
耳鼻咽喉科クリニックの開業は儲かる?必要資金・年収・成功事例を徹底解説
耳鼻咽喉科は、子どもから高齢者まで幅広い患者さんを対象とするため、開業時に独自の戦略や設計が求められます。本記事では、耳鼻咽喉科クリニックを開業するための資金や年収の実態から、成功につながる運営や設備の工夫、そして実際の成功事例までを徹底解説。開業を検討する際にお役立てください。
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耳鼻咽喉科開業に必要な資金と年収の実態

耳鼻咽喉科クリニックの開業には、数千万円単位の資金準備と現実的な収入見通しが欠かせません。まずは、初期費用の相場や月次収支のポイントと開業医としての年収実態を分かりやすく解説します。
開業に必要な初期投資の内訳
テナント形式の初期費用(目安):約4,000万円~1億円
開業規模や設備内容によって幅がありますが、特に医療機器と内装にかかる費用が大きく、下記のような内訳が一般的です。
内装工事・設備費:約2,000万円~3,000万円(診察室、処置室、防音室など)
医療機器導入費:約1,000万円~3,000万円(電子内視鏡、聴力検査装置、エアコンプレッサーなど)
開業準備費・諸費用:約1,000万円~2,000万円(設計・申請手続き・広告・システム構築など)
運転資金:500万円〜1,000万円程度(開業後3〜6カ月分の家賃・人件費・光熱費を想定)
特に耳鼻咽喉科では、専門性の高い検査機器が必要になるため、初期投資の比率はやや高めになります。自己資金だけでまかなうのではなく、日本政策金融公庫や民間金融機関の医療向け融資の活用も視野に入れましょう。
耳鼻咽喉科医の平均年収
厚生労働省の「第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」をもとにすると、耳鼻咽喉科の開業医の年間収入は約3,100万円です。
勤務医の平均年収は約1,078万円であり、開業によって収入が2倍~3倍以上に増える可能性があります。もちろんこの金額は、開業エリアの競合状況や集患力、診療時間の設定などに大きく左右されるものです。特に、以下のような工夫を行うことでさらなる収益向上が期待できます。
⚪︎夜間診療など、診療時間の柔軟性で患者層拡大
⚪︎オンライン予約・SNS発信などによる集患強化
⚪︎自由診療(CPAP治療、アレルギー検査)の導入
実際、条件次第では年収3,500万円以上を達成している例も少なくありません。
耳鼻咽喉科開業を成功させる5つのポイント

耳鼻咽喉科クリニックを成功に導くには、単に医療技術や診療科目を打ち出すだけでなく、「誰に、どのようにサービスを届けるか」という戦略設計が極めて重要です。特に同業種の競合が多い都市部や、かかりつけ医志向が強い郊外では、「立地」「内装」「人材採用」「デジタル戦略」「制度対応」といった多角的な視点での準備が求められます。
以下では、耳鼻咽喉科の開業にあたり押さえるべき4つのポイントについて、実際の成功例や傾向を踏まえて詳しく解説します。
⒈立地と施設設計の注意点
耳鼻咽喉科は、小児から高齢者まで幅広い層が対象になるため、「誰が、どこから、どのように通うか」を前提に、立地と施設設計を考える必要があります。例えば、子育て世代をターゲットにするなら住宅街や学区近く、ビジネス層を想定するなら駅前やオフィスエリアなど、患者の生活導線と施設のアクセス性を一致させる立地選定が欠かせません。また、施設設計では「子連れ患者に配慮したキッズスペース」「高齢者に優しいバリアフリー構造」など、ターゲットの通いやすさと安心感を重視した空間設計が成功の鍵になります。建物全体の視認性・看板の配置・導線の分かりやすさといった設計面も、集患とリピート率に影響するため初期段階から綿密な設計が必要です。
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⒉採用・スタッフの質が口コミを左右する
耳鼻咽喉科は、耳・鼻・喉といった不調にすぐに対応できる「近さ」が評価される診療科ですが、その印象を大きく左右するのがスタッフの対応力です。受付や看護師が不親切だった、言葉遣いが冷たかったといった印象が口コミで拡散されれば、どれだけ医師の診療に自信があってもマイナスイメージが先行してしまいます。逆に、受付のていねいな対応や、子どもへの声かけ、説明の分かりやすさなどが高評価につながりやすいのも事実です。近年では「スタッフ対応の良さ」がGoogle口コミやSNSで話題になることも多く、開業直後から好印象を獲得するには、採用段階でホスピタリティのある人材を確保することが求められます。加えて、マニュアル整備や定期研修を導入し、クリニック全体のサービスレベルを均質化する取り組みも有効です。
⒊インターネット・スマホ活用で集患を加速
現代の患者さんの動向において、スマホとインターネットの存在は欠かせません。耳鼻咽喉科のような「急に必要になることの多い診療科」では特に、ネット検索から来院までのスムーズな導線設計が効果的です。ホームページには「診療時間」「混雑状況」「予約可否」などを明記し、スマホ対応で見やすく作成することが基本です。加えて、LINEやGoogle予約などの導入によって、待ち時間の軽減や利便性の向上を図ることで選ばれやすいクリニックになります。また、SNS(Instagram、Xなど)で季節ごとの疾患情報(花粉症、夏風邪など)を発信すれば、地域住民の信頼を高め、認知度アップにもつながります。特に都市部では競合が多いため、デジタル戦略の有無が集患スピードに大きな差を生むポイントです。
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⒋予防接種・診療制度と医師会の対応確認
耳鼻咽喉科でも、インフルエンザワクチンや咽頭炎の対応など、公費接種制度や地域の予防接種対応が必要となる場面があります。これらに対応するには、地域の医師会や自治体との連携が欠かせません。開業前には、診療報酬点数に関する制度理解や、予防接種事業の対象医療機関になる条件を確認し、必要な申請や施設要件を事前に整えておくことが重要。また、学校健診や耳鼻科領域の学校医業務など、地域活動への協力体制が求められる場面もあり、医師会への早期加入・情報共有が、地域医療への信頼形成にも直結します。
耳鼻咽喉科クリニックの成功事例

耳鼻咽喉科は子どもから高齢者まで幅広い層が利用する診療科であり、地域の特性や患者層に合わせた差別化戦略が重要です。ここでは「郊外型の家族対応重視型クリニック」と、「都市型のスピード・利便性特化クリニック」の2つの成功例を紹介します。
【郊外型】郊外で「家族目線」を打ち出して成功
自院のターゲット層に対する強い訴求は、開業の成功に役立ちます。なかには、下記のような工夫を凝らし小児向けの訴求により成功しているクリニックがあります。
・小児科との連携または併設により、家族で一度に複数の診療が可能
・キッズスペースの設置やバリアフリー構造など安心して通院できる設計
・「親子一緒に受診できる時間帯」など、家庭の時間に寄り添った診療時間
小児向けの訴求を行う際は、予約のしやすさやベビーカーでも入りやすい設計など、親子で通いやすいクリニックを構築できると良いでしょう。患者の通いやすさに徹底してこだわることで、かかりつけ医として安定した集患につながるケースもあります。
【都市型】都心で利便性・スピードを追求して成功
都市部に開業する場合、働く人や学生が通いやすい設計にこだわると安定した集患が期待できます。クリニックによっては次のような工夫を取り入れるケースがあります。
・完全予約制とWeb・LINE予約システムの導入により、待ち時間を大幅短縮
・オンライン問診の活用や、QRコードによる無人受付で受付業務の効率化
・平日夜20時以降や土曜午後の診療枠を確保し、仕事帰りの通院を可能に
このように、都市型では隙間時間で受診できる環境を整えることが、支持を集める鍵となります。特に単身者や働く世代にとっては、「早い」「便利」「清潔感がある」ことが信頼につながり、SNSや口コミでも高評価を得やすい傾向にあります。
まとめ

耳鼻咽喉科の開業には、4,000万円〜1億円の初期投資が必要ですが、平均年収は約3,100万円と高く、戦略次第でさらに収益を伸ばすことも可能だということがわかりました。立地選定やスタッフ対応、デジタル活用、地域制度への対応といった要素を踏まえて丁寧に設計することで、安定した経営が実現できます。今回紹介した成功事例に学びながら、地域に合ったクリニックづくりを目指しましょう。











