CLINICSカルテの料金・価格・費用

catch-img

クリニック開業時の保健所立入検査とは?検査でチェックされるポイントを紹介

クリニックを開業予定の方で、上記のような不安を抱えている方もいるでしょう。

クリニックを運営するにあたって、保健所の立入検査は避けては通れません。しかし、どんな項目をチェックされるのか具体的にわからない方も多いはずです。

当記事では保健所の立入検査や立入検査でチェックされるポイント、保健所立入検査の当日の流れなどを紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.保健所の立入検査とは?
  2. 2.立入検査でチェックされるポイント
    1. 2.1.1.院内掲示の有無
    2. 2.2.2.医療従事者数
    3. 2.3.3.医薬品の管理体制
    4. 2.4.4.必要文書の記録・管理体制
    5. 2.5.5.診療放射線関係
    6. 2.6.6.医療安全管理体制
    7. 2.7.7.防火・防災体制
    8. 2.8.8.院内感染対策
  3. 3.保健所立入検査の当日の流れ
  4. 4.保健所立入検査に関するよくある質問
    1. 4.1.質問1.保健所立入検査の指摘や指導とは何ですか?
    2. 4.2.質問2.保健所立入検査で多い指摘・指導事項はどのようなものですか?
    3. 4.3.質問3.保健所立入検査は開業時のみの実施ですか?
  5. 5.まとめ

保健所の立入検査とは?

必要に応じて保健所がクリニックなどの医療機関に立ち入って検査するのが、保健所の立入検査です。

クリニックを開設する際には「開設許可申請」を提出します。開設許可申請後、クリニックの開設までの期間に保健所の立入検査が行われるケースが多い傾向です。




立入検査でチェックされるポイント

立入検査でチェックされるポイントは、以下の通りです。

  • 院内掲示の有無
  • 医療従事者数
  • 医薬品の管理体制
  • 必要文書の記録・管理体制
  • 診療放射線関係
  • 医療安全管理体制
  • 防火・防災体制
  • 院内感染対策

それぞれ詳しく紹介します。

1.院内掲示の有無

保健所の立入検査では、院内掲示の有無を確認される場合が多い傾向です。クリニック内では、患者に情報が伝わりやすいように以下について掲示する必要があります。

  • 診察日時
  • クリニックの管理者、医師の名前
  • レントゲン室や診察室など、部屋の使用用途
  • 管理者やスタッフ、患者の個人情報の管理体制を明示したもの

上記の掲示物は、保健所からの立入検査で確認される項目です。また掲示することで、患者に正しい情報を伝えることができます。

患者から信頼されるクリニックを作るためにも、院内掲示は重要です。

2.医療従事者数

医療従事者数も保健所の立入検査で確認されます。医療従事者数の検査対象になるのは、以下の職種です。

  • 医師数
  • 歯科医師数
  • 薬剤師数
  • 看護師数
  • 看護補助者数
  • (管理)栄養士数

クリニックの管理者は、上記の医療従事者の個人情報を保管しておかなければいけません。医療従事者の個人情報は保健所の立入検査でチェックされるため、免許証のコピーを必ず院内に保管しておきましょう。

3.医薬品の管理体制

保健所の立入検査では、どのように医薬品を管理しているのかチェックされるので注意が必要です。

クリニックには、医療従事者でなければ扱えない医薬品が存在します。保健所の立入検査では、医薬品を保管規制の通りに保管できているか確認されるでしょう。

確認される医薬品と保管方法は、以下の通りです。

  • 麻薬:麻薬帳で常に在庫状況を確認できるようにして、鍵付きの麻薬専用金庫に保管
  • 向精神薬:鍵付きの保管庫に保存
  • 冷所保存品:専用冷蔵庫を用意して、飲食物とは別で保存
  • 毒劇物:毒劇物とそれ以外の医薬品を別の鍵付き保管庫で保存

4.必要文書の記録・管理体制

保健所の立入検査では、必要文書の記録や管理体制もチェック対象になります。チェックされる必要文書の記録や管理体制は、以下の通りです。

  • 診療所開設届
  • カルテ(診療日より最低5年は保管しておく)や電子カルテデータ
  • 各種装置の備付届(X線装置など)
  • 各種検査記録(X線装置の定期測定記録など)
  • 医療に関わる安全管理や院内感染対策の指針に関する文書
  • 処方箋の控え
  • 医薬品の安全な使用法に関する文書
  • 職員の健康診断書
  • 医療従事者の本人確認書類のコピー
  • 職員の研修記録書類

保健所の立入検査は、クリニック開業時だけではなく開業後に行われるケースもあります。

上記の文書の中には、クリニック開業時に揃えられない書類もあるでしょう。開業後の立入検査に備えて、必要文書は必ず院内に保管してください。

5.診療放射線関係

診療放射線関係も保健所の立入検査で確認される項目です。主な検査項目は以下の通り。

  • 管理区域
  • 敷地の境界等における防護措置
  • 放射線障害の防止に必要な注意事項の掲示
  • 放射線装置・器具・機器及び同位元素の使用室・病室の標識
  • 使用中の表示
  • 取扱者の遵守事項
  • 従事者の被ばく防止の措置
  • 患者の被ばく防止の措置
  • 器具又は同位元素で治療を受けている患者の標示
  • 使用・貯蔵等の施設設備
  • 照射器具及び同位元素の管理
  • 障害防止措置
  • 閉鎖施設の設備・器具
  • 放射性同位元素使用室の設備
  • 貯蔵箱等の障害防止の方法と管理
  • 廃棄施設
  • 通報連絡網の整備
  • 移動型エックス線装置の保管
  • 陽電子断層撮影診療用放射性同位元素の使用体制の確保

6.医療安全管理体制

医療安全管理体制は、クリニックで安全に医療を提供できているのかを確認する重要なポイントです。確認されるポイントは、以下をご覧ください。

  • 医療に係る安全管理のための指針の整備
  • 医療に係る安全管理のための委員会の開催
  • 医療に係る安全管理のための職員研修の実施
  • 事故報告等の医療に係る安全の確保を目的とした改善のための方策

7.防火・防災体制

火事などのトラブルが起きたときのために、防火・防災体制が整っているかを検査されます。確認されるポイントは、以下の通りです。

  • 防火管理者及び消防計画
  • 消火訓練・避難訓練
  • 防火・消火用設備の整備
  • 点検報告等
  • 防災及び危険防止対策

8.院内感染対策

保健所の立入検査では、院内感染対策もチェックされるので注意しましょう。

  • 院内感染対策
  • 院内感染対策の指針の整備
  • 院内感染対策のための委員会開催





保健所立入検査の当日の流れ

保健所立入検査の当日の流れは、以下の通りです。

  • 検査当日は担当者が1〜2名で訪問
  • クリニック内を回り項目に沿って検査する
  • 指摘事項を口頭で伝えられる
  • 検査終了

指摘事項は口頭で伝えられるケースが多いのですが、指摘事項の数が多くなると後日文書が送られてくる場合もあります。指摘箇所は、可能な限り早く改善に努めましょう。




保健所立入検査に関するよくある質問

保健所立入検査に関するよくある質問は、以下の通りです。

  • 保健所立入検査の指摘や指導とは何ですか?
  • 保健所立入検査で多い指摘・指導事項はどのようなものですか?
  • 保健所立入検査は開業時のみの実施ですか?

疑問を解消できるように、それぞれ詳しく紹介します。

質問1.保健所立入検査の指摘や指導とは何ですか?

保健所立入検査の指摘と指導の違いは、以下の通りです。

  • 指摘:医療法に係る法令不備(他の法令を除く)
  • 文書指導:法令不備の中で軽微なもの。通知に対する重大な不備。他の法令の不備
  • 口頭指導:通知に対する不備など

指摘や指導を受けた箇所は、早急に改善に努めましょう。

質問2.保健所立入検査で多い指摘・指導事項はどのようなものですか?

保健所立入検査で多い指摘・指導事項は以下の通りです。

  • 届出・許可事項(変更許可未申請)
  • 院内掲示(院内掲示に定められた事項が未掲示)
  • 広告(虚偽または悪質な広告違反)
  • 医療法上の届出と異なった用途で部屋を利用している
  • 使用許可を受けている病床を稼働していない状態が続いている
  • 看護師及び准看護師の員数不足
  • 医師の員数不足
  • 薬剤師の員数不足
  • 看護補助者の員数不足
  • 歯科医師の員数不足

質問3.保健所立入検査は開業時のみの実施ですか?

保健所立入検査は開業後にも実施されます。医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査は、全ての医療機関を対象としており原則年1回実施されます。




まとめ

ここまで、保健所の立入検査や立入検査でチェックされるポイント、保健所立入検査の当日の流れなどを紹介しました。保健所の立入検査は、クリニックが患者に安全な医療を提供できるかチェックするためのものです。

クリニック開業後にも原則年1回実施されるため、必要な文書などを準備し指摘された箇所は早急に改善するようにしましょう。


​​​​​​​

執筆監修者:CLINICS編集部
執筆監修者:CLINICS編集部
CLINICS利用医療機関数約3,300件の導入実績をもとに、医療機関様に役立つ情報発信をしております。医療システムのみならず、クリニック経営についても情報発信中です。
医院経営に役立つ情報配信中!友だち追加でお役立ち情報を受け取る

CLINICSカルテのお問い合わせ

CLINICS専任スタッフが、電子カルテ導入や活用方法などのご相談に丁寧にお答えいたします。

CLINICSカルテ
資料ダウンロード