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クリニック物件の種類|それぞれのメリット・デメリット

クリニックを開業しようと思いつつも、どういった物件を選べば良いか悩んでいませんか。

物件にはさまざまな種類がありますが、それぞれの特徴を理解しないといけません。

この記事では、クリニック物件の種類と立地に分けてメリット・デメリットを解説します。

開業を考えている方は、ぜひ記事を参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.クリニック物件の種類
    1. 1.1.テナント開業
      1. 1.1.1.テナント開業のメリット
      2. 1.1.2.テナント開業のデメリット
    2. 1.2.戸建て開業
      1. 1.2.1.戸建て開業のメリット
      2. 1.2.2.戸建て開業のデメリット
    3. 1.3.医療モール
      1. 1.3.1.医療モールのメリット
      2. 1.3.2.医療モールのデメリット
    4. 1.4.居抜き物件開業
      1. 1.4.1.居抜き物件のメリット
      2. 1.4.2.居抜き物件のデメリット
  2. 2.立地で選ぶクリニック物件
    1. 2.1.都市部の物件を選ぶメリット・デメリット
    2. 2.2.郊外の物件を選ぶメリット・デメリット
    3. 2.3.駅前の物件を選ぶメリット・デメリット
    4. 2.4.住宅街の物件を選ぶメリット・デメリット
  3. 3.まとめ

クリニック物件の種類


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クリニック物件には、大きく分けて以下の4種類があります。

  • テナント開業
  • 戸建て開業
  • 医療モール
  • 居抜き物件開業

それぞれのメリットとデメリットを押さえつつ、どの方法で開業するかを決めましょう。

テナント開業

テナント開業とは、商業施設やオフィスビルといった物件を借りて開業することです。

特にオフィスビルを借りて開業した場合は、ビル診(ビル診療所)とも呼ばれています。

物件を所有しているオーナーと賃貸借契約を交わし、賃料を支払いながら経営するのが特徴です。

テナント開業のメリット

テナント開業のメリットは、戸建てと比べて初期費用を抑えやすい点です。

土地や建物を一から購入するとなれば、高額の予算を確保しなければなりません。

テナント開業であれば初期費用が比較的安いため、金融機関から融資を受けやすいといえます。

また、実際に開業したものの、長期的に経営を続けていくなかで移転や撤退するケースもあるでしょう。

移転先で不動産をさらに購入すれば、二重にローンを借りるケースも考えられます。

しかし、撤退を選んだとしても、二重にローンを借りるのではなく、まずは一度借りたローンを返済するのが先決です。

この点、テナント開業であればローンによる制約がない分、自由が利き、戸建て開業よりも移転や撤退のハードルが低いといえます。

一方でオーナーとの契約によっては、移転時に制約がかかることもあるので注意しましょう。

テナント開業のデメリット

テナント開業のデメリットは、借りる物件次第で賃料が高くなることです。

初期費用は抑えられるものの、ランニングコストには注意しなければなりません。高いランニングコストは長期的な経営の圧迫にも繋がります。

ほかにもオーナーと契約を結ぶなかで、更新が認められないことも考えられます。仮に契約更新が認められなければ、基本的には事業の継続ができません。

長期の目線で考えると、自由度の高い戸建て開業がふさわしい場合もあります。

戸建て開業

戸建て開業は、戸建ての施設で開業する方法です。

不動産を新しく購入して開業する場合は、土地と建物の双方を購入するケースもあれば、土地は賃貸で建物のみを購入する場合もあります。

戸建て開業のメリット

戸建て開業は、内装や設計を自由に決められるのがメリットです。自分の思い描いたデザインで設計できるため、理想に合った空間を手に入れられます。

クリニックを開業するにあたって、内装や設計の部分にまでこだわりを持っている方におすすめです。

ほかにも土地を購入すれば、駐車場が確保しやすくなるといったメリットもあります。

広めの土地を購入したり、駐車場をきちんと整備したりすれば、患者の利便性向上も期待できます。

戸建て開業のデメリット

戸建て開業のデメリットは、開業するにあたって多額の初期費用が必要になる点です。

多くの方は金融機関からローンを借りるため、長期的な返済計画が必要です。

移転や撤退の際には、ローンに縛られて自由が利きにくくなる可能性もあります。

たとえローンをすべて返済したとしても、ランニングコストがなくなるわけではありません。

不動産の所有を続けていれば、修繕費や固定資産税および都市計画税といった税金が発生します。

開業する際には、これらのランニングコストも視野に入れることが大切です。

医療モール

医療モールとは、診療科目が異なる複数のクリニックが集積している施設を指します。

人口の多い地域で形成されるのが一般的で、東京都・大阪府・神奈川県といった都市部でよく見られます。

これに対して、戸建てのクリニックが集中している地域は、医療ビレッジとも呼ばれています。

医療モールのメリット

医療モールのメリットは、患者にとってアクセスしやすいことです。

複数のクリニックが併設されているため、別の診療科目に訪れた人にも認知されやすいといった強みを持ちます。医療モールに来る人数が多ければ、効率の良い集患を見込めるでしょう。

加えてほかのクリニックと連携が取れる点も、医療モールならではの強みです。患者の症状のなかには、ほかのクリニックでの受診が必要になるケースもあります。

医療モールはクリニック同士が1カ所に集中しており、患者を別のクリニックへスムーズにつなげられるのが特徴です。

医師やスタッフ同士の連携も取りやすく、交流を深めておけば困ったときに相談し合えます。

以下の記事では、医療モールでの開業についてさらに詳しく解説しています。

医療モールのデメリット

医療モールのデメリットは、施設を利用する際に細かいルールを課される可能性が高いことです。

周囲のクリニックと一緒に運営するため、科目や診療時間などに制限が生じる場合もあります。

設備やデザインを自由に決めるのも難しいでしょう。

さらにほかのクリニックの医師やスタッフと積極的に交流できる反面、人間関係に悩まされやすい点もデメリットの一つです。

自分のペースを乱さずに経営したい方には、ストレスがかかることもあります。

居抜き物件開業

居抜き物件開業とは、使用されなくなったクリニックを再利用する方法です。

例えば以前にテナント物件で運営していたクリニックが設備や医療機器を残して撤退し、他のクリニックが物件をそのまま使うといったケースが挙げられます。

居抜き物件のメリット

居抜き物件は、以前使われていた設備や医療機器を再利用できるため、戸建てと比べて初期費用を抑えられるのがメリットです。

設備や医療機器は高額になるケースも多く、すべて取り揃えるのが難しいと感じる方もいるでしょう。

なるべく経済的な負担をかけずに開業したい方へおすすめです。

ほかにも以前のクリニックの認知度を、そのまま生かせるところも強みの一つです。

以前のクリニックに通っていた方であれば、大抵は場所も把握できています。このような患者もターゲットとなるため、集患の効率アップを見込めます。

居抜き物件のデメリット

居抜き物件は、内装のデザインが制限を受けやすい点がデメリットです。

自由な内装デザインを望むのであれば、大々的なリフォームをしなければなりません。構造上の制約を考慮すると、新しく建てたほうが良いケースもあるでしょう。

加えて従前のクリニックの評判が悪かった場合、不当に評価を下げられる恐れもあります。

同じ場所というだけで、「どうせ経営方針は同じだろう」と考える患者もいるためです。居抜き物件を使う際には、従前のクリニックのことも調べることをおすすめします。

立地で選ぶクリニック物件

クリニックの物件を選ぶうえでは、立地も無視できない要素となります。

その地域の特性に合わせて、クリニックを経営する必要があるためです。

ここでは都市部・郊外・駅前・住宅街の4つに分け、それぞれの場所で開業するメリット・デメリットを紹介します。

都市部の物件を選ぶメリット・デメリット

都市部は郊外と比べて人口が多く、患者に認知してもらいやすい点がメリットです。

全体的にアクセスが良いため、患者にとっても利用しやすいでしょう。

都市部を訪れた観光客が、突然体調を崩して訪ねてくることもあります。

一方で都市部で開業すると、郊外よりも競合が多くなる点に注意が必要です。

診療科目が同じであるライバルのクリニックの評判が良いと、集患に苦労するケースも考えられます。

加えて都市部は、不動産価格や家賃も高い傾向があるので、これらを視野に入れたうえで判断しなければなりません。

郊外の物件を選ぶメリット・デメリット

郊外の物件は、競合が都市部と比べると少ない傾向にあります。

そのため一度患者が訪問すれば、よほど評価を落とさない限りは、リピーターになる可能性が高まります。

ほかにも都市部と比べれば、不動産価格や家賃といったランニングコストが低くなる傾向にあります。

しかし郊外は、アクセスが悪く人口も少ないのがデメリットです。

遠方からクリニックに来る確率は都市部より低く、ターゲットが狭くなります。

少子高齢化が進む地域では、集患の難易度が年々上がっていくかもしれません。

駅前の物件を選ぶメリット・デメリット

たとえ郊外でも、駅前の物件を選ぶことで集患の効率が高まります。

電車や地下鉄で簡単にアクセスできるため、スタッフの通勤にも便利です。

加えて駅前にはビルが多く並ぶことから、テナント物件を見つけやすいといったメリットがあります。

ただし駅前は、ほかのクリニックにも人気が高く、競合も増えてしまうのがデメリットです。すでに評判の良いクリニックがあると、集患の難易度は上がります。

駅前の不動産価格は高い傾向にあるため、集患に苦労し赤字経営を強いられる恐れもあります。

住宅街の物件を選ぶメリット・デメリット

住宅街の物件を選ぶメリットは、患者と医師が良好な関係を築きやすい点です。

駅前よりは競合も少なく、近隣の患者に認知されやすくなります。のどかな場所で開業し、自分のペースで経営したい方には特におすすめです。

しかし住宅街は全体的にアクセスが良いとはいえず、集患が課題の一つとなります。

遠方からの来訪は望みが薄いため、近隣住民との信頼関係が大切です。

近隣住民からの評判を落とさないためにも、接遇には十分気を遣いましょう。

また近くに調剤薬局がないケースも多く、経営するうえで不便に感じる方もいるでしょう。処方箋は全国の薬局で受付できますが、在庫などの問題もあるため、入念に連携を図る必要があります。

まとめ

クリニック物件には、テナント開業・戸建て開業・医療モール・居抜き物件などの種類があります。

各方法の特徴について押さえつつ、両者をうまく比較しながら物件を決めることが大切です。

ほかにも物件の形態だけではなく、立地にも目を向けなければなりません。

長期的な視点を持ちつつ、どのような形で開業するかを慎重に選びましょう。

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執筆監修者:村田 卓也
執筆監修者:村田 卓也
(株式会社メドレー 医科診療所事業部 事業戦略室) メドレーでは、フィールドセールスマネージャーを務めチーム育成や営業戦略立案・実行に従事。診療所向けSaaS(診療システムCLINICS)の拡販を牽引し年間数百件の新規導入に関わる。現在は、「戦略推進室」にて、事業部の販売戦略とプロモーションを担うミッション担う。今後も現場と市場をつなぐ推進役として価値提供に努めてまいります。

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