【今すぐ解決】病院やクリニックのクレーム対応のポイントを解説!システム面での対応方法も紹介!
医療機関においてクレームは少なからず発生します。スタッフの対応や言動が納得いかないものだと、クレームがエスカレートする事態になりかねません。
また、クレームへの対応は患者との信頼関係の構築にも関係してくるため、徹底した対応が必要です。当記事では、クレーム対応のポイントやシステムを用いた対応について解説していきます。
目次[非表示]
- 1.クリニックへのクレームに対応する際の7つのポイント
- 1.1.1.1人で対応させない
- 1.2.2.個室に案内する
- 1.3.3.事実を把握し丁寧に説明する
- 1.4.4.正確な記録を残す
- 1.5.5.クレーム内容はスタッフ全員で共有する
- 1.6.6.特別扱いはしない
- 1.7.7.弁護士や警察への相談に切り替える
- 2.医師法の応召義務と「正当な理由」とは?
- 3.クレーム対応を強化させる2つの対策
- 3.1.クレーム対応マニュアルの作成
- 3.2.クレームを削減する施策の立案
- 4.病院のクレームで1番多いのは「待ち時間」
- 5.まとめ
クリニックへのクレームに対応する際の7つのポイント
クリニックへのクレームに対応する際のポイントとして、次の7つが挙げられます。
- 1人で対応させない
- 個室に案内する
- 事実を把握し丁寧に説明する
- 正確な記録を残す
- クレーム内容はスタッフ全員で共有する
- 特別扱いはしない
- 弁護士や警察への相談に切り替える
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.1人で対応させない
病院でクレームが発生した場合は、スタッフ1人で対応させないことが大切です。
複数人で対応することで、スタッフの負担が軽減できたり患者を落ち着かせたりすることができるからです。クレームは決して1人で解決しようとせず、一緒に対応してくれるスタッフを探しましょう。
2.個室に案内する
クレームが収まらない場合は、患者を個室に案内することも大切です。個室に案内して患者を落ち着かせることで、他の患者への迷惑を回避できます。
3.事実を把握し丁寧に説明する
クレームが発生した場合、事実を把握し丁寧に説明しましょう。クレームによっては、医療機関側の不手際や不適切な言動が原因で、患者を不快な気分にさせている場合があるからです。
したがって、クレームを軽くあしらったり患者の発言を否定したりせず、まずは患者の話に耳を傾けることが大切です。その後、患者と医療機関側の双方が納得できるような解決策を考えましょう。
4.正確な記録を残す
クレームが正確に伝わっていないと患者が感じれば、さらなるクレームに発展する恐れがあります。
クレームの内容やスタッフの回答内容は、正確に記録しておきましょう。万が一クレームが裁判に発展した場合、この記録を証拠として提出することも可能です。
5.クレーム内容はスタッフ全員で共有する
クレームが発生した場合、クレーム内容をスタッフ全員で共有することが重要です。大規模な医療機関においては、部署内だけではなく病院全体で共有することが望ましいでしょう。
クレーム内容をスタッフ間で共有すれば、再び同じようなクレームが発生した際に迅速に対応することが可能です。また、違うスタッフが同じミスをすることを防げるため、病院の質や患者のスタッフへの信頼を高めることにもつなげられます。
6.特別扱いはしない
クレームによる騒動を早く終わらせたいからといって、医療費を免除するといった特別扱いをしてはいけません。他の患者から不満を持たれるばかりか、クレーマーを助長させて事態を複雑にしてしまいます。
したがって、特別扱いは厳禁です。その場で解決できない場合は、日時を改めて対応する旨を伝えましょう。
7.弁護士や警察への相談に切り替える
スタッフだけで事態を収拾できない場合は、組織として対応するか、専門の弁護士や警察へ相談しましょう。大事にしたくないからとスタッフだけで安易に対応してはいけません。
暴力をふるったり暴言を吐いたりする患者もいるため、危険を感じたら警察へ相談したり弁護士に依頼したりしましょう。
医師法の応召義務と「正当な理由」とは?
応召義務とは、医師法19条の第1項に記載されている規定です。
医師法19条の第1項には次のような内容が記載されています。「診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」
つまり、正当な理由なく診療を拒否した場合は応召義務違反になるわけです。ここで問題となるのが、応召義務違反とならない正当な理由は何かということです。
医療費が未払いのまま診察を受ける患者や暴言がひどくて注意を聞き入れない患者が、緊急性の低い疾患の治療を求めている場合、診療を拒否しても応召義務違反には該当しません。ただし、他の患者への影響を考慮したうえで適切に判断することが必要です。
また、正当な理由かどうかは最終的に行政や裁判所の判断となるため、気になる方は医療に特化した弁護士に相談することをおすすめします。
参考:応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について
クレーム対応を強化させる2つの対策
クレーム対応を強化させる対策は以下の2つです。
- クレーム対応マニュアルの作成
- クレームを削減する施策の立案
それぞれ詳しくみていきましょう。
クレーム対応マニュアルの作成
クレーム対応に関するマニュアルを作成しましょう。スタッフによって対応が違うと患者は混乱してしまいます。
マニュアルを作成しておけばスタッフ間で対応方法を共有することができます。そのためどのスタッフであっても、クレーム患者に対して一貫性のある対応が可能になるわけです。
また、マニュアルは作って終わりではありません。実際に運用してみて改善点や対応の仕方をその都度話し合い、適切な内容に変更していくことが重要です。
クレームを削減する施策の立案
クレームを削減する施策を立案・実施していくことも大切です。院内でこれまでにあったクレームの内容を精査し、対応の仕方やスタッフの行動について話し合いましょう。
また現状を把握するために、定期的に患者やスタッフにアンケートをとり、より良い環境へ改善していくといった対策も必要です。
病院のクレームで1番多いのは「待ち時間」
病院のクレームで1番多いのは「待ち時間」です。患者は、自分が何番目に呼ばれるのか分からないうえに一方的に待たされていると感じてしまうからです。
具合が悪いなか長時間待たされてしまうと、患者はより一層不安になったりイライラしたりするため、クレームにつながりやすくなります。
待ち時間のクレーム対応方法
長時間待たされたうえ、診察内容が満足のいくものでなかった場合、クレームに発展しやすい傾向にあります。
クレームが発生した場合は、患者の話をよく聞き、嫌な思いをさせてしまったことをおわびすることが大切です。おわびしたうえで患者の気持ちに寄り添い、現状を改善できるように工夫し取り組みましょう。
待ち時間を短縮できるシステムを導入するのも1つの手段
待ち時間を短縮できるシステムを導入することも1つの手段です。主なシステムとして以下の3つがあります。
- 診療予約システム
- Web問診システム
- 自動精算機
それぞれ詳しくみていきましょう。
診療予約システム
診療予約システムは、患者がインターネットを介して診療予約できるシステムです。パソコンやスマートフォンがあればシステムを使用できるため、時間や場所を選ばず、患者の好きなタイミングで診療予約できます。
診療予約システムを導入すれば、患者は自分の待ち時間や順番を把握できるため、一方的に待たされていると感じなくなるでしょう。また待ち時間の見通しが立ち、診察までの時間を有効に使えるため、待ち時間のストレスがなくなることからクレームが削減できると考えられます。
Web問診システム
Web問診システムは、Web上で問診票に記入できるシステムです。
来院前に問診票に記入してもらえば、来院後に記入する時間が省略できたり、受付での事務処理時間が短縮できたりするため、待ち時間の軽減につながるでしょう。
自動精算機
自動精算機は会計を自動で計算してくれるシステムです。会計までの待ち時間も患者にとってストレスになります。
自動精算機を導入すれば、患者は順番を待たずに会計できるため、待ち時間の短縮につなげることができるでしょう。
まとめ
クレーム対応のポイントやシステムを利用した対応について解説してきました。クレームが発生した場合、スタッフは一貫して対応することが大切です。
また患者を刺激せず、落ち着いた環境で話し合うことが求められます。言動が行き過ぎている患者に対してスタッフだけで対応できない場合、専門家に依頼することも考えましょう。
患者のクレーム内容をしっかり把握し、丁寧な対応を心がけることで、その後の患者の信頼回復につながります。患者のクレームを軽減するためにシステムを導入するのも効果的な方法です。
クレームを発生させないためにも、普段の業務において患者の気持ちに寄り添い、丁寧に接していくようにしましょう。