フリーランス医師と常勤医の違いとは?フリーランスとして働くメリットや平均年収を解説
勤続医からフリーランス医師への独立を検討している方は、上記のような疑問を抱えているのではないでしょうか。フリーランス医師になりたくても、給与や働き方を具体的にイメージできない方も少なくありません。
当記事ではフリーランス医師の働き方や、フリーランス医師と常勤医の平均年収の違いなどを紹介します。この記事を読むことで、フリーランス医師の働き方や年収が明確になるでしょう。
目次[非表示]
- 1.フリーランス医師とは?
- 2.フリーランス医師の働き方
- 2.1.定期非常勤
- 2.2.スポットバイト
- 2.3.定期非常勤+スポットバイト
- 2.4.臨床以外のパートやアルバイト
- 3.常勤医の働き方
- 4.フリーランス医と常勤医の平均年収比較
- 5.フリーランス医師として働くメリット
- 6.フリーランス医師として働くデメリット
- 7.フリーランス医師に関するよくある質問
- 8.まとめ
フリーランス医師とは?
特定の組織だけではなく、複数の医療機関や企業に所属して働く医師をフリーランス医師といいます。
働く時間や曜日、休日設定など自分の都合に合わせることが可能です。しかし、働き方の自由度が高い反面、確定申告なども自分でやらなければなりません。
フリーランス医師の働き方
フリーランス医師の働き方は、以下の通りです。
- 定期非常勤
- スポットバイト
- 定期非常勤+スポットバイト
- 臨床以外のパートやアルバイト
それぞれ詳しく解説します。
定期非常勤
週4日や、一日6時間など曜日や時間を決めて働くのが、定期非常勤です。定期非常勤には、子育てで長時間働けない方や開業医として独立する前に定期非常勤で働く方などさまざまな方が存在します。
定期非常勤は、フリーランス医師の中で比較的給与が安定しやすいのが特徴です。稼働時間や曜日があらかじめ決められるため、ライフスタイルに合わせた働き方が実現できます。
スポットバイト
「一日何時間で〇〇円」という単発で働くのが、スポットバイトです。
単発での働き方なので、「月〇〇万円」といった固定の給与を得られるのは難しいかもしれません。とはいえ医師のスポットバイトは、短時間で高給の案件が多い傾向にあります。
そのため、人によってはスポットバイトでも満足できる収入を得られる場合もあるでしょう。「短期間でまとまった給与が欲しい」方には、おすすめの働き方です。
定期非常勤+スポットバイト
定期非常勤の働き方に加えて、スポットバイトで給与を得る働き方です。
「週3日は定期非常勤、週1日はスポットバイト」など、自由にカスタマイズして働くことができます。勤務医より自由度が高く、時間も調整しやすいのが特徴です。
臨床以外のパートやアルバイト
フリーランス医師は臨床以外のパートやアルバイトをすることも可能です。
医師の力を欲しているのは、病院やクリニックだけではありません。一般企業などでも医師の力を必要としているケースがあります。また、保健所や行政機関からのニーズも少なくありません。
医師としてのスキルや実績があれば、一般企業や保健所など臨床以外で働くこともできるでしょう。
常勤医の働き方
特定のクリニックや病院などと雇用契約を結んで働くのが常勤医です。常勤医は以下のように定義されています。
「原則として病院で定めた医師の勤務時間の全てを勤務する者」(病院で定めた医師の1週間の勤務時間が32時間の場合は、32時間以上勤務している医師)
常勤医は週5以上勤務するなど、多忙なケースも多くフリーランス医師と比較すると自由度は少ないでしょう。さらにオンコール対応や宿直などもあるため、医師は負担を大きいかもしれません。
フリーランス医と常勤医の平均年収比較
フリーランス医師の平均年収は約2,000万円。一方で常勤医の平均年収は約1,100万円となっています。
ただし上記に記載したフリーランスの平均年収は、週5日勤務で、研究費や交通費、税金などを含めた金額です。税金を支払い、稼働日数を減らした場合は上記の年収を下回ります。
常勤医より年収は高くても働き方や税金の支払いも多いため、フリーランス医師の年収が圧倒的に高いとはいえないでしょう。
フリーランス医師として働くメリット
フリーランス医師として働くメリットは、以下の通りです。
- 短期間で収入アップを実現できる
- 医師としてのスキルアップや経験を積める
- 医師としてのライフプランを設計できる
- 組織への責任や人間関係のトラブルから離れられる
フリーランス医師は、一つの組織に縛られずさまざまな医療機関で働けるため医師としてのスキルアップを目指せます。
また長期間働かなくても、短期間で収入アップも目指せるのがメリットです。人間関係のトラブルから離れられるため、仕事に対するストレスが軽減されるでしょう。
フリーランス医師として働くデメリット
フリーランス医師として働くデメリットは、以下の通りです。
- 安定した収入を得にくい
- 医療事故やトラブルが起きたときの後ろ盾がない
- 人生設計を立てにくい
- 組織をマネジメントする機会が少ない
- 学会や医療技術習得の経費は自己負担となるため出費が大きい
フリーランス医師は時間や働き方の自由度は高いのですが、常勤医のように安定した給与を得られないのが特徴です。
また、病院に所属していると、トラブルが起きた際に後ろ盾になってくれます。一方、フリーランス医師の場合は後ろ盾がないため、トラブルが起きた際は自分で責任を取らなくてはなりません。
さらに、学会に参加する際の費用などは自己負担になるため、出費が大きくなりやすい傾向です。
フリーランス医師に関するよくある質問
フリーランス医師に関するよくある質問は、以下の通りです。
- フリーランス医師と常勤医はそれぞれどのような医師が向いていますか?
- フリーランス医師が活躍しやすい科目や条件はありますか?
疑問を解消できるように、それぞれ詳しく回答します。
質問1.フリーランス医師と常勤医はそれぞれどのような医師が向いていますか?
フリーランス医師に向いている方は、時間や仕事を自己管理できる方です。
フリーランスでは自分で仕事を獲得する必要があります。仕事の獲得に加えて、時間も管理しなくてはならないため、自己管理能力が求められるでしょう。
一方、安定した給与を得たい方や医師として実績や経験を積みたい方は常勤医に向いています。
常勤医は担当する業務が決められているケースが多い傾向です。しかし経験が浅いうちは幅広い業務に携わる機会も必要であるため、経験を積むには良い環境といえるでしょう。
毎月安定した給与を得られる点も、フリーランス医師にはない魅力です。
質問2.フリーランス医師が活躍しやすい科目や条件はありますか?
フリーランス医師が活躍しやすいのは、内科系の診療科目です。
フリーランス医師を採用するのは、クリニックや病院が「即戦力」と判断した場合でしょう。外科などでは、経験が浅い医師を採用するケースは少ないものです。
内科はスポットの仕事が比較的多くあるため、経験の浅い医師が活躍できる可能性があります。
しかし、基本的には専門知識を身につけた経験豊富な医師を求めている医療機関が多いはず。専門知識を身につけたうえで経験を重ねると、単価の高い仕事を獲得できる可能性が高くなります。
まとめ
ここまで、フリーランス医師の働き方や、フリーランス医師と常勤医の平均年収の違いなどを紹介しました。フリーランス医師は、常勤医と比較して時間や働き方の自由度が高いのが魅力です。
ただし、常勤医師のように、毎月安定した給与を得られる可能性は低くなります。医師として経験を積み専門知識を身につけていると、定期非常勤やスポットで採用してくれる医療機関があるはずです。
フリーランス医師として働きたい方は、当記事を参考に自分にあった働き方を見つけましょう。