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オンライン資格確認はいつから導入されるの?導入の方法やメリット・デメリットを徹底解説します!

2021年10月20日に「オンライン資格確認」の本格運用がスタートしました。

オンライン資格確認の導入にはさまざまなメリットがあります。本記事ではオンライン資格確認について解説するとともに、医療機関が行う申請方法や設置方法についてご紹介します。

この記事を読むと以下のことがわかります。

  • オンライン資格確認とは?
  • オンライン資格確認のために必要な機器
  • 申請手続きの流れ
  • オンライン資格確認設置方法について

今後さらに浸透していくであろうオンライン資格確認について知って、オンライン資格確認のさまざまなメリットを享受しましょう!


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目次[非表示]

  1. 1.オンライン資格確認とは?
    1. 1.1.資格確認とは
    2. 1.2.オンライン資格確認の概要
    3. 1.3.オンライン資格確認における本人確認の方法
      1. 1.3.1.マイナンバーカードを提示された場合
      2. 1.3.2.健康保険証を提示された場合
    4. 1.4.オンライン資格確認の導入に費用はかかる?
  2. 2.オンライン資格確認のために必要な機器
    1. 2.1.顔認証付きカードリーダー
    2. 2.2.資格確認端末
  3. 3.申請手続きの流れ
    1. 3.1.ポータルサイトへのアカウント登録
    2. 3.2.顔認証付きカードリーダーの申し込み
    3. 3.3.オンライン資格確認の利用申請
    4. 3.4.補助金の申請
  4. 4.オンライン資格確認の導入に活用可能な補助金
    1. 4.1.病院
    2. 4.2.薬局
  5. 5.オンライン資格確認の補助金交付は2023年3月末までが対象
  6. 6.オンライン資格確認設置方法について
  7. 7.オンライン資格確認の導入費用
  8. 8.オンライン資格確認の導入のメリット
  9. 9.オンライン資格確認を導入するデメリット
  10. 10.オンライン資格確認の現状と今後
    1. 10.1.オンライン資格確認の普及率
    2. 10.2.2023年4月からオンライン資格確認の導入が原則義務化

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オンライン資格確認とは?

資格確認とは

医療機関(病院や診療所、クリニック、薬局)は訪れた患者が加入している医療保険情報を確認する必要があり、この作業を「資格確認」と呼んでいます。

現状、資格確認を実施するためには医療機関を訪れた患者が提出した健康保険証を受け取り、受付窓口で記号・番号や氏名などを確認し、医療機関が保有する電子カルテ等のシステムに入力、あるいはスキャナーを通して情報を読み取る、という作業が必要でした。

資格確認は受付窓口の負担増加や、患者を待たせてしまうという課題があったり、受付窓口で患者の負担額を確認するために保険者が発行する「高額療養費の限度額適用認定証」の提出が必要だったり、失効保険証の利用による過誤請求や未収金が発生するなどの課題が存在したりしていました。

これらの課題を解決するために導入されたのが「オンライン資格確認」です。


オンライン資格確認の概要

出典:【事例紹介動画】オンライン資格確認で受付業務が便利に!運用中施設の利用事例を紹介 厚生労働省


従来の資格確認の方法は、患者の健康保険証を受け取り、「記号・番号・氏名・生年月日・住所」などを医療機関システムに入力するというものです。この方法では「入力の手間がかかる」「患者を待たせてしまう」などの難点がありました。

オンライン資格確認は、マイナンバーカードのICチップまたは健康保険証の記号番号等により、オンラインで資格情報の確認ができる方法です。まずは、オンライン資格確認がどのようなものか、詳しく見ていきましょう。


オンライン資格確認における本人確認の方法

最初に、オンライン資格確認における本人確認の方法について押さえておきましょう。オンライン資格確認における本人確認の方法には、下記の2種類があります。

  • マイナンバーカードを提示された場合
  • 健康保険証を提示された場合

マイナンバーカードを提示された場合

顔認証付きカードリーダーまたは窓口スタッフによる目視で顔認証するか、4桁の暗証番号を患者本人が入力することで本人確認をします。

マイナンバーカードを用いた本人確認を行うことにより、医療機関や薬局において特定健診等の情報や薬剤情報を閲覧できるようになります。医療情報をマイナポータルで閲覧することも可能になります。

健康保険証を提示された場合

窓口スタッフが保険証の記号番号などを端末に入力する、従来のやり方と同じです。最終的にはマイナンバーカードと紐づけるために、患者に対してマイナンバーカードの提示を案内するとよいでしょう。

マイナンバーカード・健康保険証のいずれも上記の方法で本人確認を行い、患者の資格情報を取得します。


オンライン資格確認の導入に費用はかかる?

顔認証付きカードリーダーは、医療機関及び薬局に無償提供(病院3台まで、診療所等1台)されます。

それ以外の費用として、下記の費用は補助があります。

  1. マイナンバーカードの読取・資格確認等のソフトウェア・機器の導入
  2. ネットワーク環境の整備
  3. レセプトコンピュータ、電子カルテシステム等の既存システムの改修等

引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08280.html


無料ではありませんが、非常に多くの補助金が出るので、早期に導入しておくことがおすすめです。


オンライン資格確認のために必要な機器

上記でも簡単に解説しましたが、オンライン資格確認のために必要な機器がいくつかあります。医療機関や薬局がオンライン資格確認をはじめるにあたり必要な機器を説明します。

利用しているシステムやネットワークの状況により異なります。ここで紹介するのは一般的なものですから、実際に機器を準備する際には事前に担当のシステムベンダーやネットワークベンダーに相談しましょう。


顔認証付きカードリーダー

※ 出典:オンライン資格確認の導入について(医療機関・薬局、システムベンダ向け) - 厚生労働省保険局サイト


マイナンバーカードの顔写真データをICチップから読み取り、読み取った「顔写真データ」と窓口で撮影した「本人の顔写真」を照合して本人確認を行うことができるカードリーダーです。

顔認証を行う上で十分な画質を担保したカメラ、タッチパネル対応の液晶ディスプレイ等を装備しています。セキュリティ対策として、のぞき見防止のためのフィルターもかかっています。

ちなみに、医療機関・薬局の窓口ではマイナンバーカードは預かりません。患者が顔認証付きカードリーダーの場合はカードリーダーに置くことで認証されます。専用のものではなく汎用カードリーダーの場合は、カードリーダーにかざすとともに受付に見せることで認証が完了します。


資格確認端末

資格確認端末とは、医療機関のスタッフが利用する端末(パソコン)のことです。資格確認端末は、下記の要件を満たしている必要があります。

  • OS:Windows10 IOT Enterprise 2019 LTSC(推奨)
  • NIC:2系統(院内ネットワーク用とオンライン請求ネットワーク用を想定)
  • USBポート:医療機関などでUSBメモリなどの外部媒体が利用可能なUSBポートをもっていること

参考:オンライン資格確認導入に向けた 準備作業の手引き | 厚生労働省


Windows10 Pro等のLTSC版以外のOSを選択することもできますが、その場合には、医療機関・薬局にて必要なセキュリティ対策を行う必要があります。システムベンダーにてセキュリティパッチや機能更新パッチの適用を実施してもらいましょう。


申請手続きの流れ

ここからは、実際にオンライン資格確認の申請を手続きするときのの流れについて確認していきましょう。オンライン資格確認を開始するには申請手続きが必要になり、手続きの流れは大きく分けて下記の4ステップで構成されています。

  • ポータルサイトへのアカウント登録
  • 顔認証付きカードリーダーの申し込み
  • オンライン資格確認の利用申請
  • 補助金の申請

それぞれの手続きについて解説していきます。


ポータルサイトへのアカウント登録

まずはポータルサイトへのアカウント登録が必要になります。ポータルサイトへの登録自体に費用はかかりませんので、登録に迷っている場合もとりあえず登録しておくことをお勧めします。

登録できるメールアドレスは1つで二重登録はできないため、複数アドレスで見落としを防ぐことはできません。登録するメールアドレスは個人アドレスではなく、医療機関全体で使用しているアドレスを登録するのをおすすめします。


顔認証付きカードリーダーの申し込み

出典:オンライン資格確認の導入について 厚生労働省


上記で説明した顔認証付きカードリーダーの申し込みも行いましょう。


オンライン資格確認の利用申請

オンライン資格確認の利用申請には、下記3点の入力が必要です。

  • 電気通信回線種別(IP-VPN、IPsec+IKEの別、IP-VPNの場合はNTT又は光コラボ事業者かそれ以外か)
  • お客様ID(NTT又は光コラボ事業者のIP-VPN接続を利用される場合)
  • オンライン資格確認等システムの利用開始予定年月及び疎通確認テスト開始予定年月(※未定の方は入力不要)

オンライン資格確認の利用申請を行う際、書類の提出は必要ありません。すべて事前登録してあるポータルサイト上から申請することで手続きが完了します。


補助金の申請

補助金の振込先は診療報酬・調剤報酬の振込に使用している口座へ直接振り込まれる形が基本的な運用です。

補助金の申請に必要な書類は下記の3つ。

  • 領収書 (写)
  • 領収書内訳書 (写)
  • オンライン資格確認等事業完了報告書

オンライン請求関係の部分も補助対象となっているため、新規開設の医療機関にも手厚い体制となっていると言えます。書類の様式やその他の情報は医療機関向けポータルサイトのFAQに公開されています。


オンライン資格確認の導入に活用可能な補助金

オンライン資格確認の導入の対象となるのは下記の場合です。

  • オンライン資格確認の導入に必要な資格確認端末の購入
  • 必要となるレセプトコンピューター、電子カルテシステムなどの既存システムの改修
  • レセプトコンピューター、電子カルテシステムなどに組み込むパッケージソフトの購入
  • オンライン請求回線の導入、既存のオンライン請求回線の増強

補助金の上限は病院ならびに薬局の規模で異なります。それぞれ詳しくみていきましょう。


病院

病院では、顔認証付きカードリーダーの導入台数によって補助金の上限が異なります。


顔認証付きカードリーダー導入数
上限額
補助率
1台
105万円
210.1万円を上限にその1/2
2台
100.1万円
200.2万円を上限にその1/2
3台
95.1万円
190.3万円を上限にその1/2

引用:医療機関等向けポータルサイト-5. 補助金申請


薬局

薬局では、大型チェーン薬局か、診療所又は大型チェーン薬局以外の薬局かで、補助金の上限と顔認証付きカードリーダーの導入数が異なります。大型チェーン薬局に分類されるのは、処方箋の受付がグループで月4万回以上のチェーン薬局のことです。


薬局分類
顔認証付きカードリーダー導入数
上限額
補助率
大型チェーン薬局
1台
21.4万円
42.9万円を上限にその1/2
診療所、大型チェーン薬局以外の薬局
2台
32.1万円
42.9万円を上限にその3/4

引用:医療機関等向けポータルサイト-5. 補助金申請


上記のとおり、補助率はおおむね1/2ですが、診療所・大型チェーン薬局以外の薬局のみ3/4となっています。なお、金額はすべて税込みです。

オンライン資格確認の補助金交付は2023年3月末までが対象

オンライン資格確認の補助金には申請期限があります。2023年3月31日までに補助対象事業を完了させ、同年6月30日までに申請をしなければなりません。

顔認証付きカードリーダーの導入や、補助金の申請を行う際は時間がかかるため、余裕を持って進めていくことが大切です。特に2023年の3月には導入する事業所が殺到することが予想されるため、2023年3月前には導入を完了するスケジュールを組むとよいでしょう。



オンライン資格確認設置方法について

顔認証付きカードリーダーの設置場所について解説します。上記でも触れましたが、オンライン資格確認ではマイナンバーカードを扱います。マイナンバーカードは非常に高度な個人情報のため、手で預かることはあまり好ましくありません。

また、顔認証も行うので、患者自身の操作による認証作業を行ってもらう必要があります。ですが、子供や車椅子を利用した患者などが来院した場合は、マイナンバーを機器に入れようとしても届かないなど、トラブルが起こる可能性があります。

どの患者も操作できるユニバーサルな設置場所の検討や、複数端末を導入する事前準備が必要になるでしょう。



オンライン資格確認の導入費用

オンライン資格確認の導入費用は、補助金の限度額範囲内で収まるとはかぎりません。ネットワーク環境敷設中にトラブルが発生すれば、作業時間が延びて限度額を超える費用になる可能性があるからです。

したがって、補助金に依存しすぎないよう、どの作業でどの程度費用がかかるのかを把握しておく必要があります。


資格確認端末関係
14.1~23.8万円
ネットワーク設定作業など
3.7~13.4万円
院内ネットワーク関連機器
1.1~8.3万円
レセプトコンピューターなどの既存システムの改修に係るパッケージソフトの購入・導入
8.9~24.7万円

引用:オンライン資格確認等システムの導入費用に係る留意点


費用は変動するため、あくまで目安ですが、25万円〜70万円が導入費用の相場です。トラブルが発生した場合や、ネットワーク回線が複雑で設定に時間がかかる場合は相場以上の費用になる可能性もあります。


オンライン資格確認の導入のメリット

オンライン資格確認を導入によって享受できる一番のメリットとして、資格確認事務の効率化が挙げられます。

資格確認事務をオンラインでリアルタイムに実施できるため、以下のような手間が削減できます。

  • 資格過誤によるレセプト返戻が減る
  • 保険証入力の手間削減

  • 一括照会により当日の確認作業が削減できる

  • 電子版お薬手帳と連携できる

また、オンライン資格確認を導入することで、患者さまの同意を得たうえで、薬剤や特定健診などの情報を閲覧できるため、患者さまの服薬指導に役立てることが可能です。

災害等の緊急時には、患者さまの童威を得ずに過去の薬剤情報等が確認できる措置があるため、迅速に適切な対応をすることができます。

レセコン等を導入しておらず、相談先がわからない方は、医療機関等向けポータルサイト掲載の「オンライン資格確認導入対応業者お問い合わせ先」をご確認ください。




オンライン資格確認を導入するデメリット

ここまで解説したとおり、オンライン資格確認を導入することで資格確認事務の効率化を図れることがわかりましたが、導入にはデメリットもあります。デメリットを把握することで、発生しやすいトラブルを事前に防ぐことが可能です。

オンライン資格確認を導入するデメリットとして次の3つが挙げられます。

  • 導入費用・ランニングコストの発生
  • 情報漏洩リスク
  • 問い合わせ対応

もう少し具体的にみていきましょう。

オンライン資格確認を導入する際、レセプトコンピューターや電子カルテといった既存システムの改修をはじめ、顔認証付きカードリーダーの購入、インターネット回線整備に対する費用が必要です。

また、インターネット使用料やセキュリティシステム料といった運営費用も発生することから、導入費用・ランニングコストがかかります。

オンライン化することで、個人情報流出のリスクが大きくなります。したがって、セキュリティ対策も実施しなければなりません。

ただし、高齢者の方は電子機器の操作やマイナンバーカードを使うことに慣れていない方を中心に問い合わせ数が増えてしまい、問い合わせ対応の負担が増す恐れもあります。また、従来の健康保険証を用いた保険資格確認も並行して行う必要もあるため、業務負担が増す可能性があります。

あらかじめマニュアルを整備したり、導入直後は問い合わせ要員を専属で用意したりと、問い合わせ対応に向けて準備をしておくことが大切です。



オンライン資格確認の現状と今後

オンライン資格確認の現状と今後を次の2項目に分けて紹介します。

  • オンライン資格確認の普及率
  • 2023年4月からオンライン資格確認の導入が原則義務化

それぞれ詳しくみていきましょう。


オンライン資格確認の普及率

2022年8月に厚生労働省が公表した「オンライン資格確認等システムについて」によると、オンライン資格確認の普及率は次のようになっています。


顔認証付きカードリーダー申込数
144,316施設/229,686施設
62.8%
準備完了施設数
72,917施設/229,686施設
31.7%
運用開始施設数
61,659施設/229,686施設
26.8%

引用:厚生労働省-オンライン資格確認等システムについて


2023年4月のオンライン資格確認の導入義務化を目指している厚生労働省保険局は、中間到達目標として2022年9月末時点でおおむね5割(約11.5万施設程度)の導入を目標としていました。

しかし、上記数値を見るかぎり申込数こそ6割を超えていますが、現場に導入ができ準備ができているのは3割程度です。実際に運用できている施設に限っては3割にも達しておらず、中間目標に全く到達していない状態です。

現状の進行速度だと、2023年3月末に6割程度にしか導入ができないため、導入速度を高めていく必要があります。


2023年4月からオンライン資格確認の導入が原則義務化

2022年6月7日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針2022)」 によって、2023年4月からオンライン資格確認の導入が原則義務化されます。義務化によってオンライン資格確認導入を促し、マイナンバーカードの保険証利用の推進と2024年度中の保険証発行の選択制導入を目指しており、最終的には保険証の原則廃止を目指すそうです。

また、オンライン資格確認システムの導入は医療DXや医療プラットフォーム基盤づくりにもつながっており、レセプトや電子カルテ情報への共有も視野に入れているといわれています。


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執筆監修者:CLINICS編集部
執筆監修者:CLINICS編集部
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