
【診療報酬はどのくらい?】オンライン診療の診療報酬について徹底解説します!
オンライン診療の診療報酬は度々改定されており、現在の診療報酬の体系がわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、オンライン診療の解禁時から現在までの診療報酬の変遷について紹介し、最新の診療報酬について解説します。
この記事を読むと以下のことがわかります。
- オンライン診療の解禁時から現在までの診療報酬の算定方法
- 新型コロナウィルス感染拡大に対する診療報酬の引き上げ
- 2022年度診療報酬改定の基本方針
- 対面診療とオンライン診療の報酬の違い
- その他、オンライン診療の導入にかかる費用
関連記事:【医療機関必見!】オンライン診療の特徴から導入方法までわかりやすく徹底解説!
目次[非表示]
- 1.オンライン診療とは
- 2.オンライン診療の診療報酬
- 2.1.2018年解禁時の診療報酬
- 2.2.2020年の改定時の3つの変更ポイント
- 2.2.1.①必要な対面診療期間の短縮
- 2.2.2.②慢性頭痛を対象疾患に追加
- 2.2.3.③「30分ルール」の撤廃
- 2.3.2022年度の診療報酬改定に向けた方針
- 2.3.1.改定の基本的視点
- 2.3.2.改定にあたっての基本認識
- 3.コロナウィルス感染拡大時の対応
- 3.1.診療報酬が2倍に引き上げ?
- 3.2.初診からオンライン診療が可能に
- 4.2021年時点のオンライン診療の診療報酬
- 5.オンライン診療導入にかかる費用
- 5.1.オンライン診療のシステム利用料
- 5.2.クレジットカードなどの決済システム利用料
- 6.まとめ
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オンライン診療とは
2018年4月、厚生労働省の診療報酬改定により「オンライン診療料」が新設されました。
オンライン診療とはスマートフォンやタブレット端末を通し、インターネット上で診察が受けられる診療方法です。
オンライン診療は新型コロナウイルスの感染拡大により、近年ニーズの高まっている新しい診療のかたちといえるでしょう。
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オンライン診療の診療報酬
オンライン診療の診療報酬は、段階的に改定されています。
2018年と2020年の2度に渡り大きく内容が変更されていますので、それぞれの改正点を確認していきましょう。
2018年解禁時の診療報酬
2018年から解禁されたオンライン診療ですが、当初は外来診療の点数が低い、算定が細かいなどの難点がありました。
そのためオンライン診療がなかなか浸透せず、2020年の診療報酬改定では算定要件が見直されることになります。
2020年の改定時の3つの変更ポイント
2020年におけるオンライン診療の診療報酬改定では、新型コロナウィルス感染拡大に対応すべく、オンライン診療の適用範囲が緩和されました。変更ポイントは次の3つです。
①必要な対面診療期間の短縮
オンライン診療を始めるために必要だった対面診療期間が、6ヶ月から3ヶ月に短縮。
②慢性頭痛を対象疾患に追加
定期的に通院が必要な「慢性頭痛」を対象疾患に追加。糖尿病や高血圧症、片頭痛なども保険の適用となった。
③「30分ルール」の撤廃
緊急時の対応について「該当の保険医療機関がおおむね30分以内に対面診療できる体制が必要」とされていた要件が撤廃。また夜間や休日の対応については、あらかじめ患者に他の医療機関でも対応可能と説明すればよいことになった。
2022年度の診療報酬改定に向けた方針
2021年11月時点で、2022年度の診療報酬改定は議論の段階です。
詳細は2021年12月にまとめられる予定ですが、改定の基本的視点・基本認識について、重点を置く予定とされている部分を簡潔にお伝えします。
改定の基本的視点
新興ウィルスなどにも効率・効果的に対応できる質の高い医療提供体制の構築。
上記を実現するための医師などの働き方改革等の推進。
改定にあたっての基本認識
基本認識 |
詳細 |
---|---|
新興ウイルスなどにも対応できる医療提供体制の構築 |
とくに地域における医療機能の強化・連携などの重要性が再認識された。 新興ウイルス等が発生したときの医療機関間などにおける役割分担や連携、関係者各位の柔軟な対応ができる体制確保が必要。 |
人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現 |
平均最高寿命が世界最高基準を達成する我が国では、2040年頃には65歳以上の高齢者の人口がピークを迎え、現役世代が一気に減少する見込み。 高齢者・意欲のあるものが活躍できるよう「全世代型社会保障」の構築が急務。 |
身近で安心安全・質の高い医療の実現 |
ニーズの多様化、医療需要に対する働き手の減少などをふまえ、医師等の働き方改革などを推進する必要がある。 ICT利活用をより一層進め質の高い医療サービスを実現すること。 創薬力を維持・強化し革新的医薬品を安定的に供給し続けること。 |
社会保障制度の安定性・持続可能性の確保等 |
時代にあわせつつ経済・財政との調和を図り、保険料などの国民負担、物価・賃金の動向、医療機関の経営状態などあらゆる状況を踏まえ、無駄を排除し医療資源の効率的な配分などを行って経済へも貢献すること。 |
引用元:次期診療報酬改定に向けた基本認識、視点、方向性等について
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コロナウィルス感染拡大時の対応
2021年8月には厚生労働省より、新型コロナウィルス感染拡大に対し、オンライン診療を用いた対策が講じられました。
これは自宅療養者などが新規に、または継続して治療できるよう、医療機関を介し患者を支援するものです。
具体的には自宅や宿泊療養の患者さまへのオンライン診療の報酬が引き上げられ、初診からオンライン診療が可能になっています。
診療報酬が2倍に引き上げ?
オンライン診療の普及に対する問題として、対面診療に比べるとオンライン診療の診療報酬が低い点があげられていました。
本対策により自宅や宿泊療養の患者さまへのオンライン診療の報酬は、初診・再診問わず2,500円を上乗せされ、再診でいえば約4倍の診療報酬になります。
初診からオンライン診療が可能に
新型コロナウィルス感染拡大に対する時限措置として、かかりつけ医であれば初診からオンライン診療ができるようになっています。
また厚生労働省では初診からのオンライン診療については2020年から検討が進められており、2021年8月時点では以下のような方向性で議論が進められています。
- 恒久的に初診からのオンライン診療を可能とする
- 医師が医学的に可能であると判断した範囲において、初診から電話やオンラインにより診断や処方をすることが可能
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2021年時点のオンライン診療の診療報酬
実際にオンライン診療を導入した場合の診療報酬について見ていきましょう。
オンライン診療には機材やシステムを導入する費用、各種システム利用料などがかかることも忘れてはいけません。
対面診療とオンライン診療の診療報酬比較
これまでの診療報酬を例とした場合、対面診療で420点ほどの内容をオンライン診療にすると240点ほど。
1点は10円ですから、オンライン診療では1,800円は安くなってしまう仕組みでした。
今回新型コロナウィルス感染拡大への取り組みとして、オンライン診療の診療報酬が2,500円上乗せされることになったため、オンライン診療と対面診療の診療報酬は、大きく変わらないところまできています。
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オンライン診療導入にかかる費用
オンライン診療を導入するには、オンライン診療を利用するためのサービスのほかに、パソコン・タブレット端末・ヘッドセットなど、医療機関の環境にあわせた機材が必要です。
また決済を行うための決済システム利用料もかかるため、これらの費用を合わせて検討することになります。
オンライン診療のシステム利用料
オンライン診療を利用するためのサービスは、無料のものから数万円のものまで複数あります。使いやすさやサポート、維持費の面もあわせて検討するとよいでしょう。
また患者に対しては、システム利用料として500円から1,000円程を請求する医療機関もあります。
クレジットカードなどの決済システム利用料
オンライン診療システムの多くの決済方法はクレジットカードです。
利用できるカードブランドや決済システム利用料は、医療機関で導入するオンライン診療サービスによります。
決済システム利用料については、患者の自己負担額に対して、約3.5~4%ほどに設定されているサービスが多いです。
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まとめ
オンライン診療は、はじめ診療報酬という面で課題がありましたが、診療報酬の引き上げなどの対策により、いまでは導入しやすい診療方法となっています。
2022年度に予定されている報酬料改定の基本方針案からも、今後の医療体制として新興感染症等や時代の流れに即した対応が求められていることがわかります。
オンライン診療はより柔軟な対応ができる診療方法として、これからも推進されていく可能性があるでしょう。