【病院・クリニック向け】麻酔管理システム7選!!特徴から選び方まで徹底解説します!
手術中の麻酔業務において、バイタルサインや使用した薬品量を記録する「麻酔記録」は重要な業務です。重要な業務を迅速に行い、的確かつ気軽に記録できるように、近年は麻酔記録を手軽に行える「麻酔管理システム」も増えています。
しかし「麻酔記録」をサポートする麻酔管理システムは、いくつかのメーカから販売されており、どのメーカのものを導入するべきか悩まれている人も多いでしょう。
当記事では、麻酔管理システムの特徴や選び方、おすすめのシステム7選を解説します。
目次[非表示]
- 1.麻酔管理システムとは?
- 2.麻酔管理システムを選ぶ際のポイント
- 2.1.1.機器・システムとの連携範囲
- 2.2.2.どれくらいの費用がかかるのか
- 2.3.3.サポート内容はどれだけ充実しているのか
- 3.おすすめの麻酔管理システム7選
- 3.1.1.Mirrel-SA CVW-500
- 3.2.2.QS-125M
- 3.3.3.Prescient OR
- 3.4.4.DS麻酔記録システム
- 3.5.5.iPChart
- 3.6.6.ERGA
- 3.7.7.ARIS
- 4.まとめ
麻酔管理システムとは?
麻酔管理システムとは、麻酔機器を用いて得た手術前後の患者のバイタルサインや、薬剤の使用記録といったデータを管理するシステムです。
電子カルテと連携することで、患者情報を一元管理できるため、病状を管理しやすいといったメリットがあります。
麻酔管理システムを選ぶ際のポイント
麻酔管理システムを選ぶ際のポイントは以下の3つです。
- 機器・システムとの連携範囲
- どれくらいの費用がかかるのか
- サポート内容はどれだけ充実しているのか
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.機器・システムとの連携範囲
麻酔機器をはじめ、電子カルテシステムや手術室内の各種ME機器と連携できれば、データを共有しやすく、患者の病床を管理しやすくなります。したがって、各種機器・システムとの連携範囲について確認しておきましょう。
また、連携できたとしても、取り込めるデータ量が少なければ、スムーズに共有できません。使い勝手の良さや取り込める測定項目の多さも、麻酔管理システムを選ぶ際のポイントです。
2.どれくらいの費用がかかるのか
麻酔管理システムの導入費用は、数百万円あたりが相場だといわれてます。
ただし、各メーカや機能によって費用は異なるため、見積もりをとって比較し、慎重に検討することが大切です。
3.サポート内容はどれだけ充実しているのか
サポート内容も麻酔管理システムを選ぶ際の重要なポイントです。医療機関によっては、システムの利用にあたって不安を感じる場合もあるでしょう。
そのような場合は、専任のスタッフが各医療機関に定期的に訪問し、麻酔管理システムの運用方法や操作のレクチャーを丁寧にしてくれるメーカーを選ぶことをおすすめします。
おすすめの麻酔管理システム7選
おすすめの麻酔管理システムは次の7つです。
システム名 |
提供メーカー |
|
1 |
Mirrel-SA CVW-500 |
フクダ電子 |
2 |
QS-125M |
日本光電 |
3 |
Prescient OR |
富士フイルム |
4 |
DS麻酔記録システム |
大新技研 |
5 |
iPChart |
ソルブ |
6 |
ERGA |
フィリップス |
7 |
ARIS |
ドゥウェル |
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.Mirrel-SA CVW-500
生体情報モニタから、バイタルデータを麻酔記録に自動プロットをし、麻酔記録の記載を補助してくれます。投与薬剤やイベントについては、ボタンから記載が可能であり、薬剤ボタンは薬剤の溶き方や投与方法まで指定し、登録できます。
薬剤・イベントのボタンは、マスタメンテナンスによって利用者が変更可能です。そのため、ボタンの変更・ジェネリックへの薬剤切り替えにも対応でき、恒久的に使用することができます。
また、投与した薬剤量から使用薬剤本数を計算し、医事請求に必要な単位に変換してコスト画面に表示させることもできるのです。
2.QS-125M
QS-125Mをインストールしたパソコンで麻酔記録の作成が可能です。患者基本情報画面・麻酔記録(全麻・局麻)画面から情報を集約し、麻酔台帳を自動作成します。
麻酔記録情報を元に、投与した薬剤・輸液・輸血のコスト請求に必要なボトル数・アンプル数を自動計算し、通知票を自動作成できます。
入力サポート機能も充実しているため、導入しやすいシステムです。
3.Prescient OR
手術に関連するさまざまな情報やバイタルサインデータを、正確に記録および一括管理することができます。マルチベンダーとの接続に対応したシステムであり、異なるメーカの医療機器が混在している環境でもシステム構築が可能です。
手術業務フローに合わせた機能ボタンを、ナビゲーションバーに集約し、麻酔法や術式ごとにナビゲーションバーをカスタマイズできます。また、表示画面の構成をユーザが利用しやすいように変更することも可能です。
電子カルテから手術オーダーを受信し、この手術オーダーを容易に割りつけることによって、効率的な手術スケジュールを作成できます。なお、術中記録はナースステーションや医師控室からリアルタイムで参照が可能です。
4.DS麻酔記録システム
手術室のスタッフが本来の業務に集中できるよう、直感的な操作での麻酔記録作成をアシストしてくれます。手術室単体運用から電子カルテとの連携まで、拡張性高く、充実した機能が用意されています。
優れた視認性により、薬剤一括入力や総量の自動集計といった簡便な操作で正確な記録の作成が可能です。またメーカ・機種を問わず、さまざまな生体モニタ・ME機器との連携が可能となっています。
さらに、手術申込やスケジュール割付ができ、病棟から手術室の状況がリアルタイムで確認することが可能です。
5.iPChart
ペーパーチャート(フリーソフトウェア)の機能に、ソルブ社が独自開発した「注射薬認識システム」を連携させたシステムです。高性能かつ安価であり、すべての薬品をバーコードリーダーで一元管理し、麻酔記録システムへの自動プロットや医事請求数を簡単に確認・管理できます。
準備した薬品は画面表示されるため、画面タッチ→投与量確認→実行で簡単に麻酔記録への自動プロットが可能です。またモニタ2台が標準装備であるため、画面の切り替えなしで麻酔記録と医事請求を同時に進めることができます。
6.ERGA
2021年4月に発売開始された麻酔記録システムです。
シミュレーション機能や手術予定割付・手術ステータスボードといった機能を持っています。
7.ARIS
「ARIS」は入力画面が麻酔記録用紙をベースにした画面となっているため、視認性が高い麻酔管理システムです。イベントボタンによる一発入力、セット化による簡単入力といったシンプルなインターフェースとなっています。
また、さまざまな種類の集計やCSV出力が可能です。さらにほぼすべてのシステム項目を、ユーザが自由にカスタマイズできます。
まとめ
今回は、麻酔管理システムの特徴や選び方、おすすめの麻酔管理システムについて解説してきました。バイタルサインデータの自動プロットや、視認性の高いユーザインターフェース、ユーザ側で画面のカスタマイズ機能といったさまざまな便利機能が備わっています。
ただし、システムによってコストや機能、連携できる機器・システム、取り込めるデータ量は異なるため、導入前に自院に適したシステムなのかしっかりと確認することが大切です。