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開業医は保険に加入すべき?開業医ならではのリスクに備えよう!


開業医は勤務医と異なり、さまざまなリスクに自ら備える必要があります。

病気やケガによる収入減、災害による休診、医療事故による賠償責任など、院長・経営者という立場ならではのリスクがあるためです。

本記事では、開業医が直面しやすい4つのリスクと、それぞれに備えるための保険の種類や特徴をわかりやすく解説します。

加入を検討する際の注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次[非表示]

  1. 1.開業医が備えるべき4つのリスクとは
    1. 1.1.病気やケガで働けなくなるリスク
    2. 1.2.通常診療ができなくなるリスク
    3. 1.3.借金返済が困難になるリスク
    4. 1.4.医療事故やトラブルによる訴訟リスク
  2. 2.開業医におすすめの4つの保険
    1. 2.1.所得補償保険
    2. 2.2.火災保険
    3. 2.3.生命保険
    4. 2.4.医師賠償責任保険
  3. 3.保険加入を検討する際の注意点
    1. 3.1.掛け金が経営を圧迫しないようにする
    2. 3.2.支出を減らす工夫も有効
  4. 4.まとめ

開業医が備えるべき4つのリスクとは

開業医になると、勤務医時代に加入していた公的な保障制度の多くが対象外となります。

例えば、雇用保険の失業給付や傷病手当金、労災保険などは、原則として対象外です。

そのため、万が一に備えるには、自ら必要な保険を選んで加入する必要があります。

ここではまず、開業医が意識しておきたい4つのリスクを紹介します。

病気やケガで働けなくなるリスク

開業医自身が病気やケガにより長期間療養が必要になると、収入が途絶えてしまうリスクがあります。

勤務医であれば傷病手当金などの給付を受けられる場合がありますが、開業医は公的保障制度の対象外となることが多く、収入がゼロになる可能性も否定できません。

日々の生活費や住宅ローン、教育費など、家族の生活を守るためにも、もしもの事態への備えが必要です。

通常診療ができなくなるリスク

台風や地震などの自然災害、あるいは医療機器の思わぬ故障などにより、クリニックが通常通りに診療を行えなくなるリスクも存在します。

また、感染症の流行により一時的に閉院したり、スタッフの出勤停止によって診療体制が維持できなくなったりするケースも考えられます。

休診期間中であっても、テナント料や医療機器のリース代、人件費といった固定費は発生し続けるため、運転資金の確保が重要です。

借金返済が困難になるリスク

クリニック開業時には、多額の資金が必要なため、金融機関から融資を受けるケースが一般的です。

開業医の身に万一のことがあったり、高度な障害を負って働けなくなったりした場合、借入金の返済が困難になるリスクが考えられます。

十分な保険に加入していないと、残された家族が借金の返済責任を負うことになる可能性もあり、精神的・経済的な大きな負担を強いることにもなりかねません。

医療事故やトラブルによる訴訟リスク

医療行為には常に慎重な対応が求められますが、どれだけ注意を払っていても医療過誤や患者との間で何らかのトラブルが発生し、損害賠償責任を問われる可能性はゼロではありません。

勤務医であれば、勤務先の医療機関が法的対応を担うケースが一般的ですが、開業医は院長・管理者として直接的に責任を問われる立場にあります。

訴訟に発展した場合、高額な賠償金だけでなく、対応に要する時間や精神的負担も軽視できないリスクとなります。

開業医におすすめの4つの保険

前述のような多岐にわたるリスクに備える方法として、民間保険の活用が有効です。

しかし、保険には多くの種類や商品があり、どの保険を選ぶべきか、迷ってしまうこともあるでしょう。

ここでは、開業医に特に重要とされる4つの保険の種類を取り上げ、それぞれの特徴や補償内容をわかりやすく解説します。

所得補償保険

所得補償保険は、病気やケガにより長期間働けなくなった際に、減少した収入を補うための保険です。

療養中の生活費や、クリニックの固定費の支払いに充てることができ、経済的な不安を軽減するのに役立ちます。

なお、所得補償保険の給付期間は一般的に1~2年程度です。より手厚い補償を希望する場合は、長期の就業不能に備えるGLTD(団体長期障害所得補償保険)の活用も検討すると良いでしょう。

公的保障の対象外となることが多い開業医にとって、所得補償保険は優先度の高い保険の1つと言えます。

火災保険

火災保険は、火災に加え、落雷、風災、雪災などによって発生した建物や医療機器の損害を補償する保険です。

特に、台風や水害といった自然災害にも備えたい場合は「店舗総合保険」のように補償範囲が広いタイプを選ぶと安心です。

また、火災保険に特約を付帯することで、災害や事故による休診期間中の逸失利益や、家賃などの固定費を補償する「休業補償」も含まれる場合があります。

生命保険

開業医に万が一のことがあった場合に備えるのが生命保険です。

特に、開業時の借入金の返済や、残された家族の生活保障を目的として検討されます。

金融機関の融資に付帯する団体信用生命保険(団信)よりも、個人で加入する生命保険の方が、同等の補償内容でも保険料を抑えられるケースもあります。

ただし、生命保険はあくまで死亡時の保障を目的とした保険である点に注意が必要です。病気やケガで働けなくなるリスクに対しては、先に紹介した「所得補償保険」で備える必要があります。

医師賠償責任保険

医師賠償責任保険は、医療過誤などによって患者に損害を与え、法律上の賠償責任を負った場合に備える保険です。

開業医は、自身の医療行為だけでなく、クリニックのスタッフや非常勤医師の行為に起因する事故についても、使用者としての管理責任が問われます。

そのため、これらのリスクもカバーできる開業医向けのプランを選ぶことが重要です。

勤務医時代から医師賠償責任保険に加入している場合でも、開業の際は補償内容を見直す必要があるでしょう。

なお、日本医師会が提供する医師賠償責任保険制度に加入すると、専門家による示談交渉のサポートなども受けられます。

保険加入を検討する際の注意点


必要な保険を検討することも重要ですが、加入にあたってはいくつか注意しておきたいポイントがあります。

適切な保険選びと無理のない掛け金設定が、長期的なクリニック経営の安定につながります。

掛け金が経営を圧迫しないようにする

あらゆるリスクに備えようと、手厚い保障内容の保険を多数契約すると、月々の保険料負担が膨らみ、クリニック経営や家計を圧迫しかねません。

必要な保障額は、クリニックの収支状況や、個人の貯蓄額、家族構成などによって異なります。何に重点を置いて備えるべきか優先順位をつけ、過不足がないよう保障と保険料のバランスを考慮することが大切です。

支出を減らす工夫も有効

保険でリスクに備えるだけでなく、日々の経営のなかで支出を抑える工夫も、結果的に経営の安定化やリスク対応力の強化に繋がります。

例えば、電子カルテの導入を検討する際、オンプレミス型ではなくクラウド型電子カルテを選択すれば、初期導入コストを抑え、月額課金制で無理なく運用を開始できます。

日々の経費を見直し、無理のない支出を心がけることで、いざというときの資金も確保しやすくなるでしょう。

まとめ

勤務医時代とは異なり、公的保障の対象外となる場面も多いため、開業医には自らの判断で必要な保険を選び、備えておく姿勢が求められます。

保険によってすべてのリスクを防げるわけではありませんが、もしもの備えがあることで、自分自身や家族を守りながら、日々の診療に安心して向き合うことができます。

将来への不安を減らし、安定した経営を続けるために、今一度、保険の見直しを検討してみてはいかがでしょうか


執筆監修者:村田 卓也
執筆監修者:村田 卓也
(株式会社メドレー 医科診療所事業部 事業戦略室) メドレーでは、フィールドセールスマネージャーを務めチーム育成や営業戦略立案・実行に従事。診療所向けSaaS(診療システムCLINICS)の拡販を牽引し年間数百件の新規導入に関わる。現在は、「戦略推進室」にて、事業部の販売戦略とプロモーションを担うミッション担う。今後も現場と市場をつなぐ推進役として価値提供に努めてまいります。

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