CLINICSカルテの料金・価格・費用

catch-img

医療モールとは?役割やメリット・注意点まで詳しく解説!


独立開業を考える医師のなかには「医療モールでの開業にはどのようなメリットがあるのか」「医療モールは開業場所として選択肢になりうるのか」などと、考えている方も多いのではないでしょうか。医療モールでの開業は、メリットや注意点を把握したうえで話を進めないと、後悔につながる可能性があります。

そこで本記事では、医療モールの役割や開業時のメリット、注意点に至るまで徹底的に解説します。開業準備の一助として、ぜひご覧ください。



目次[非表示]

  1. 1.医療モールとは
    1. 1.1.形態
      1. 1.1.1.ビル全体が医療機関の「医療ビル」
      2. 1.1.2.戸建てのクリニックが集まる「医療ビレッジ」
      3. 1.1.3.ショッピングモール内に併設する「医療モール」
    2. 1.2.施設数
    3. 1.3.オーナー
  2. 2.医療モールの役割
  3. 3.医療モールで開業するメリット
    1. 3.1.集患がしやすい
    2. 3.2.費用の負担を軽減できる
    3. 3.3.資金調達がしやすい
    4. 3.4.モール内での連携がしやすい
  4. 4.医療モールで開業する際の注意点
    1. 4.1.自由度が低い
    2. 4.2.モール内の人間関係
    3. 4.3.患者の取り合いが生じる可能性がある
  5. 5.おさえておきたい立地・物件選びのコツ
  6. 6.まとめ


事業計画書テンプレート


医療モールとは

医療モール(クリニックモール)とは、内科や外科、小児科など、さまざまな診療科と薬局が一つの建物に集まっている施設を指します。

複数の診療科と薬局が一箇所にまとまっているため、患者にとってはさまざまなメリットをもたらします。例えば、一つの場所で複数の医療サービスを受けられるため、移動や待ち時間の削減が可能です。

さらに、異なる診療科が近接しているため、緊急の場合や専門的な診断が必要な場合にもスムーズに対応できます。

形態

医療モールの形態は3種類にわけられます。以下の項目に沿って詳しく解説するため、参考にしてください。

  • ビル全体が医療機関の「医療ビル」
  •  戸建てのクリニックが集まる「医療ビレッジ」
  • ショッピングモール内に併設する「医療モール」

ビル全体が医療機関の「医療ビル」

医療ビルは、内科や外科、小児科、調剤薬局などが一つの建物に集まった医療施設です。商業施設と異なり、最初から医療の提供を目的に設計されています。

そのため、医療従事者が使いやすいように配慮されているのが特徴です。また、バリアフリー設計のケースも多く、車椅子や杖を使う患者も利用しやすい環境が整っています。

戸建てのクリニックが集まる「医療ビレッジ」

医療ビレッジは、戸建てのクリニックが一つの場所に集まった施設です。建設段階から医療施設としての利用を前提に設計されており、内外装が統一されています。

医療ビレッジは、各クリニックが個別に駐車場を持つケースは少なく、共有の駐車場を設けるほうが一般的です。

ショッピングモール内に併設する「医療モール」

医療モールとは、ショッピングモールなどの一角に医療施設が集まったスタイルを指します。商業施設内の一部になっているため、買い物のついでに医療施設を利用する方も少なくありません。

また、地域の住民にとっても親しみやすく、利用しやすい環境が特徴です。医療モールは、医療を提供する場所としてだけでなく、日常の暮らしに密着した便利な場所にあるため、多くの人々に利用されやすいといえるでしょう。

施設数

医療モールとしての施設数は集計されていません。ただし、厚生労働省が発表した「令和4年(2022年)医療施設動態調査」によれば、一般診療所の総数は105,182施設であり、前年度に比べて890施設の増加が報告されています。

一方で、病院や歯科診療所の数は減少傾向にあり、一般診療所のニーズは高まっている状況です。医療モールを含む一般診療所が、地域の医療ニーズに応える重要な役割を果たしているといえるでしょう。

出典:厚生労働省「令和4年(2022)医療施設動態調査」(20231031)

オーナー

医療モールのオーナーは、調剤薬局を運営する企業か、または調剤薬局を運営する企業と提携しているケースが多くみられます。よって、医療モールの情報は主に調剤薬局が掲載している場合がほとんどです。物件の問い合わせや内覧、賃料交渉などを担当し、不動産業者と同様の役割を果たしています。

調剤薬局の収益源は医療機関からの処方箋です。医療モールは薬局にとっても重要な開業場所であるため、オーナーとの連携が成立しています。

なお、調剤薬局と上手く連携を図れると、多くのメリットが得られます。例えば、開業医が専門外の薬剤について気軽に相談できるほか、オーナーとの交渉の際に補助を受けたり、開業後の集患活動における内覧会の運営についてアドバイスを得られたりとさまざまです。


事業計画書テンプレート


医療モールの役割

医療モールの役割は、患者に対する総合的な初期医療と専門医療の提供です。駅からのアクセスに優れた立地に医療モールがあると、患者は一度に複数の治療を受けられます。

医療モールでの開業は、単独で開業しているクリニックと異なり、専門性の高いクリニックが複数集まっています。そのため、患者にとっても利便性が高いことから、都心部を中心に増加傾向にあるのが現状です。


事業計画書テンプレート


医療モールで開業するメリット

医療モールで開業する際のメリットを下記の4つにわけて解説していきます。

  • 集患がしやすい
  • 費用の負担を軽減できる
  • 資金調達がしやすい
  • モール内での連携がしやすい

集患がしやすい

医療モールで開業すると、集患に関する負担を軽減できます。医療モールは、大型商業施設やショッピングモールの近くに併設されているケースが多く、地域住民の目につきやすい点が大きなメリットです。

また、医療モールであれば商業施設の一角に入っているため、買い物と併せて利用できます。集患するためには、まず認知度を高める必要がありますが、医療モールは一目につきやすい場所や、地域住民の利用が多い施設の中に併設されるケースが多いため、集患のしやすさはメリットです。

費用の負担を軽減できる

医療モールでの開業は、建物が医療施設を前提に設計されているため、駐車場やトイレなどへの初期投資を抑えられます。費用の負担が軽減できれば、院内の設備に投資できるため、患者の満足度向上につながります。

さらに、医療モールでは開業までの賃料が無料となるフリーレント制度が設けられている場合もあります。開業準備期間は支出が多くなるため、家賃の負担を軽減でき、開業がよりスムーズに行える環境が整っている点も大きなメリットです。

資金調達がしやすい

医療モールでの開業は、資金調達がしやすい点もメリットです。開業医は、専門のコンサルタントからのサポートを受けながら、具体的な事業計画を立てられます。事業計画は金融機関にとって、業績を判断する重要な資料のため、スムーズに資金調達できる可能性が高くなります。

モール内での連携がしやすい

医療モールでの開業は、周辺のクリニックと連携を図りやすさがメリットです。医療モールには、専門性の異なる診療科が入るケースが多いため、クリニック同士の連携が取りやすく、患者に最適な診療科を紹介できます。例えば、内科で糖尿病を指摘した際、モール内に眼科があれば、そのまま眼底検査を受けるよう指示するケースが考えられます。

ほかのクリニックとの緊密なコミュニケーションを通じて良好な関係を構築できれば、患者に最適な医療をスピーディに提供できます。


事業計画書テンプレート


医療モールで開業する際の注意点

医療モールで開業する際の注意点として、以下の3点を解説します。

  • 自由度が低い
  • モール内の人間関係
  • 患者の取り合いが生じる可能性がある

自由度が低い

医療モールの開業では、すべてを自分の裁量で決められるケースは稀です。設計や工事などは、特定の業者との契約が必要な場合があります。開業を検討する際には、内見の際に医療モール・テナントを紹介してくれる企業の担当者に十分なヒアリングを実施し、その場所での開業が自分に合っているかどうかの検討が重要です。

なお、特定の1社に依頼すると価格が高騰する可能性があるため、2社以上に相見積もりを取るようにしましょう。

モール内の人間関係

医療モールでの開業を目指す医師のなかには、厳格な医局の上下関係を超えて理想の医療を実現したいと考えている方もいるかもしれません。医療モールには、医局のような上下関係はありませんが、ほかのクリニックとの連携が取れないと、医師間の情報共有や患者の紹介が円滑ではなくなってしまう可能性があります。

そのため、同じ医療モール内で、診療方針が異なる医師がいたとしても、積極的にコミュニケーションを図り、良好な人間関係を構築する努力が必要です。

開業前には、すでに医療モール内に存在するほかのクリニックの医師について事前に情報収集するようにしましょう。ただし、自分で収集できる情報には限界があるため、地元の医療機関に精通している開業コンサルタントなどとの連携も有益です。

患者の取り合いが生じる可能性がある

医療モール内に、同じ診療科(例えば内科や消化器内科など)が複数存在する場合は、患者の取り合いが生じる場合があります。

ほかにも、秋口から始まるインフルエンザの予防接種に関して、内科や小児科などのクリニックが競合するケースも見受けられます。このような事態を避けるには、医療モール内の他施設がどのような診療を提供しているかを確認し、自身の診療コンセプトと重複がないかの事前チェックが重要です。


事業計画書テンプレート


おさえておきたい立地・物件選びのコツ

開業を目指す医師にとって、適切な立地と物件の選定は極めて重要です。以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

ポイント

内容

診療圏調査を行う

  • 人口密度や競合医療機関の有無
  • 患者の移動範囲の分析

形態を決める

  • 内科や小児科など診療科を選定
  • 専門的な領域に特化するか、幅広い診療を提供するかなど、事業形態の明確化が重要

足を動かす

  • 立地や物件の情報を得るため、実際に現地を訪問
  • 地域の雰囲気やアクセスの状況を確認し、将来のクリニックの成功につながる最適な場所かを判断
  • 現地でのネットワーキングや地元の情報収集も重要

関連動画:【開業医必見】クリニック開業で後悔しない物件選びのコツ3選 - YouTube



事業計画書テンプレート

​​​​​​​



まとめ

医療モールでの開業は、地域の住民に認知されやすく、患者を集めやすいメリットがあります。ただし、同じ診療科が入っている場合には、患者の取り合いが起きる場合があります。また、業者選択の自由が制限される可能性も否定できません。

医療モールでの開業を考えている方は、メリット・デメリットを考慮したうえで、最適な立地や場所を選ぶようにしましょう。

CLINICS編集部

CLINICSカルテに関して、
ご不明な点がございましたらお気軽にお問合せください。

お問い合わせ

CLINICS専任スタッフが、導入方法や機能活用方法など丁寧にお答えいたします。

医院経営に役立つ情報配信中!友だち追加でお役立ち情報を受け取る

人気のダウンロード資料

画像をクリックすると
ダウンロードページに移動します
CLINICSカルテ概要資料

セミナー・デモのご案内

CLINICSカルテの画面や操作感を実際にご体験いただけます

週間人気記事ランキング


記事検索


タグ一覧