くぼたこどもクリニック|久保田 恵巳 院長
インタビュー日:2022.3.25
※インタビュー当時のご活動状況であり、現状とは異なる場合がございます
今回は、大阪府にあるくぼたこどもクリニック 久保田院長に、オンライン診療の活用のコツや、今オンライン診療が必要な理由についてお話頂きました。
Q. オンライン診療の黎明期の頃からCLINICSオンライン診療をご利用いただいていますが、導入の背景について教えていただけますか?
久保田先生:他のクリニックの先生にオススメされたことがきっかけです。導入することは前提で、どう導入しようかなと考えたときに、便秘の患者さんが良い適応になると思い導入しました。
便秘の患者さんは、遠方から来られている方も多く、症状が改善すると通院が途絶えてしまう傾向があるため、オンライン診療に向いているなと考えました。
Q. オンライン診療はどのような疾患の方に利用されていますか?
久保田先生:以前までは、主に便秘の患者さんに利用していました。現在は、プライマリ・ケアとしての心理・発達診療、必要に応じて心理士による発達検査やカウンセリング、発熱患者のトリアージにも利用しています。
また、大阪の新型コロナ在宅診療チーム「KISA2隊」の手伝いもしているので、小児で専門医の診察が必要な場合は、まずはCLINICSを利用してオンライン診療を行って、その後の方針を決定するようにしています。
発熱患者のトリアージでは、まず発熱のある患者さんには予約のお電話をいただいていますが、その際一旦オンライン診療を受けていただき、検査に来ていただく人、すぐに対面で診察した方がいい人、まずは経過観察でよい人に分けています。
また、結果として対面で検査や診察が必要となった人も、お会計をCLINICSで行うとそのままカード決済できるので便利です。
Q. 新型コロナウイルス流行によって、オンライン診療を利用する患者さんの層に変化はありましたか?
久保田先生:新型コロナウイルスの影響によって、患者さん側のオンライン診療に対するハードルがかなり下がりましたね。
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Q. 実際にオンライン診療があってよかったことを教えていただけますか?
久保田先生:当初は、心理・発達相談におけるオンライン診療やオンラインカウンセリングは表情を読み取りづらく空気感も感じとりづらいのでは?という懸念点がありました。
ですが、実際にはじめてみると、自宅でのリラックスした雰囲気で診療やカウンセリングを行える利点がわかりました。
また、本人が治療を希望しているのに、心理的、物理的な問題で来院ができないケースもあります。そういった際に、オンラインによる診療・カウンセリングが、もしかしたら唯一対応可能な医療手段となるケースも存在するかもしれないと考えています。
Q. 患者さんの反応で印象的だった事はありますか?
久保田先生:他のクリニックでは診察を拒否されてしまうこともあるようで、コロナの患者さんには、喜んでいただいています。
コロナが陽性だった場合、最後にお子さんだけでなく同居のご家族も「今後心配なことがあれば対応します。なので何かあったらオンライン診療の予約をまず取ってください。」とお話するようにしてます。この一言は患者さんも安心されるように感じており、感謝してくださるようです。
トリアージ無しで来院されるよりも、オンライン診療の一段階を踏むことで、クリニック側も感染対策のための準備ができます。
オンライン診療によって、クリニックの安心と患者さんの安心の両方に繋がると思います。コロナの患者さんはオンライン診療の良い適応だと感じています。皆さんに導入をお勧めします。
Q. 顔を合わせて不安なところをお話してくださると安心ですよね。電話診療も方法としてはあると思うのですがいかがでしょうか?
久保田先生:どちらを選ぶかとなると、絶対にビデオ通話(オンライン診療)ですね。
やっぱり、実際に顔を見て話してみないとわからないですね。患者さんが「大丈夫です」とおっしゃっていても、「本当に大丈夫なのかな?」と心配になってしまいます。
Q. 電話診療で十分とおっしゃる方もいらっしゃいますが、久保田先生はどのようにお考えでしょうか?
久保田先生:ビデオで顔の様子や喋ってる様子を見るのと見れないのでは、医者側の安心感が全然違います。
お子さんの表情が見れたり、走り回ったりしている様子が見えたりしたら、こちらもちょっと安心ですよね。
診察の際には、日本プライマリ・ケア連合学会予防医療・健康増進委員会感染対策チームの作成している「オンライン診療診断学ことはじめ」※を参考にしています。私もチームの一員として作成のお手伝いをしています。
※オンライン診療診断学ことはじめ:https://www.pc-covid19.jp/telemedicine-diagnosis.htm
Q. オンライン診療を検討している方へ一言お願いいたします。
久保田先生:「本当に医療が必要なのに、物理的、心理的理由で通院することができない患者さんにオンラインを使って医療を届けることができるかもしれない」ということを是非伝えてほしいと思います。
オンライン診療だからこそ届けることができる医療が絶対にあると思っています。
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