【開業医必見】クリニックの集患施策を徹底解説!オンライン・オフラインの具体策をお伝えします
クリニックを開業したものの思うように集患できず、なかには経営に不安を抱えている院長もいるかもしれません。
クリニックの集患に効果的な施策は、インターネット上でアプローチする「オンラインの施策」と、インターネット以外でアプローチする「オフラインの施策」があります。網羅して実行して改善を重ねれば、クリニックへの集患が期待できます。
本記事では「クリニックの集患に効果的な施策」と「集患対策の効果を上げるためのポイント」を解説します。クリニックの集患対策にお役立てください。
目次[非表示]
- 1.クリニックの集患に効果的な施策
- 1.1.オンラインの施策
- 1.1.1.ホームページ制作
- 1.1.2.SEO対策
- 1.1.3.MEO対策
- 1.1.4.病院検索サイトへの登録
- 1.1.5.リスティング広告の出稿
- 1.1.6.SNS運用
- 1.1.7.院長自身が予約〜来院までを一度体験する
- 1.2.オフラインの施策
- 2.クリニックの集患対策の効果を上げるためのポイント
クリニックの集患に効果的な施策
クリニックの集患に効果的な施策は、次の2種類です。それぞれの施策について解説します。
- オンラインの施策
- オフラインの施策
オンラインの施策
オンラインの施策は、オンライン上で患者にアプローチして集患につなげる施策です。
近年、スマートフォンやパソコンなどを使用してインターネットを利用する時間が増えています。2022年に総務省が実施した調査によると、全年代の平日のインターネット平均利用時間は175.2分でした。2012年の時点では71.6分だったため、インターネットの利用時間は10年間で倍以上に増加しています。
このような背景から、オンライン上でのマーケティングの重要度は増しています。クリニックの集患に有効なオンライン施策は次の7種類です。一つずつ解説していきます。
- ホームページ制作
- SEO対策
- MEO対策
- 病院検索サイトへの登録
- リスティング広告の出稿
- SNS運用
- 院長自身が予約〜来院までを一度体験する
参考:総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
ホームページ制作
情報収集にインターネットを活用する方が多いため、クリニックのホームページ制作は必須です。ホームページでは、クリニックや医師・スタッフの紹介、診察内容、診察時間、アクセスなどを記載し、来院前の患者が求めている情報が確認できるようにします。
患者がクリニックを探しているタイミングで貴院のホームページがヒットすれば、受診先の選択肢に加わるでしょう。反対に「クリニック名は知っているけれどホームページが見つからない」「ホームページに知りたい情報が載っていない」といったケースでは、受診先の選択肢から外れる可能性があります。
なお、ホームページを制作する際は、ほかの医療機関のホームページと比べて個性を出し過ぎないようにしましょう。記載内容やボタンの位置は、規定に沿った形の方が読まれやすい傾向にあります。
ホームページ制作時は企業と相談し、読まれやすさを意識して制作しましょう。
SEO対策
SEO対策はGoogleなどの検索エンジンで検索された際に、検索結果の上位に表示されるための施策です。
検索順位が1位になった場合、検索結果を見た方の20~30%がクリックします。一方で検索順位が10位だと1%に低下するため、20~30倍アクセス数が変わります。上位表示された場合、広告費を支払わなくてもホームページが閲覧されるため、利益率の高い施策です。
SEO対策では「どのキーワードで上位表示したいか」を考えたうえで対策する必要があります。数あるキーワードのなかで、集患に即効性があるキーワードは「疾患+エリア名」です。
例えば内科の診療を行っている場合「腹痛+○○市」などのキーワードで上位表示を目指せば、緊急性が高い患者の受診につながります。
特定のキーワードで上位表示するには、必要な情報が掲載されている高品質な記事の作成が必要です。また、上位表示されているページを確認し、同様の内容を自院のホームページに含めると情報の網羅性が増します。
以下の動画では、SEO対策について詳しく解説しています。SEO対策について理解を深めたい方はぜひご覧ください。
▼動画で確認したい方はこちらをご覧ください
MEO対策
MEO対策とは、Googleマップでクリニック名が検索された際に上位表示させるための施策です。対策していないクリニックが多い傾向にあるため、MEO対策を実施すれば競合クリニックより優位になる可能性があります。
Googleマップでクリニック名を検索し、自院の写真や予約サイトURL、電話番号などが掲載されているかを確認し、足りない情報をGoogleマイビジネスに入力しましょう。
なお、自院の表示結果は、Googleマップで「最寄り駅+クリニック」「最寄り駅+皮膚科」のようなキーワードで検索すれば確認できます。まずは、現在の表示内容に問題がないかどうかチェックしてみましょう。
以下の動画ではMEO対策について詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
▼動画で確認したい方はこちらをご覧ください
病院検索サイトへの登録
病院検索サイトへの登録により、自院をより広く知ってもらえます。例えば、CLINICSプロモーションやEPARK、病院なび、ドクターズファイルなどの病院検索サイトがあります。
CLINICSプロモーションでは、全国のクリニック・病院の検索や予約が可能な「CLINICS」を通じて貴院の認知度向上・情報発信を支援します。
「CLINICS」は年間総予約数が約150万回(※)のクリニック・病院検索サイトです。医療機関情報や治療方針を発信できるため、患者の理解度向上を促進します。さらに患者はサイト上で簡単に予約できるため、予約プロセスの利便性が向上します。
詳細はこちらをご覧ください。
※ 2022年1月~12月の実績回数。アプリ会員、非会員の診療/服薬指導予約数合計(診療形態は問わない)
リスティング広告の出稿
リスティング広告は、Googleなどの検索エンジンで検索されたキーワードに連動して表示される広告です。検索結果の上部に「スポンサー」と記載があるページがリスティング広告に該当します。
自院ホームページの閲覧数増加が期待できる一方で「広告パフォーマンスのチェックや調整」「キーワードや広告文の最適化」といった手間がかかります。
また、医療機関における広告規制の指針を定めている「医療広告ガイドライン」では、以下の要件を満たす場合は医療広告規制の対象になると定められています。
- 患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)
- 医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)
出典:厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(案)」
リスティング広告に記載できるのは「医師または歯科医師である旨」「診療科名」「クリニックの名称」「提供できる医療の内容」などの内容です。
医療広告ガイドラインに違反した場合、是正勧告や立入検査を受けるケースがあります。リスティング広告の広告文の内容や表現方法には十分注意しましょう。
SNS運用
SNS運用では、X(旧Twitter)やInstagram、Facebook、LINEなどのSNSを活用して集患を目指す施策です。
SNSではフォロワーを増やすよりも、普段来院する患者を対象に「疾患に対する詳しい説明」や「自院で提供している治療の紹介」といったコンテンツ内容をメインに運用しましょう。患者にとって役立つ情報を発信すれば、自院に対する信頼度が高まります。
なかでもLINEは、クリニックの予約ツールとして活用可能です。公式LINEアカウントを開設し、通院患者を対象に「ワクチンのお知らせ」や「休診日の連絡」「最新医療機器の導入告知」などを提供すれば集患につながります。
院長自身が予約〜来院までを一度体験する
院長自らが、自院の予約~来院までを体験しましょう。体験すると、患者が不便さを感じる部分や集患の妨げになっている部分が把握でき、来院までのプロセスの改善に役立ちます。
予約~来院までの体験時には、以下の内容を確認しましょう。
- ホームページから予約をスムーズに取れるか
- 迷わずに欲しい情報にたどり着けるか
- 検索した結果の情報が間違っていないか
患者の目線にたち、ホームページや検索結果などの改善点を探しましょう。
オフラインの施策
集患につながる施策のなかには、オフラインで実行できる施策もあります。クリニックは、地域の方々に医療を提供するサービス形態です。
無理に多くの方々に知ってもらうのではなく、オフラインの施策も活用し、近隣住民の方に「受診したいタイミングで思い出してもらえる状態」を目指しましょう。
クリニックの集患に有効なオフライン施策は次の6種類です。それぞれの内容について解説します。
- 目立つ看板
- ポスター設置
- 屋外広告
- イベント・講演の実施
- 接遇改善
- チラシ配布
目立つ看板
看板を目にした方の記憶に残す方法として有効です。カラーやデザイン、設置場所を検討します。
看板の設置場所は、電柱や窓、建物の壁といったさまざまです。建物の管理会社に相談し、道路から見える場所に設置してもらえるか確認しましょう。
また、看板をデザイン会社に依頼すれば、クリニックのイメージを保ちつつ視認性の高い看板を制作してもらえます。看板を目にした短い時間の間で、いかにアピールできるかを考えて、目立つ看板を作成・設置しましょう。
ポスター設置
クリニックの窓にポスターを設置すると、周辺を通る近隣住民への認知拡大につながるため、集患に効果的な施策です。
自院の窓にポスター貼るだけでよいため、手軽かつ安価に始められます。特にクリニックがビルの2~3階にあって道に面していないパターンでは、大きなポスターの使用により、クリニックがあると認識してもらえるでしょう。
屋外広告
屋外広告は、屋外に常時または一定期間掲示できる広告です。例えば、駅や看板、電柱、バス、タクシーなどに出稿可能です。
一定期間掲示する場合、掲示期間は1週間~1か月の短期と、6か月~1年の長期に分けられます。屋外広告を取り扱う広告会社へ問い合わせ、設置に向けた検討を進めましょう。
イベント・講演の実施
自院でイベントや講演を実施し、クリニックの知名度を高める施策です。例えば「健康相談会」や「介護者同士の交流会」「子ども向けの体験イベント」「自分でできる○○のケア方法の講演」などがあります。
地域の方々の健康増進に貢献する内容であれば、クリニックに対してよい印象を持ってもらえる可能性があります。
なお、イベント・講演を実施する際は、開催する目的の明確化が重要です。具体的には、通院が必要になる割合が多い高齢者や子どもをもつ主婦をターゲットにすると、集患につながる可能性が高まります。
接遇改善
集患を目的としてクリニックの評判を上げるには、医師をはじめとしたクリニックで働くスタッフの接遇改善が重要です。
開業医の場合、クリニックの売上は医師、ひいてはクリニックで働くスタッフの収入に直結します。そのため勤務医よりも開業医の方が、サービス業の要素が強まる点を意識する必要があります。
診察時に親身になって話を聞く姿勢があれば、患者からの信頼が得られる傾向があります。患者を見ず、カルテを見ながら診察すると、患者からの印象が悪くなる可能性があるため注意しましょう。
チラシ配布
クリニックのチラシを診療圏に配布する方法です。ポストに投かんしたチラシは、捨てない限り読み返してもらえる可能性があります。企業に依頼するケースもありますが、医師やスタッフが手の空いた時間に配布する方法もあります。
チラシを配布する際は、診療圏分析も併せて行うと効果的です。診療圏分析は電子カルテに機能として搭載されていたり、専用のシステムがあったりします。
電子カルテに機能が付属している場合、電子カルテの情報をもとに「どの地域から患者が来院しているのか」が把握できます。反対に診察圏のなかで来院につながっていない地域も割り出せるため、来院していない地域へのチラシの配布が可能です。
診療圏調査をもとにチラシ配布すれば、集患効果により新患の来院増加が期待できます。
クリニックの集患対策の効果を上げるためのポイント
クリニックの集患対策は、施策の継続がなによりも重要です。継続するための取り組みとして、例えば「比較的時間がある日に作業をしながらランチを食べる」などの仕組み化が有効です。
また、集患対策に取り組み始めた段階では「改善したパーセンテージ」ではなく「施策の数」を重視しましょう。例えば集患対策を3つのみ行って改善するのではなく、紹介した13の施策を網羅的に行い、それぞれを改善しながら続けると効果的です。
仕組み化して施策を継続し、クリニックへの集患につなげましょう。