
2026年最新版|オンライン診療「処方箋」対応ガイド【注意点など詳しく解説】
医師は、対面診療の場合、薬を調剤してもらうために患者さんへ「処方箋」を発行します。では、オンライン診療の場合、処方箋や薬はどうするのでしょうか。本記事では、オンライン診療の処方箋の扱い、薬局への送付方法や注意点などを整理しました。
目次[非表示]
オンライン診療における処方箋の取り扱い

ここでは、オンライン診療における処方箋情報の送付方法や記載ルール、薬局側での取り扱いについて詳しく解説します。
処方箋情報の送付方法と必要な記載
オンライン診療で薬を処方する際は、患者さんが希望する薬局へ処方箋情報を送らなければなりません。送付にあたっては、患者さんから同意を得たうえで、処方箋の備考欄に「オンライン対応」と明記します。その後、FAXやメールなどを使って薬局に情報を送信し、診療録には薬局の名称を記録します。薬局では、患者さんから処方箋の原本を受け取るのではなく、医療機関から直接送られてきた情報をもとに対応することになります。そのため、患者さんは薬局での服薬指導や薬の受け取りをスムーズに済ませることができ、医療機関側も処方箋を直接手渡す手間が省けます。
オンライン服薬指導を希望する場合の対応と記載ルール
患者さんがオンラインでの服薬指導を希望する場合も、医師は処方箋の備考欄に「オンライン対応」と記載し、患者さんの同意を得たうえで、指定された薬局に処方箋情報をFAXやメールなどで送付します。このとき、送付先の薬局名を診療録に記録しておく必要があります。なお、オンライン診療のあとに対面で服薬指導を行う場合や、診察当日に処方箋を手渡せず後日対面で対応する場合についても、同じ手続きで対応できます。
処方箋原本の取り扱いと薬局での管理方法
医療機関は、対面診療の場合、処方箋の原本を患者さんに渡します。一方、オンライン診療の場合、処方箋の原本を患者さんに渡さず、指定された薬局へ直接送付します。薬局は、医療機関から処方箋の原本が届くまでのあいだ、FAXやメールで送られてきた処方箋情報を正式なものとして扱い、調剤などの対応を行うことが可能です。原本が届いたあとは、送付された処方箋情報とあわせて適切に保管します。
オンライン診療での処方箋の渡し方とは

オンライン診療とは、インターネットを使って医師の診察を受けられる医療体制のことです。患者さんは自宅などでオンラインで医師による診察を受けられ、医療機関に出向かなくて済みます。患者さんは、オンライン診療を受けたあと、薬剤師との服薬指導を受けることができるので、薬剤師の服薬指導を受けたあと、処方薬を自宅で受け取ることができるのもオンライン診療のメリットです。
医療保険も使える
オンライン診療が医療保険(健康保険、国民健康保険など)の適用になるのと同様に、処方箋の発行、処方箋による薬の処方、服薬指導などに医療保険が適用されます。患者さんは手数料は別途かかることもありますが、原則3割負担(高齢者の場合負担率が異なる)で処方箋を受け取れます。
オンライン診療で薬を受け取る流れ

オンライン診療において、患者さんが薬を受け取る方法は「院外処方」と「院内処方」の2パターンです。医療機関としては、どちらの形式でも、患者さんの希望や利便性、院内体制を踏まえて適切に対応することが求められます。
院外処方の場合
オンライン診療で処方箋を発行した際は、まず患者さんに希望する薬局を確認します。処方箋の原本は患者さんに渡さず、薬局へ直接郵送し、あわせて「オンライン対応」と明記した処方内容をFAXやメールなどで薬局に送付します。薬局ではその情報をもとに、オンラインでの服薬指導や調剤、在庫の確認を行います。薬の受け渡しは、患者さんの希望に応じて、来局または自宅配送で対応します。薬局は後日届く処方箋原本と送付された情報を照合し、適切に保管します。医療機関側では、送信記録・薬局名・送信日時などを診療録に記載し、情報管理と薬局との連携体制を徹底します。
院内処方の場合
院内処方の場合、患者さんはオンライン診療のあとに処方箋の原本を待つ必要がありません。院内の薬剤師がそのまま調剤を行い、オンラインで服薬指導を実施します。指導が終わったあとは、薬を院内で渡すか、自宅へ郵送するか、患者さんの希望に応じて対応をします。
オンライン診療で処方する際の注意点

オンライン診療での薬の処方には、対面診療と異なる制約があり、安全確保の観点から注意が必要です。ここでは3つの注意点を紹介します。
①麻薬・向精神薬など処方が制限される薬もある
オンライン診療では、依存性や副作用が高い麻薬や向精神薬(抗不安薬・睡眠薬・抗うつ薬など)は、初診・再診にかかわらず処方が原則禁止されています。中枢神経に強く作用する薬剤の乱用や転売、患者・医師間の十分な診察がオンラインでは困難かつリスク管理が難しいためです。また、抗がん剤や免疫抑制剤といった「ハイリスク薬」もオンラインでは処方できず、安全な医療提供のためには必ず対面診療が求められます。
②初診での処方は「最大7日分」までに制限されている
厚生労働省の指針によれば、初診でオンライン診療を行った場合、処方の日数は最大7日分に制限されます。患者の基礎疾患や既往歴など詳細が把握しづらく、長期処方による副作用管理や多剤重複投与、転売などのリスクを避けるためです。7日以上の処方が必要と判断される場合は対面診療への切り替えが求められ、医師は過去の診療録やお薬手帳による情報収集が義務付けられています。この制限は、診療情報の不十分な状態では、診療の安全性を第一に考慮した妥当な措置といえるでしょう。
③診療ガイドラインを遵守する
オンライン診療は利便性が高い一方で、診療ガイドラインの厳守が不可欠です。日本医学会連合などのガイドラインでは、オンライン診療に適する疾患や症状、処方薬の種類、診察方法などが具体的に示されています。医師は、患者の既往歴やアレルギー、服薬歴等を診療録や地域医療情報連携ネットワークなどで事前に確認し、必要に応じて対面診療へ切り替えなければなりません。また、本人確認も身分証に基づいて厳重に行われる必要があります。
参考:厚生労働省|「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に関するQ&A
オンライン診療の処方箋に関するよくある質問
オンライン診療の普及に伴って、処方箋や保険適用についての疑問も増えています。ここでは、代表的な2つのよくある質問にお答えします。
Q1.オンライン診療での処方箋にも医療保険は適用される?
オンライン診療では、対面診療と同様に公的医療保険が適用されます。診察料だけでなく、処方箋の発行や薬の購入、薬剤師による服薬指導も原則として保険適用となり、患者さん負担は3割(年齢や所得によって1~3割)です。ただし、対象となる疾患や診療内容によっては、自由診療(自費)となる場合もあります。
Q2.オンライン診療での処方箋の有効期限は?
オンライン診療で発行された処方箋も、紙の処方箋と同様に交付日を含めて4日間が有効期限です。土日祝日を含む日数で、4日を過ぎると処方箋は無効になります。期限切れの場合は再診が必要となり、再診料は通常患者さん負担(保険適用外)です。
まとめ
オンライン診療の成功には、処方箋の受け渡しをいかに「安全かつスムーズ」に設計できるかが鍵に。 そして、法規制を遵守した運用フローを確立することは、患者さんの安心感だけでなく、院内の業務効率化にも直結します。 まずは薬局との連携から見直し、利便性と信頼を両立させた診療スタイルを整えていきましょう。









