整形外科を開業する際のポイントを徹底解説|失敗する原因や開業資金についてもご紹介
医療機関の開業では、診療科目によって考えるべきことが異なります。この記事では、整形外科を開業する場合において、注意するべき点や成功するポイントを紹介していきます。
目次[非表示]
- 1.整形外科の開業にあたって
- 1.1.整形外科の特徴
- 1.2.整形外科の開業資金
- 1.3.整形外科医の平均年収
- 2.整形外科の開業で失敗する主な3つの原因
- 2.1.1.地域との連携を図っていない
- 2.2.2.広報戦略を立てていない
- 2.3.3.開業直後から多角経営している
- 3.整形外科の開業を成功させるための7つのポイント
- 3.1.1.高齢者向けであれば「骨密度検査機器」の導入を検討する
- 3.2.2.無駄な投資は避ける
- 3.3.3.自由診療を取り入れる
- 3.4.4.夜間・土曜診療の実施
- 3.5.5.スタッフの採用
- 3.6.6.開業物件は来院しやすい工夫を凝らす
- 3.7.7.比較的広めな内装にする
- 4.まとめ
整形外科の開業にあたって
整形外科を開業するにあたって、特徴や開業資金、平均年収などを説明していきます。
整形外科の特徴
整形外科は診療スペースとリハビリスペースが必要であったり、放射線技師や理学療法士など多職種のスタッフを採用したりすることが特徴です。また、特殊な設備が必要になるなど、初期費用が高くなります。そのため、最初はリハビリテーションを中心に、収益性の高い診療内容から始めることが一般的です。
整形外科の開業資金
整形外科の開業資金は、テナントであれば6,000〜8,000万円、戸建てであれば1億円を超えることがほとんどであると考えてください。場所によってはさらに高くなる可能性もあります。整形外科によって導入する医療機器が異なりますが、もともとの資金が高額になることからも、無駄な設備投資はNGです。
整形外科医の平均年収
整形外科医の平均年収は約2,998万円と、他の診療科目よりも高額であることが特徴です。
整形外科の開業で失敗する主な3つの原因
整形外科の開業で失敗する主な原因は、以下の3つです。
- 地域との連携を図っていない
- 広報戦略を立てていない
- 開業直後から多角経営している
1.地域との連携を図っていない
整形外科の開業で失敗する原因として、地域との連携を図れていない点が挙げられます。例えば、同じ地域のクリニックと良好な関係を築いていれば、相互に患者を紹介しやすくなります。紹介であれば、患者も安心して受診しやすくなるでしょう。特に、整形外科は慢性的な痛みや症状がある患者が多く、長期間に渡ってリピーターとなる可能性が高まります。
2.広報戦略を立てていない
整形外科の開業で失敗する原因として、広報戦略を立てていないことも、整形外科の開業で失敗する原因の一つです。整形外科は年齢や性別など幅広い患者が来院します。そのため、幅広く戦略を立てることが重要です。ホームページやSNSなどのWeb広告から折込チラシまで、さまざまな方法で宣伝することが大切です。
3.開業直後から多角経営している
整形外科の開業で失敗する原因として、開業直後から多角経営している場合があります。まだ患者が多くない状態で多角経営すると、コスト面で負担が大きくなり経営が苦しくなる場合があるのです。特に、医療機器を揃えて担当者を多く雇用する場合は、その分負担が大きくなり赤字経営となる可能性が高まります。経営しながら、だんだんと機器や担当者を増やしていくのが賢明です。
整形外科の開業を成功させるための7つのポイント
整形外科の開業を成功させるためのポイントは、以下の7つです。
- 高齢者向けであれば「骨密度検査機器」の導入を検討する
- 無駄な投資は避ける
- 自由診療を取り入れる
- 夜間・土曜診療の実施
- スタッフの採用
- 開業物件は来院しやすい工夫を凝らす
- 比較的広めな内装にする
1.高齢者向けであれば「骨密度検査機器」の導入を検討する
整形外科の開業を成功させるためには、高齢者向けに「骨密度検査機器」の導入を検討するとよいでしょう。令和2年度診療報酬改定において、DEXA法を活用した腰椎撮影は360点と採算がとれるよう変更になっています。さらに、骨粗しょう症を予防することができ他のクリニックとの差別化が図れます。
2.無駄な投資は避ける
整形外科の開業を成功させるためには、無駄な投資は避けることも、整形外科の開業を成功させるためには重要です。整形外科にはさまざまな医療機器が必要ですが、1つずつが高額であり、無駄に投入すると初期費用だけでかなり高額となってしまいます。
3.自由診療を取り入れる
整形外科の開業を成功させるための方法の一つに自由診療を取り入れることがあります。自由診療とは、公的医療保険を適用しないため、健康保険証を使うことはできません。整形外科の多くは、自由診療を取り入れている傾向ですが、患者には明確に説明・掲示することが重要です。
4.夜間・土曜診療の実施
整形外科の開業を成功させるためには、夜間・土曜診療の実施がおすすめです。整形外科は急ぎで受診したい患者が多く、夜間や日曜日などに受診できると他のクリニックと差別化できます。
5.スタッフの採用
整形外科の開業を成功させるためには、多職種のスタッフを採用しましょう。整形外科を運営するためにはレントゲンをとるための放射線技師や理学療法士、作業療法士などが必要です。
6.開業物件は来院しやすい工夫を凝らす
整形外科の開業を成功させるためには、開業物件は来院しやすい工夫を凝らすことが大切です。例えば、車で乗り入れしやすい入口であったり、車いすでも出入りをしやすいようバリアフリー仕様にしたりすることで、患者が来院しやすくなります。
7.比較的広めな内装にする
整形外科の開業を成功させるためには、比較的広めな内装にすることが、整形外科の開業を成功させるためには必要です。開業時は少しでも費用を抑えるために、内装を狭くするケースがあります。しかし、内装が狭いと車いすや松葉づえを使った患者が動きづらく、手足をぶつけてしまうなどのリスクがあります。そのため、整形外科は他の診療科目よりも広めの内装にするのが一般的です。
まとめ
整形外科の開業で失敗する理由として、広報戦略を立てられていないことや地域との連携が図れていないことなど、さまざまな理由が挙げられます。対策としては無駄な投資は避けて患者がより快適に過ごせるような環境作りが大切です。