ORCA、CLINICSカルテの「レセプト内包」とは?日レセ(日医標準レセプトソフト)の特長や電子カルテとの連携を解説

ORCA PROJECT 公式マーク

ORCAとは

ORCA(オルカ)とは、日本医師会が発足した研究事業プロジェクトの名称です。
ORCAプロジェクトでは、日医標準レセプトソフト(日レセ)をオープンソースとして公開しています。
日レセは、日本医師会が提供する、日本の医療現場のためのレセコンです。

あくまでもORCAはプロジェクトの名称となりますが、日レセの通称として用いられることが一般的となっています。
ORCAは、Online Receipt Computer Advantage(進化型オンラインレセプトコンピュータシステム)の頭文字を取った言葉です。

ORCAプロジェクトは、医療情報ネットワーク推進委員会における「医師会総合情報ネットワーク構想」(1997年 情報化検討委員会)を構成するツールの一つとしてスタートしました。

日本医師会がORCAプロジェクトを始めた2002年以前は、医療機関には下記のような情報化の課題がありました。

  • レセコン内の情報に互換性がない
  • 情報交換の基盤が未整備
  • 医療情報を求めるニーズへの対応が不十分
  • 情報の活用技術と意識が低い
  • レセコンが単なるレセプト印刷用の事務機となっていて値段も維持費も高価 
こうした背景が、ORCAプロジェクトの発端となっています。
2001年に公表された「日医IT化宣言」において、ORCAプロジェクトの目的が語られています。

医療現場のIT(情報技術)化を進めるため、土台となるネットワークづくりを行うことを宣言します。まず各医療現場に標準化されたオンライン診療レセプトシステムを導入し、互換性のある医療情報をやりとりできるようにする計画(ORCA、Online Receipt Computer Advantage)を推進します。この計画のために日医が開発したプログラムやデータベースはすべて無償で公開されます。医療現場の事務作業の効率化を図り、コストを軽減させると同時に、誰もが自由に利用できる開放的なネットワークを形成し、国民に高度で良質な医療を提供することをめざします。

(社団法人 日本医師会「日医IT化宣言」より引用)

2016年には、医療分野のIT化の新たな指針として「日医IT化宣言2016」が公表されました。
この宣言では、医療等IDの普及拡大に向けて、全ての医療機関等が接続できる公的な全国ネットワークを提唱するなど、これまで以上に医療分野のIT化に取り組んでいく考えを表明しています。

その第一弾として、日医標準レセプトソフトクラウドサービス(日レセクラウド)の提供が開始されています。

ORCAプロジェクトは、今後、医療の質向上のため、感染症の流行情報、医薬品の併用禁忌、診療ガイドラインなど、医療機関だけでなく、国民に役立つ医療情報データベースを拡充・提供していく計画とのことです。

医師会総合情報ネットワーク構想

 

医師会総合情報ネットワーク構想とは、すべての医師会をネットワークでつなぐ構想のこと。

レセプトコンピュータ(レセコン)

 

レセプトコンピュータ(レセコン)とは、医療機関が診療報酬を請求するために支払審査機関に提出する「レセプト(診療報酬明細書)」を作成するシステムのこと。医療事務コンピュータ、医事コンピュータとも呼ばれる。

レセプト(診療報酬明細書)

 

レセプト(診療報酬明細書)とは、医療機関が公的機関に医療報酬を請求する際に提出する書類のこと。

医療等ID

 

医療等IDとは、医療・介護・健康分野において、保険医療情報を個人単位で連結するためのIDのこと。医療等IDは仮称で、厚生労働省では「医療等分野における識別子」と称している。

オープンソース

 

オープンソースとは、誰でも自由にコードを改良・複製・再配布できるよう、無償で公開されたソフトウェアのこと。

CLINICSカルテの「レセプト内包」とは

CLINICSカルテの「レセプト内包」とは、CLINICSカルテとORCAの連携方法を表現した言葉です。

CLINICSカルテは、業界で初めてORCAを内包したクラウド電子カルテです。

 

従来の日レセ連携の電子カルテでは、受付や会計業務を行う際、電子カルテとは別に日レセを立ち上げる必要がありました。

これらの電子カルテは、一般的にORCA連動型(ORCA連携型)と呼ばれています。

CLINICSカルテは、ORCA内包型として、ORCAを別途操作することなく、統一されたユーザーインターフェースで操作することができます。

※一部ORCAの操作を必要とする場合があります。

さらに、CLINICSオンライン診療やCLINICS予約と組み合わせることにより、一つのシステムで、予約〜受付〜対面診療・オンライン診療〜会計業務まで、一貫性のある操作で、効率的な業務が行えます。

日レセの特長

日レセの特長は、信頼性の高さとオープンソースであることです。

日本医師会主導であるという信頼性

日レセには、高い信頼性があります。
医療現場のIT化を推進する日本医師会が、現場での要望に基づいて、頻繁なプログラム更新を行っているためです。
常に薬などの最新マスタ、最新のプログラムを公開しており、ネットワークを通じて容易に入手することができます。

また、日レセはレセ電(レセプト電算処理システム)を標準装備しています。
厚生労働省のレセ電マスタを採用しているため、点数や項目の間違い(固定点数誤り)がありません。

日レセは、こうした信頼性の高さから医療機関の支持を得て、全国17,000件以上の医療機関で利用されるほどに普及しました。
現在は、電子レセプト時代の標準システムとなっています。

レセ電(レセプト電算処理システム)

 

レセ電(レセプト電算処理システム)とは、診療報酬を請求する際に、紙レセプトでなく電子媒体に収録したレセプト(電子レセプト)で提出を行うことが出来る仕組みのこと。

オープンソースのため経済的

日レセは、オープンソースとして無償公開されているため、メーカー製レセコンに比べて導入・運用コストを削減することが可能です。

メーカー製レセコンの場合、診療報酬改定のたびに有料で追加ソフトを購入したり、定期的にソフト・ハードを買い替えたりするなど、コストが高くなる傾向にありました。

日レセの場合は、診療報酬改定の対応やハードが古くなった際も、ハードのみを入れ替えるだけで済みます。

CLINICSカルテもORCA内包型のため、長期間経済的な運用ができます。

電子カルテと日レセの連携

電子カルテと日レセを連携させることで得られるメリットは、事務作業を軽減できることです。

例えば、受付で日レセから入力した患者データや、診察室で電子カルテから入力したデータを連動させることができます。
電子カルテとレセコンのデータが連動することにより、再入力のミスを減らすことが可能です。

また、日レセと連携できるのは、電子カルテだけではありません。
予約システムやレセプト点検システムなど、その他さまざまな機器・ソフトと連携することもできます。

日レセと連携できる電子カルテや、その他の機器・ソフトは多数存在しています。
それらは日本医師会ORCA管理機構のHPで公開されています。

日レセと連携できるシステムの件数は、2020年4月時点で下記の通りです。
  • 無床診療所対応の電子カルテ 39件
  • 有償診療所対応の電子カルテ 22件
  • 病院対応の電子カルテ    18件
  • その他の機器・ソフト    41件

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