩雑さが医療機関のオンライン資格確認申し込みを躊躇わせている一面もあるとされており、資格確認端末のキッティング(設定・必要ソフトのインストール)、設置、ネットワーク敷設をセットにした導入プランを提供する企業も出てきています。

メドレーではCLINICSカルテを導入していただいている医療機関向けに、MIND社のルーター、アイ・オー・データ社のオンライン資格確認端末、ネットワーク敷設と機器の設置をパッケージとして、補助金上限の42.9万円以内で実質医療機関の自己負担が発生しない形で導入できるプランをご用意する予定です。

図「医療保険のオンライン資格確認の概要」


出典:医療保険のオンライン資格確認の概要

レセコン、電子カルテの改修を依頼する

オンライン資格確認結果を取り込むためには、お使いのレセコンや電子カルテ側での改修が必要となります。まずはベンダーに、改修時期やかかる費用についてお問い合わせください。

レセコン、電子カルテの改修ができない場合、オンライン資格確認結果をオンライン資格確認端末で目視確認し、電子カルテ、レセコンに手入力する必要が発生します。そのため、お使いのレセコン、電子カルテがオンライン資格確認情報連携のための改修を行うかどうかは、オンライン資格確認を導入するかどうかの大きな判断材料となります。

オンプレ型の電子カルテを使用している場合、改修を行うために医療機関ごとに追加改修費用がかかってくる場合もありますので、現在のシステムベンダーへ改修予定と対応時期、追加費用の有無、医療機関側で必要な対応内容などをお問い合わせください。

クラウド型の電子カルテの場合は、電子カルテベンダー側で一括改修されることが多いため、医療機関ごとに改修費用がかかるケースは少ないと言われています。

その他オンライン資格確認導入における注意事項

オンライン資格確認の導入にあたってはいくつかの注意事項が存在します。

顔認証付きカードリーダーの設置場所と運用

医療機関で受付に提出して確認を受ける従来の保険証確認と異なり、オンライン資格確認ではマイナンバーカードを扱い、また顔認証を行うため患者自身の操作による認証作業が発生します。そのため、子供や車椅子を利用した患者など来院された場合、設置場所によってはマイナンバーを機器に入れようとしても届かない、顔認証が必要な高さに顔を出すことができない、といった事態が起こる可能性があります。こういった、患者自身で作業ができないことを想定したユニバーサルな設置場所の検討が必要になります。

また、高齢の患者さんなど、どうしてもご自身では難しい場合にどこまで医療機関スタッフが手伝うか、ということを検討しておく必要があります。

マイナンバーカードの健康保険証利用には事前申し込みが必要

マイナンバーカードを健康保険証として利用するためには事前手続きが必要になります。場合によっては事前手続きを経ることなくマイナンバーカードを持参する患者さんが来院する可能性もあります。

その際は急に慌てたりすることがないよう、

  • 事前手続きをしていない患者さんは当日は健康保険証を使用するよう案内をする
  • マイナンバーカードの健康保険証利用の申し込み手順書を医療機関内に用意しておき、次回来院までに申し込みと有効化をお願いする

などの準備が必要になります。


出典:マイナンバーカードの健康保険証利用申込 - マイナポータル

まとめ

オンライン資格確認について、医療機関がオンライン資格確認を導入するための、ポータルサイトへのアカウント登録、顔認証付きカードリーダーの申し込み、システムベンダーへの発注から導入・運用準備、申請に必要な手続きについて、注意事項と合わせて解説しました。

マイナンバーカードの普及とともに活用シーンが広がるため、実質無料に近い形で導入補助金を使用して申請することができるため、導入を検討している医療機関が増えてきています。

現時点では、上限42.9万円の補助が受けられるのは、2021年3月までにカードリーダーを申し込んだ医療機関が対象となっており、それ以降の補助については現時点では不明ですので、早めに申請をされることをお勧めします。

電子カルテベンダー、レセコンベンダーなどにお問い合わせいただく際の参考にしていただければ幸いです。

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