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病院におけるBCP対策とは?策定方法や導入手順、おすすめのクラウド型電子カルテを紹介!

近年、大水害や大地震が日本で頻発しており、医療機関の活躍が期待される事態が多く見受けられます。しかし、災害が発生し、断水・停電が起きてしまうと、病院機能が停止してしまい、医療提供が行えないという事態にもなりかねません。

このような事態を避けるために欠かせないのがBPC対策です。当記事では、BCPの策定方法や導入手順について解説します。

CLINICS編集部


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医療機関におけるBCP対策とは?

BCP(Business Continuity Plan)とは、事業継続計画のこと。不測の事態においても業務を遂行できるように、あらかじめ状況を想定した上で用意した計画・対策のことです。

万が一大きな災害が発生した場合、医療機関は一般患者だけではなく、被災者への医療提供も求められます。いかなる場合も医療機能が麻痺してはいけないのです。

ただし、ライフラインの寸断や必要な人員を動員できない場合もあるでしょう。したがって、可能な限り通常の機能を維持できるよう、優先すべき業務と最低限するべき業務に分けて業務内容を整理し、BCP対策を策定しなければなりません。


医療機関におけるBCP対策の策定方法

医療機関におけるBCP対策の策定方法として、主に以下の6つが挙げられます。

  • 新しい医療需要への対応
  • インフラの対策
  • ライフラインの復旧予想
  • スタッフの収集検討
  • 非常時指揮命令系統の整備
  • 非常時の業務優先順位の洗い出し

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.新しい医療需要への対応

医療機関の場合、災害時は多くのけが人や病人が集まるため、通常時よりもさらに多くの医療需要が発生します。災害の規模によっては、通常時の医療需要よりも多くの医療提供能力が求められるかもしれません。

したがって、大規模災害に対応できるだけの体制構築を検討する必要があります。

2.インフラの対策

インフラ対策として一般的なものは、以下の3つです。

  • ライフラインの確保
  • 耐震強化
  • 通信手段の確保

医療機器を多く使用する場合、十分な量の電力を確保しておかなければなりません。したがって、どれくらいの電力を確保しておかなければならないのか、必要量を把握しておくことが大切です。

また通信が遮断されてしまうと、迅速な受け入れや対応が行えないため、通信手段の確保も必要です。

3.ライフラインの復旧予想

災害時におけるライフラインの復旧予測も重要です。ある程度予測しておけば、復旧までに蓄えておくべき必要な電力量を計算できます。

ライフラインの復旧予想については、自治体に問い合わせておきましょう。

4.スタッフの招集検討

災害時の医療需要に対応するためには多くの人員が必要です。そのため、緊急招集も視野に入れておかなければなりません。

スタッフの連絡先や住所を把握している医療機関がほとんどだとは思いますが、緊急時の出勤判断ルールを策定し、出勤方法についてあらかじめ決めておくとよいでしょう。

5.非常時指揮命令系統の整備

非常時は全てのスタッフが必ず集まるとは限りません。ましてや全員集まる可能性は低いでしょう。

院長はじめ各部門のリーダーが来られないこともあり得るため、院長やリーダーが不在時に誰が指揮を取るのか、非常時の指揮命令系統をあらかじめ整備しておく必要があります。

6.非常時の業務優先順位の洗い出し

非常時はスタッフが何人集まるか分かりません。集まったスタッフの人数や所属部署、スキルによっては医療提供能力が低下することも考えられます。

医療提供能力を低下させないためには、非常時に優先すべき業務をあらかじめ洗い出したうえで優先順位を決め、必要な業務にのみ注力できるようにしなければなりません。


BCP策定の導入手順

BCP策定の導入手順は、以下の4ステップです。

  1. 中核事業の特定
  2. 必要資源の洗い出し
  3. 被害やリスクの想定
  4. 復旧時間の目標設定

「中核事業」とは、支障をきたすと存続が危ぶまれるような事業のことです。医療機関においては、医療提供能力が低下すると、病院機能が存続の危機に陥ってしまう可能性が高くなります。

したがって、医療機関は以下について留意しておく必要があるでしょう。

  • 精密機械の破損・使用停止
  • 患者の行動制限
  • 人手不足
  • ライフライン


医療機関のBCP対策にはクラウド型電子カルテがおすすめ

電子カルテには、クラウド型とオンプレミス型があります。主流となっているのはオンプレミス型ですが、BCP対策においてはクラウド型が良いでしょう。

クラウド型はインターネット上のサーバーにデータを保存します。したがって、災害で端末が破損してもデータが消失する心配がありません。

インターネット環境さえ確保しておけば、院外でも電子カルテを閲覧・使用でき、医療事務スタッフがいなくてもリモートで診療報酬の策定や受付ができるのもクラウド型のメリットです。

一方、オンプレミス型は院内にサーバーを形成し、独自のネットワークを使用します。サーバーが故障するとデータを消失してしまう危険があるほか、クラウド型のように院外閲覧やリモート算定といった臨機応変な対応は行えません。

以上の点から、医療機関のBCP対策には、クラウド型電子カルテがおすすめです。


おすすめのクラウド型電子カルテ6選

おすすめのクラウド型電子カルテには、以下の6つがあります。


サービス名
提供企業
1
CLINICSカルテ
株式会社メドレー
2
CLIUS
株式会社DONUTS
3
HOPE Cloud Chart Ⅱ
富士通株式会社
4
Medicom-HRf
PHC株式会社
5
きりんカルテ
PHC株式会社
6

セコムOWEL

セコム医療システム株式会社

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.CLINICSカルテ


CLINICSカルテは、株式会社メドレーが提供する「患者とつながるカルテ」です。

患者用アプリとCLINICS予約・CLINICSオンライン診療が連動して、効率的な診療業務が実現できます。検査結果の送信や予約管理を行えるほか、キャッシュレス決済も可能です。

医療機関には患者へのデータ送信や予約導線の一元管理というメリットがあり、国際標準規格に適合するISMSクラウドセキュリティ認証を取得していますから、データの管理も安心して行えます。

参考:診療所向けクラウド型電子CLINICSカルテ

2.CLIUS

CLIUSは、直感的なデザインで紙カルテに慣れている人でも分かりやすい設計になっています。端末を限定せず、WindowsやMacといった各種端末で利用可能です。

日本医師会が提供しているソフト「クラウドORCA」と連携しているため、受付から会計までを一貫して担うことができます。

素早いレスポンスと直感的に使えるデザイン設計となっている、クリニック向けの電子カルテです。

参考:CLIUS

3.HOPE Cloud Chart II

HOPE Cloud Chart Ⅱは、病院形態に合わせて必要なサービスを提供している電子カルテです。最新の機能を提供したり教育動画を定期的に配信したりして人材育成にも力を入れています。

病院内の収入を見える化し、ひと目で経営状態が把握できるよう設計されています。

参考:クラウド型電子カルテシステム HOPE Cloud Chart II : 富士通

4.Medicom-HRf

Medicom-HRfは、PHC株式会社が提供するシステムです。クラウド型だけではなく、オンプレミス型も併用できるシステムとなっています。

通常はオンプレミス型を使用し、非常時にはクラウド型を使用することもできます。全国の数か所に販売会社や保守サービスがあり、サポート体制も万全です。

参考:Medicom-HRf

5.きりんカルテ

きりんカルテは、患者の予約状況がひと目で分かる機能を保持しており、在宅医療に特化した機能も兼ね備えています。

カルテと連携した専用アプリを使用することで、撮影した写真がそのままカルテに記載されます。使いやすいデザイン設計となっているため、パソコンが苦手なスタッフにも安心です。

参考:無料のクラウド型電子カルテ【きりんカルテ】

6.セコムOWEL

セコムOWELは、セコム医療システム株式会社が提供している、小規模の診療所や在宅クリニックに特化した電子カルテです。

すぐに操作でき、カルテを開くだけで患者の要介護度が分かるため、パソコンが苦手な人も安心して利用できます。

参考:外来・訪問に特化!クラウド型電子カルテ「セコムOWEL」


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まとめ

BCPの策定方法をはじめとした、医療機関におけるBCP対策の在り方について解説してきました。非常時は医療機関に人が殺到する事態が考えられます。

何が起こるか分からない災害時に備えて、質の高い医療を提供するためには、人材確保の方法やライフラインの復旧目安を予測してBCP対策を策定することが大切です。

必要なスタッフや人材が非常時には確保できない場合があります。そのため、指揮系統はどうするのか、必要な医療を提供するために何を優先して行うべきか、あらかじめマニュアル化しておくことが重要です。

また、クラウド型の電子カルテを利用することで、非常時でもすぐに患者の情報を確認できるシステムを整備することも必要です。

当記事で紹介した電子カルテシステムを導入し、非常時において必要な医療を提供できるよう整備しておきましょう。

CLINICS編集部

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