【最新版】開業しやすい診療科TOP5!開業資金の目安や開業に失敗しないためのポイントも紹介
「どの診療科で開業するか迷う」
「開業の失敗を避ける方法を知りたい」
将来的に開業を目指している医師で、上記の悩みを抱えている方は少なくありません。
得意な診療科がいいのか開業しやすい診療科がいいのか開業する際の診療科で迷っている方もいるのではないでしょうか。事前に開業しやすい診療科がわかれば、安心して開業準備に取り掛かれるでしょう。
当記事では開業しやすい診療科や開業しやすい診療科目の開業資金の目安、開業に失敗しないためのポイントを紹介します。
目次[非表示]
- 1.開業しやすい診療科TOP5
- 1.1.【5位】眼科
- 1.2.【4位】産婦人科
- 1.3.【3位】在宅診療
- 1.4.【2位】内分泌・糖尿病内科
- 1.5.【1位】精神科・心療内科
- 2.開業しやすい診療科目の開業資金の目安
- 2.1.1.精神科・心療内科
- 2.2.2.内分泌・糖尿病内科
- 2.3.3.在宅診療
- 2.4.4.産婦人科
- 2.5.5.眼科
- 3.開業に失敗しないための6つのポイント
- 3.1.1.既存クリニックをしっかりと調査する
- 3.2.2.事業・資金計画をしっかりと策定する
- 3.3.3.自院の強みを明確にして活かす
- 3.4.4.自己資金をすべて開業資金に回さない
- 3.5.5.インターネット戦略にも注力する
- 3.6.6.パート採用にも力をいれる
- 4.開業しやすい診療科についてよくある質問
- 4.1.1.ニーズのある診療科とは?
- 4.2.2.ニーズが減り続けている診療科とは?
- 4.3.3. 開業する際に人気の診療科とは?
- 5.まとめ
開業しやすい診療科TOP5
厚生労働省の「第22回医療経済実態調査 」を参考に、開業資金を比較的安く抑えて開業しやすい診療科を紹介します。
- 眼科
- 産婦人科
- 在宅診療
- 内分泌・糖尿病内科
- 精神科・心療内科
それぞれ詳しく紹介します。
【5位】眼科
眼科は、子どもから高齢者まで幅広く利用する診療科であるため、収益を維持もしくは、上げやすいのが特徴です。
集患率をアップさせるためには、一人暮らしよりも家族が多く暮らしている場所に開業しましょう。また、診療以外にも白内障などの手術ができると、より患者を確保しやすくなります。
【4位】産婦人科
産婦人科を開業する際は、立地に重点をおきましょう。
産婦人科には、不妊治療を目的に通院する方も少なくありません。仕事を続けながら不妊治療のために通院する方もいるでしょう。
患者が少しでも通いやすいように、駅から近い場所などに開業するのがおすすめです。
また、女性の患者が通うため院内は綺麗で清潔感あふれる内装にしましょう。
【3位】在宅診療
在宅医療は他の診療科と異なり、自分のクリニックを準備する必要はありません。
開業でネックになるのがクリニックの物件選びや内装にかかる費用です。せっかく開業するのであれば、自分のこだわりが詰まったクリニックを開業したいと思うでしょう。
開業は内装などどこまでもこだわれるため、初期費用が高くなりがちです。
在宅医療であれば物件選びや内装費がかからないため、初期費用を安く抑えられます。
開業地の基幹病院や訪問看護ステーションとの連携は必要ですが、初期費用が安く開業しやすい診療科の一つです。
【2位】内分泌・糖尿病内科
内分泌・糖尿病内科も条件によっては、初期費用を安く抑えて開業することができます。
「前勤務先の外来患者を連れていくが、病診連携を取り付ける」という状況を作れると、自己資金がなくても開業することが可能です。
生活習慣病患者が増加傾向にある現代では、内分泌・糖尿病内科のニーズも多いため開業しやすいと言えるでしょう。
【1位】精神科・心療内科
精神科・心療内科は、全診療科の中で開業資金が少ないため独立しやすい傾向です。
精神科・心療内科の設備で使用するのは、電子カルテやレセコンなどの電子機器のみです。他の診療科目のような高額な医療機器は不要であるため、費用を抑えて開業できるでしょう。
ビル内などにクリニックを構える場合は、費用が高くなりますが基本的には少額で開業できる診療科です。
開業しやすい診療科目の開業資金の目安
ここでは、開業しやすい診療科目の開業資金の目安を紹介します。
- 精神科・心療内科
- 内分泌・糖尿病内科
- 在宅診療
- 産婦人科
- 眼科
1.精神科・心療内科
精神科・心療内科では、約1,500〜2,500万円必要です。
精神科・心療内科では高額な医療機器が不要であるため、自己資金がなくても開業できる場合があります。精神科・心療内科で患者を集めるには、立地の良い物件を見つけましょう。
患者の目につきやすい場所で開業できると、集客にかける時間を削減することができます。
2.内分泌・糖尿病内科
内分泌・糖尿病内科で開業する際は、約6,000〜8,000万円の費用が必要です。
内分泌・糖尿病内科は、検査数も多く患者が院内に滞在する時間も長いため、多くの医療機器や広い敷地が必要であるからです。ちなみに、上記の開業資金は、高額な医療機器を導入した場合に必要であると認識しておきましょう。
なお、レントゲンは不要なケースが多いため、導入しなくても問題ありません。内分泌・糖尿病内科で開業を目指す方は、本当に必要な医療機器だけ導入すれば初期費用を抑えられるでしょう。
3.在宅診療
在宅医療は開業資金がほとんどかかりません。
というのも、クリニックを構える必要はなく高額な医療機器の導入もないため、費用をかけずに開業することができます。「開業したいけれどできるだけ費用をかけたくない」という方におすすめの診療科です。
4.産婦人科
産婦人科の開業に必要な資金は、土地代や設備費を合わせて約5,000万円です。
通常の診療や治療であれば約5,000万円で開業可能ですが、不妊治療などを扱う場合は約1億円必要になるでしょう。産婦人科を開業する際は、事前に不妊治療を標榜するのか決めておくのが重要です。
5.眼科
眼科の開業に必要な資金は、約5,000〜7,000万円です。
眼科は子どもから高齢者まで利用する診療科であるため、収益を上げやすいのがメリット。一方、手術や診察には高額な医療機器が必要です。
また、物件や土地が決まっていない場合はさらに土地代なども必要になります。多く見積もったうえで、5,000〜7,000万円を用意して眼科を開業しましょう。
開業に失敗しないための6つのポイント
開業に失敗しないためのポイントは以下の6つです。
- 既存クリニックをしっかりと調査する
- 事業・資金計画をしっかりと策定する
- 自院の強みを明確にして活かす
- 自己資金をすべて開業資金に回さない
- インターネット戦略にも注力する
- パート採用にも力をいれる
それぞれ詳しく紹介します。
1.既存クリニックをしっかりと調査する
開業に失敗しないためにも、既存クリニックを徹底的に調査しましょう。開業地に同じ診療科がある場合、競合になるため患者を取り合うことにもなりかねません。
他のクリニックに患者が集まる理由や、サービス内容などを調査したうえで「他のクリニックとどこで違いを出すか」を明確にすることが大切です。
また、開業予定地に競合が多い場合は集患が難しいため、開業地の変更を検討してみても良いでしょう。
2.事業・資金計画をしっかりと策定する
事業・資金計画はしっかり決めてから開業しましょう。
開業当初に不要な医療機器を導入してしまう可能性があります。不要なものを導入した結果、資金繰りに悩むケースも多い傾向です。
事業計画・資金計画を細かく決めることで、安全な資金繰りを行うことができるでしょう。
3.自院の強みを明確にして活かす
自院の強みを明確にしてから開業しましょう。
自院の強みは患者へのアピールポイントとなり、それを目的に来院する方もいます。強みが明確でないと、競合との差別化も図れないため集患に苦労するかもしれません。
患者に自院の魅力を伝えられるように、早い段階で強みを明確にするのが重要です。
4.自己資金をすべて開業資金に回さない
自己資金はすべて開業資金に回さないようにしましょう。
自己資金を使いすぎてしまうと、資金繰りがうまくいかなかった際、クリニックの運営や私生活に回すお金もなくなってしまいます。突発的なトラブルに対応できるよう、自己資金の使いすぎには注意しましょう。
5.インターネット戦略にも注力する
クリニックの開業を患者に認知してもらうためにも、インターネット戦略にも注力しましょう。
患者はインターネットでクリニックの情報を集め、通院先を決める場合が多い傾向です。どれだけいいサービスを提供していても認知度が低いと、患者に利用してもらえません。
自院の特徴や強みがわかるホームページを作成するなど、インターネット戦略に注力し患者を集めましょう。
6.パート採用にも力をいれる
開業に失敗しないためには、パート採用にも力を入れましょう。
医療スタッフを確保する際、常勤スタッフの雇用を考える方もいるのではないでしょうか。しかし、常勤スタッフを雇用するには人件費がかかります。
開業後、売り上げが安定するまではパートを採用するなどして人件費を抑えると、医療スタッフを採用できるでしょう。
開業しやすい診療科についてよくある質問
開業しやすい診療科についてよくある質問は以下の通りです。
- ニーズのある診療科とは?
- ニーズが減り続けている診療科とは?
- 開業する際に人気の診療科とは?
疑問を解消できるように、質問についてそれぞれ詳しく解説します。
1.ニーズのある診療科とは?
ニーズのある診療科は、糖尿病内科やリハビリテーション科です。
日本は高齢化が進んでいるため、高齢者がかかりやすい病気を治療できる診療科はニーズがあります。糖尿病患者も年々増加しており、ニーズが高いと言えるでしょう。
2.ニーズが減り続けている診療科とは?
ニーズが減り続けている診療科は、外科と内科です。この2つの診療科は年々減少しています。また、少子化の影響で小児科も減少傾向にあります。
3. 開業する際に人気の診療科とは?
開業する際に人気の診療科は、内科やリハビリテーション科です。人気の診療科で開業しても良いのですが、ニーズを確認するためにも開業地調査は必ず行いましょう。
まとめ
ここまで、開業しやすい診療科や開業しやすい診療科目の開業資金の目安、開業に失敗しないためのポイントを紹介しました。
開業しやすい診療科や資金の目安がわかっていると、開業に対するハードルが下がりポジティブに取り組めるようになります。開業に失敗する人は自己資金を使いすぎる傾向があるため、ポイントを理解しておけば失敗のリスクを軽減できるでしょう。
開業に際して診療科の選定に悩んでいる方は、当記事を参考に診療科を選んでみてはいかがでしょうか。