医療機関へ50万回の診察サポートしたメドレーによる オンライン診療の準備と成功の秘訣
今回は、令和4年度の診療報酬改定に向け、皆様のためになるようなオンライン診療の情報提供セミナーをレポート致しました。
目次[非表示]
オンライン診療の目的とは
オンライン診療とは、スマートフォンやPC、タブレットビデオチャットを通じて医師・患者間の診察を行うことです。患者様が抱えていらっしゃる課題を解決するものと捉えて下さい。
通院継続の阻害要因を取り除く事が主な目的です。 これにより、かかりつけ医の強化や、重症化 を防ぐことに繋がります。
これよりオンライン診療の現在地、制度・規制上の状態をご説明致します。
コロナ以降のオンライン診療の制度
・大規模な規制緩和により活用が広がった2020年。
・その広まったその活用状況を踏まえて今後の方針がじっくり検討された2021年。
・適切な制度変更に期待される2022年。
2020年の新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、これまでの臨床の現場が、一変しました。
厚生労働省より令和2年4月10日に発出された事務連絡、
「新型コロナウィルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取り扱いについて」(以下、4月10日事務連絡)
では、初再診における電話や情報通信機器を用いた「遠隔」での診察を認める以下3つの大胆な規制緩和が行われました。
1:オンライン診療の初診解禁
2:対象疾患の制限の撤廃
3:算定評価の部分的な底上げ
この規制緩和により、今まで 3〜5年かけて緩やかに規制緩和がされていくと予測をしていたものが1年で実施され、非常に多くの医療機関・患者がオンライン診療を利用することとなりました。
その中で、オンライン診療に対する喜び・便利だという声に加えて、課題も浮き彫りになりました。課題が浮き彫りになった2020年、課題への検討がなされた2021年だというふうに位置づけられると考えております。
2022年は本当に皆様が望むような形に近づく初めての年ではないかと思います。
患者のオンライン診療に対する認知度
コロナ前と感染拡大前後でどのような変化が起こったかご覧ください。左側のオンライン診療の図をみると、非常に認知度が広がりました。
オンライン診療という言葉が、メディアの特集などで非常に露出が増えました。それにより患者の認知も約27%増加しました。
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オンライン診療完全ガイドブック
オンライン診療を利用希望する患者の割合
オンライン診療を「使いたいか」を調査したデータです。
オンライン診療をコロナに関係なく使いたいかどうかという質問に対して、オンライン診療未経験者の方は約57%が、使いたいとポジティブな意見でした。
一方で、一度使われた患者は、オンライン診療を使いたいという意見が76%に跳ね上がることが分かります。これは、一度使って頂いた患者の満足度が高いことの表れです。
よって、オンライン診療の利用が進んでいない要因の一つと考えられている「患者のためにならないから」という要因は否定されると考えられます。もちろん、患者の症状や、疾患により様々な意見がありますが、総論として捉えて頂ければと存じます。
上記は、中医協の発表した報告書を元に作成した図です。オンライン診療を経験されたことがない患者・ある患者に対して意識調査を実施しました。
オンライン診療の経験がない患者は、約71%がオンライン診療を受けたいか分からない、もしくは受けたくないと回答しました。
一方で、一度オンライン診療を受けた経験がある患者は、約90%がオンライン診療を受けたいと回答し、回答が逆転することがわかります。
これらの調査結果から、一度オンライン診療を実施した患者は、継続してオンライン診療を希望するといえます。
オンライン診療導入するにあたってどんな準備が必要?
ここからは、オンライン診療を準備するにあたって必要なことについて解説いたします。
まず、オンライン診療の準備に必要なことを3つに区分しました。
① 申請・届出
② 院内体制
③ 患者案内
以上3つの中でも特に、オンライン診療をどのように患者に知ってもらうかを設計することが非常に重要です。
また、患者がオンライン診療を使いたいと思っても、オンライン診療のシステムが使いにくいと患者が離脱してしまいます。オンライン診療システムを使いやすい形に仕上げることも非常に重要なことです。
これはCLINICSオンライン診療を導入した際に、メドレーがサポートする事項を黒の太文字で表しています。
左側の申請・届出の部分は、メドレーが代理で申請することはできませんので、黒太字にはしておりません。しかし、受講すべき研修や、施設基準の届出についても、全てメドレーから医療機関の方々にお伝えし、サポート致します。
中央の院内体制は、医療機関の皆様に制度やシステムを理解していただくことと、院内のオペレーションを設計することを指します。この部分には、非常に時間をかけて行います。これは我々の強みであり、50万回診察※が行われた所以だと考えております。
また、院内体制の構築の構築において、対象ペルソナの設計も重要になります。どんな患者に、何のために使うのかといった、患者の解像度をしっかりあげることが、オンライン診療を患者に利用いただく為には非常に重要なことです。
最後に、患者様へのご案内です。まずクリニック・医療機関のホームページに流入チャネル・導線を作ることが重要です。最近では、LINE公式を使ったリッチメニューに、オンライン診療の予約ページに遷移できるボタンを作成する方法を多くの方が実施しています。
普段使っているアプリに通知が来る、確認できる、というのは非常に効果があります。LINE公式から出すメッセージの開封率は、メールに比べ何倍も大きいので、必ず目に触れてもらえることが特徴です。
例えば花粉症のシーズンに、耳鼻科様の場合、「オンライン診療で花粉症を診察できます」とメッセージを出します。LINEの更新のリッチメニューに組み込んでいるだけで、本来使ってもらいたい患者がアクティブになることがあります。このような作り込みも最近多くの実績が作れている部分です。
※2021年12月1日時点
オンライン診療のペルソナを明確させることが”カギ”
対象ペルソナを明確にする重要性を説いた、実例のエピソードをお話します。
このクリニックは都心部駅近にあるペインクリニックです。こちらのエピソードは、実際に患者様にしっかりオンライン診療の動機付けができたというお話です。
ペインクリニックは処方薬が準麻薬系の薬が多いため、どこでも処方を受けれるものではありません。そのため、処方薬を治療開始と同時に一気に出さず、慚増していくので、最初通院負担が積み上がりやすい懸念点があります。また専門医が近くにいないので、遠方から来院する患者が多いこともネックです。
・クリニックが家から遠い場合が多い
・何か他で代替をできるクリニックもない
・最初は少しずつ処方薬を慚増していく
このような理由から、”通える自信がなくなってきた”と中断されるということが非常に起きやすいそうです。しかし、そうして中断した場合の重篤化するリスクが比較的高い疾患の場合がほとんどだそうです。
そのため、そのような患者に使おうとペルソナをしっかり設計し、中断のリスクをそのまま患者に説明しました。
「家も遠いですし、すぐに近くで受けられないし、最初通院負担もかなりあるし、オンライン診療という手段がないと多分通いきれないかもしれません。」
ときちんと伝えられたそうです。そうすることで、「そうですね、そうかもしれません。」と、その場でアプリを登録される患者が非常に多いそうです。
オンライン診療を使い続けた結果として、オンライン診療は広まる、本来かかってもらいたい患者が離脱せずに済み、レセ枚数も含めて慚増することができたという先生のエピソードでした。
どういう患者にきちんと使うのか定めて、そのまま患者様に動機付けを説明するということが非常に重要ということです。
メドレーが提供するオンライン診療のサポート体制
最後に、メドレーが CLINICSオンライン診療を導入した医療機関に対してどのようなサポートをご提供しているか、というお話です。
メドレーはオンライン診療の提供ベンダーの中では、非常に特徴的な布陣をひいております。
はじめに、オンライン診療を導入後どう使うかを定め、ご提案するのが営業担当です。メドレー営業担当は医療機関様の状況に応じた、仮説を組むプロです。
次に営業担当と打ち合わせた内容を更に深ぼって、どう構築していくか専門で扱うチームが導入支援担当です。メドレー導入支援担当は、その仮説をより良いものに実現させるためのプロです。
最後は使い続けていただくために更にどうすればいいか、例えば患者様のお問い合わせにどう対応したらいいのか、など対応するサポート担当です。
サポート担当はオンライン修理を開始していただいてから、医療機関様もそうですし、患者様には一切迷いやお困りごとがないようにするためのプロです。
この3つの部で専任制を強化して、対応しています。
医療機関がオンライン診療を導入・診療開始するまでの、導入支援担当のサポートスケジュールを示しております。、この目的は万全の体制を作るために周到な先回り準備で設計をすることにあります。
まずは初回サポートとして面談をします。その後、全体の概要の理解と今後のスケジュール、何をお互い準備して、何をいつまでに決めるのか全体のデザインの打ち合わせをします。そこで決まったことを月の設定面談までにこなしていきます。
月の設定面談では、
・オンライン診療を使うための予約ページや
・予約時間枠
・診療メニュー
・アカウントの権限付与
・診療メニュー
の文言を一つ一つ作り上げて、ページに入れます。そこから、改めて保険制度・診療報酬改定・ガイドラインも含めてご説明します。
例えば、運用の作り込みをしていく中で、先生やスタッフの方々からやりたいとなった場合、保険制度やガイドライン上適切かどうか照らしあわせ、説明・キャッチアップして頂くためのお話をします。その次はシステムの操作説明であったり、一連のオペレーションを回していきます。
デモ診察や操作説明も含めて、皆様に体験いただく機会を作ります。大きく分けるとこの流れでスタートしますが、スタートして少し時間経過した後、サポート面談を行います。
我々は、ただ単に導入してもらうことがゴールではなく、しっかり使っていただいてオンライン診療という手段を世の中に広めていくことが一番重要だからです。
そのため、使って頂くために課題をしっかり把握し、打てる手は全て打たせて頂くため、サポート面談も実施しています。振り返り面談に近いですが、使ってみてどうだったとか、使って気付くこともあると思いますので、すり合わせをしたり、ご提案する機会を頂戴してます。
また、調剤薬局様向けのサービスもあります。患者様が一つのアプリでオンライン診療を受けたとき、その同じアプリを使ってオンラインで服薬指導を受けることができます。
服薬指導を受け、フォローアップという形でお薬を飲んでいる状況や変化を、薬局がしっかりと把握するための機能も開発いたしました。なので、非常に便利でかつ、患者にしっかり健康管理に参加していくための仕組みを作ることができます。
そのためオンライン診療の活用が上手く行った場合、次のステップとして、良いデジタルシフトをしていきましょうと服薬指導のご提案をさせていただくこともあります。また、低調サポートは医療機関様から出す対応をし、患者のお問い合わせ窓口で、患者が予約できないなどの問題も一つ一つ我々が対応します。
\ オンライン診療を始めるための46のチェックリスト付き /
オンライン診療完全ガイドブック