Case
これからの地域医療のスタンダード。待ち時間ゼロを実現したクリニックのDX戦略
宇都宮市で地域医療の重要な役割を担う「わたなべメディカルクリニック」。内科(循環器科を削除)を専門としながら、小児科や皮膚科、在宅医療まで幅広くプライマリーケアに対応し、夜間・休日診療も行うことで、あらゆる世代の健康を支える医療の窓口となっている。同院を率いる渡邊義人先生は開院以来、徹底したDXを推進。コロナ禍を機に「CLINICS」を導入し、業務効率と患者満足度の両立という難題に挑み続けている。本記事では、渡邊先生がいかにして「最大30分で7人」という驚異的な診察効率と「melmo決済率9割」を達成したのか、その軌跡と未来への展望を伺った。

旧システムの限界とDX化への課題感
CLINICS導入前、予約や会計周りではどのような課題がありましたか?
以前は父のクリニックでも使っていた古い電子カルテに、他社の予約システムを組み合わせて使っていました。しかし、システム間の連携がうまくいかず、予約システムで得た情報を結局アナログで電子カルテに手入力する必要があり、受付事務の大きな負担になっていました。「これは本当にDXなのか?」と、私自身も疑問を感じていたのです。結局、人の手が必要な部分が残り、人的コストが発生し続けている状況でした。
将来性への期待がCLINICS導入の決め手に
なぜ数ある電子カルテの中からCLINICSを選ばれたのでしょうか?
CLINICSカルテを導入したのは、コロナ禍の真只中です。オンライン診療でメドレーさんの名前が広く知られるようになった頃で、その勢いに注目していました。もちろん、クラウド型でどこでもカルテを確認できる利便性も大きかったですが、何よりも大きかったのは「将来性」です。他のクラウド型電子カルテと比較しても、メドレーさんのDXに対する姿勢や今後の成長性に最も可能性を感じました。当時はまだ搭載されていなかった機能も多かったですが、その将来性に期待して導入を決めました。今振り返っても、その判断は正しかったと感じています。
「患者満足度」と「経営効率」の両立を目指して
先生が目指している医療と、現在のCLINICSのフィット感はいかがですか?
結論から言うと、大変満足しています。私が常に意識しているのは、「患者さんの満足度」と「経営の効率性」という、ある種トレードオフの関係にある二つを両立させることです。例えば、一人の患者さんにかける時間が長くなるほど満足度は上がるかもしれませんが、経営効率は下がります。患者さん一人ひとりに時間をかけて診察することも医療のあるべき一つの形ですが、コロナ禍で発熱外来に受診できない患者さんが生じた当時の社会背景から、患者さんの医療へのアクセスを維持するため、一人でも多くの患者さんを診ることも医療の大切な側面だと認識しました。だからこそ、医師は医師にしかできない仕事に集中し、それ以外の業務は看護師や事務スタッフがDXの力を借りて効率化していく必要があると考えています。CLINICSというシステムを使うことで、その目標を実現していきたいと考えています。
地域に根ざし、患者と共に歩んだ成長の軌跡
コロナ禍を経て、患者数も大きく変化したのではないでしょうか?
そうですね。開業当初は、1日に患者さんが一人も来ない日もあり、「これはまずいぞ」という状況からのスタートでした。しかし、宇都宮市内で発熱外来を早期に受け入れたことで、地域の方々に認知されるようになりました。夜9時まで、そして日曜・祝日も診療している利便性も相まって、今では流行期になると予約制にしても120〜130人になります。
また、最近ではGoogleマップとの連携機能による効果も実感しています。マップ上で当院を見つけ、そのままシームレスに予約まで完結できるため、普段は病院にかかる機会の少ない大学生などの若い世代がその機能を利用して初診で来院してくれているのではないかと思っています。検索から予約までがストレスなく繋がる導線は、今の世代に選ばれるクリニックであるために欠かせないと感じています。

スタッフの働き方改革が、時間帯予約への移行を後押し
順番予約から時間帯予約へ移行されたのですね。
はい。当初は順番予約のシステムを使っていましたが、受付の終わりが見えず、スタッフの負担が非常に大きかった。残業を減らし、働きやすい環境を整えるためにも、時間帯予約への移行は必須でした。
加えて、最近実装された「予約日時変更機能」の効果も絶大です。以前はWeb予約はできても、変更やキャンセルの仕方が分からず、結局電話をしてくる患者さんが非常に多かったです。その対応で事務の手が止まってしまうことが課題でしたが、今では患者さん自身がアプリ上で完結できる。この機能一つで、日時変更に関する電話問い合わせは目に見えて減りました。スタッフが本来の業務に集中できる環境が整ったことは、大きな進歩です。
田舎でも実現できるDX melmo決済率9割達成の秘訣
患者さんへのmelmoアプリの導入で、苦労された点はありましたか?
当院は田舎にありますので高齢の患者さんもいらっしゃいますが、感覚としては75歳を超える世代の方々には、やはりアプリへの抵抗感は一部ありました。従来の電話予約や現金決済の動線も残すことで、高齢の患者さんへの配慮は残しつつ、一方で、30代〜50代のビジネス層や若い世代は、ホームページで案内するだけでスムーズにアプリを導入してくれました。
決済率が9割を超えていると伺いました。
はい、おそらく9割は超えていると思います。今年の1月から、Web予約時にクレジットカードの登録を必須にしたことが大きいですね。これにより、会員登録率が一気に上がりました。田舎のクリニックである当院で9割を超えているのですから、都会なら100%近くまでいけるのではないでしょうか。
決済効率化がもたらした、クリニック全体の生産性向上
クレジットカード決済の導入で、会計業務にどのような変化がありましたか?
劇的に変わりました。事務スタッフがお金を受け渡しする作業がなくなっただけで、業務効率は全く違います。お釣りの計算間違いもなくなり、両替のために銀行に行くこともゼロになりました。
加えて、最近案内のあったmelmo決済の普及に伴う決済手数料の引き下げについても、経営面で非常に助かります。当院のように決済率が9割を超えている場合、手数料の低減はダイレクトに収益性の改善に繋がります。機能面での進化だけでなく、利用実績をコスト面に還元してくれるメドレーさんの姿勢には、非常に満足しています。

一気通貫システムが生んだ「最大30分で7人」の診察フロー
業務効率化は、先生の診察にも影響を与えましたか?
もちろんです。Web予約、Web問診、そしてmelmo決済。この一気通貫のシステムがあるからこそ、現在の効率的な診察が実現できています。診察では私自身が算定項目を入力し、すぐに次の工程へ回す。それをスタッフがチェックし、そのまま決済へ流れる。このフローにより、最大で「30分で7人」という回転率を実現しています。このスピード感は、一気通貫のシステムがなければ決して実現できません。
AI要約機能も活用されているそうですが、使い勝手はいかがですか?
精度は本当に素晴らしいですね。感動しています。まるで大学病院の上級医が書くような的確な所見やアセスメントで、医師のカルテ記載を補完してくれるので、カルテ記載の質が上がりました。シュライバーの負担も大幅に減ったと聞いています。
さらなる進化への期待と、未来のクリニックへのメッセージ
今後、CLINICSに期待する機能はありますか?
決済手段の拡充や、AIが算定要件まで網羅して要約してくれるようになれば、医師はさらに安心できます。
最後に、これから開業される先生方へメッセージをお願いします。
新しいシステムの導入には心理的なハードルがあるかもしれません。その点、CLINICSは操作性が良く、デザイン性が高いクラウド型であるため、当院ではスムーズな移行ができました。そして何より、メドレーさんは現場の医師の声を真摯に聞き、日々システムを進化させてくれています。私が導入した時から、CLINICSは驚くほど進化しました。この「将来性」と「進化し続ける姿勢」こそが、CLINICSを選ぶ最大のメリットだと思います。