遠隔診療とは?メリットや課題、よくある質問について徹底解説します!
「遠隔診療ってなに?」
「遠隔診療を導入するメリットを知りたい」
病院やクリニックで働く医療従事者の方で、上記のような疑問を抱えている方は少なくないでしょう。患者数の増加や遠方に住む患者に対応できるように、遠隔診療の導入を検討する医療機関が増えつつあります。
しかし、遠隔診療に対する知見がないと、なぜ導入すべきか理解できないかもしれません。当記事では遠隔診療の定義やメリット、課題などを紹介します。
目次[非表示]
- 1.遠隔診療とは?
- 1.1.遠隔診療の定義
- 1.2.遠隔診療が果たすべき役割と目的
- 2.遠隔診療の4つのメリット
- 2.1.1.患者の負担を軽減できる
- 2.2.2.定期的な治療が可能
- 2.3.3.感染のリスクを減らせる
- 2.4.4.事務の負担を軽減できる
- 3.遠隔診療の3つの課題
- 4.遠隔診療とは、によくある質問
- 4.1.1.遠隔診療とオンライン診療は同じもの?
- 4.2.2.遠隔診療と相性が良い疾患とは?
- 4.3.3.遠隔診療を導入する流れとは?
- 5.まとめ
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遠隔診療とは?
遠隔診療とはスマートフォンやパソコン、タブレットなどの情報通信機器を使用して診察することです。情報通信機器を通して予約や診察、処方などを行えますが、オフラインでの診療と併用するケースが見受けられます。
遠隔診療の定義
遠隔診療の定義は「遠隔医療モデル参考書」で以下のように記されています。
・オンライン診療指針の定義を踏まえ、「情報通信機器を活用した健康増進、医療に関する行為」
引用:遠隔医療モデル参考書
遠隔診療が果たすべき役割と目的
遠隔診療が果たすべき役割と目的は「遠隔医療モデル参考書」で、以下のように定義されています。
役割
・医療従事者(医師・看護師等)、介護関係者(ケアマネジャー・ヘルパー等)、患者等の各関係者間で、必要な情報の伝達・提供・共有を、ネットワークを介して迅速かつ円滑に行えるようにすることで、地域にあまねく隔たりのない医療・介護サービス 環境を実現するために、遠隔医療は実施されます。
目的
・遠隔医療は、ICT を利活用することで、そのような地域における医療資源へのアクセ ス環境を改善することを目指すものです。
引用:遠隔医療モデル参考書
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遠隔診療の4つのメリット
遠隔診療のメリットは、以下の4つです。
- 患者の負担を軽減できる
- 定期的な治療が可能である
- 感染のリスクを減らせる
- 事務の負担を軽減できる
それぞれ詳しく紹介します。
1.患者の負担を軽減できる
患者の負担を軽減できるのが、遠隔診療の導入のメリットです。
対面診療の場合、患者は車やバスなどを使って通院します。病院に着いてから受付や診察、会計が終了するまで、待ち時間が長く患者にとっては大きな負担となるでしょう。
一方、遠隔診療を導入すると、インターネットを利用できる環境であれば自宅やホテルなど、場所を問わず診察を受けられます。病院で待つ必要がないため、患者の負担を軽減することができるのです。
2.定期的な治療が可能
遠隔診療の導入により、定期的な治療が可能です。
患者の中には、平日働いている方や子育てで忙しい方など、さまざまな方がいます。仕事やプライベートが忙しくなると、時間を確保しづらくなり、通院を継続できないケースも少なくありません。
その点、遠隔診療であれば通院時間が不要です。仕事やプライベートで忙しい方でも、時間を確保しやすいため定期的に治療を受けることができます。
3.感染のリスクを減らせる
感染のリスクを減らせる点も、遠隔診療を導入するメリットです。
病院やクリニックは、曜日や時間帯によって混雑しているケースが少なくありません。患者の中で風邪や新型コロナウイルスなどに感染していると、他の患者に感染させてしまう可能性があります。
遠隔診療の場合は、他の患者はいません。自分だけの空間で診察を受けられるため、感染のリスクが軽減できます。院内感染のリスクを考えて通院できない方も、遠隔診療を利用しやすいでしょう。
4.事務の負担を軽減できる
遠隔診療の導入により、事務の業務負担を軽減できます。
患者が来院した場合、事務スタッフは受付対応から案内、会計などさまざまな対応が必要です。また、患者との会話も重要であるため、通常業務が滞ってしまう恐れもあります。
遠隔診療を導入すると、上記の業務はオンラインで対応できるのです。
導入直後は操作方法に慣れるまでに時間を要するかもしれません。しかし慣れると、効率よく業務を進められるようになるでしょう。
受付スタッフの業務負担の軽減を実現するためにも、遠隔診療は有効です。
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遠隔診療の3つの課題
遠隔診療の課題は、以下の3つです。
- ITリテラシーが必要
- コミュニケーションが取りづらい
- 緊急性の高い疾患への対応や検査および正確な診断が行えない
それぞれ詳しく紹介します。
1.ITリテラシーが必要
遠隔診療を使いこなすためには、ITリテラシーが必要です。
遠隔診療は便利である反面、使いこなすまでに時間がかかるケースもあるでしょう。特に高齢の医師や患者はITリテラシーがないことも考えられます。
遠隔診療を有効活用するには、医療者と患者の両方にITリテラシーが必要です。
2.コミュニケーションが取りづらい
遠隔診療には、コミュニケーションが取りづらいという課題があります。オフラインの診察であれば耳が聞こえにくい患者など、一人ひとりに最適なコミュニケーション方法を実践可能です。
しかし遠隔診療だと声を聞き取れないなど、意思疎通がうまく図れないケースも出てくるでしょう。オフラインの診察よりも、コミュニケーションを取りづらいのが遠隔診療の改善すべき課題です。
3.緊急性の高い疾患への対応や検査および正確な診断が行えない
遠隔診療は緊急性の高い疾患への対応や、正確な検査や診断が行えない場合があります。
遠隔診療では触診など患者に触れる検査を行えません。細部まで観察して診断できないため、適切に診断できないケースがあります。
また対応できるのは軽度の疾患に限られるでしょう。緊急性の高い疾患は遠隔診療の対応外です。
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遠隔診療とは、によくある質問
遠隔診療とは、に関するよくある質問は以下の通りです。
- 遠隔診療とオンライン診療は同じもの?
- 遠隔診療と相性が良い疾患とは?
- 遠隔診療を導入する流れとは?
疑問を解消できるように、それぞれ詳しく回答します。
1.遠隔診療とオンライン診療は同じもの?
遠隔診療とオンライン診療は、基本的に同じです。どちらもスマートフォンやパソコン、タブレットなどの情報通信機器を使用してインターネット上で診察します。
しかし遠隔診療の中でも医師と患者間以外や、リアルタイムではないものはオンライン診療と呼びません。意味が混同しやすいため、注意しましょう。
引用:日本産婦人科医会
2.遠隔診療と相性が良い疾患とは?
遠隔診療と相性が良い疾患は、以下の通りです。
- 循環器:高血圧性疾患・不整脈・心不全
- 消化器:胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃炎及び十二指腸炎
- 内分泌・代謝:糖尿病・脂質異常症・甲状腺障害
3.遠隔診療を導入する流れとは?
遠隔診療を導入する流れは、以下の通りです。
- オンライン診療用システムの購入
- システムのPCセットアップ
- 厚生局へ届出
- オンライン診療の対象患者を決定
- 対象患者とオンライン診療計画書を作成
- 患者さまへオンライン診療用アプリの使い方を説明
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まとめ
ここまで、遠隔診療の定義やメリット、課題などを紹介しました。
遠隔診療の導入により患者の負担を軽減でき、定期的に治療を継続できるなどのメリットがあります。また、事務スタッフの業務負担も抑えられるでしょう。
一方、医師と患者どちらにもITリテラシーが必要であるなどの課題も存在します。
遠隔診療のメリットや課題を把握してから導入すると、効果的です。また、使いこなせるまでに時間もかからないため業務効率をアップできるでしょう。